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記録の重要性を考えながら、この量はなんとかならんのかと。

今日は愚痴っぽいかもしれません。

個人の感想なので、あーそうなんだ、という感じで読んでもらえると嬉しいです。

介護記録は本当に重要です。
自立支援には必ず必要ですし介護過程の展開(PDCAサイクル)の中でも重要な要素です。

制度的には理解できます。
税金から介護報酬を支払う上で不正請求を防ぐためにも必要な要素である事も理解しています。

しかしですね・・・多すぎませんかね、書類の量。
たとえばデイサービスですが、以下の書類の作成が必要です。

契約時)
・ 契約書
・ 重要事項説明書
  (料金表やリスクに対する説明文書や個人情報に関わる同意書など)
・ 口座引き落としの書類
・ 各種加算に関わる説明文書
・ パンフレット類

利用中)
・ 基本情報(フェースシート)
  ※居宅からもらうフェースシートの流用は不可の指導あり
・ アセスメントシート(通所介護計画書の根拠となる書類)
・ 通所介護計画書(だいたい6か月更新/アセスメントも同時更新)
・ 個別機能訓練計画書(3か月更新/アセスメントも同時更新/通所介護
  計画書の中に位置付けてもよい)
・ 入浴介護計画書(入浴介助加算Ⅱを算定する場合に必要/通所介護計画
  書の中に位置付けてもよい)
・ モニタリング(毎月作成し担当ケアマネに報告)
・ 介護記録(毎日作成/加算によって必要な記録内容は異なる/加算算定
  に必要な記録がなければ不正請求とみなされる)
・ 相談記録(利用相談などの記録、実地指導や情報公表で確認される)
・ 苦情記録(その対応内容や結果まで。実施指導や情報公表で確認)
・ 事故報告書(その内容や結果まで。重大事故は10日以内に行政報告、
  内容によっては30日以内でも可。実地指導や情報公表で確認)
・ 業務日誌(毎日・利用数やバイタルチェックの有無がわかるもの)
・ 送迎日誌(毎日・到着出発の時間、担当職員名など。実地指導で)
・ 研修記録(参加者名や出席がわかる感想文なども含む。実地指導で)
・ ケアマネへの連絡内容(適切に情報伝達できているか見られる)
・ 支援経過などの記録(介護記録で書ききれない内容や特殊な記録など)
・ 提供票の予定実績(毎日実績をつけて担当ケアマネに実績報告)
・ 科学的介護体制加算のLIFEへのデータ提出(随時)
・ 個別機能訓練加算Ⅱ算定のためのLIFEへのデータ提出(随時)
・ LIFEからのフィードバック分析作業(随時)
・ LIFEからのフィードバック分析結果を各種計画書への反映(随時)
・ ADL利得値の計算(定期)→ 要件を満たせばADL維持加算の算定

行政が示している正式名称ではないと思いますので、上記の名称のままではないとは思いますが、この他にも請求書や領収書などは事務員さんが作ってくれたりしますが、当デイでは口腔ケア加算やその他の加算は算定していないのでこの程度の書類で済んでいますが、基本的に算定する加算が増えればそれだけ書類も増える事になります。
当然、処遇改善加算や特定処遇改善加算、新設される処遇改善加算にも算定要件を満たす事が証明できる根拠となる書類が必要で、これらの書類はおそらく事務員さんが一生懸命作成してくれているはずです。事務員さんの処遇は改善されないのに・・・。

さて、当デイで上記のような書類を日常的に作成していますが、利用者さん一人に対して上記の書類が必要です。
当デイは地域密着型なので定員が18名です。現在、およそ55名の方の管理をしていますので、55人分の上記書類が日常的に回転しています。

日々の介護記録はチェック式にしたりして簡素化していますので毎日の記録でそこまで時間がかかるケースはありませんが、支援経過の記載方法など慣れてない職員は時間がかかっています。
支援経過への詳細な記録は、それこそが日々の小さな変化などを拾える重要な記録(チェックするだけでは見えてこない記録)になりますので気づいた事やどんな小さな事でも記録するように指導していますが、やはり利用者さんへの対応を優先するのでなかなか腰を据えて記録ができる職員は少ないです。ですからどうしても現場職員の中に重要な記録が眠ってしまいます。

大変なのが介護過程の展開(PDCAサイクル)で重要な、アセスメントと計画作成です。
基本は半年更新ですが、個別機能訓練加算を算定すれば3か月ごとの更新です。

3か月ごとに更新するとして管理数55人を12か月で単純に計算すると1か月約4.5件です。
3か月ごと更新は1年で4回の更新作業です。
55人分の計画書を年に4回更新すると220件となります。
220件を12か月で割ると、だいたい毎月18件の計画更新になります。
上記は個別機能訓練計画書なので、通所介護計画書は半年に1回(年2回)ですから、個別機能訓練計画書の半分の頻度になるので、毎月9件の更新が平均的な数値になります。

そうなると、毎月平均で27件の計画作成をするわけです。
そしてこれは平均なので、月によって更新時期がかたよるわけなので、多い月もあれば少ない月もあるわけです。まぁ全員から個別機能訓練加算はとっていませんので、もう少し少なくはなるとは思いますけど。

それにしても毎月このくらい作ってるのかと思うと改めてびっくりです。

特にデイサービスは、サービス提供時間中は利用者さんもいるので記録に割く時間も限られたりするので本当に書類業務ができる時間の捻出が難しいと思います。

以前いたデイサービスは通常規模だったので管理総数が150件くらいあってそれはもう大変でした。

計画更新作業は慣れれば短時間でもできるようになりますが、うちの会社のように独自のエクセルデータの書式だったりすると、介護のスキル以外にエクセルを扱える(見てわかる)スキルも求められるので、PCスキルの有無で作業効率も左右されるというなんだかよくわからない介護現場の状況になっています。

無駄とはいいませんが、時間が取れない中で質の低い記録をしてもPDCAサイクルが正常に回るとは思えません。
アセスメントも計画作成もそうです、作成を急ぐあまりに質が低くなれば正常な介護過程の展開による介護予防・自立支援の効果が得られないのではないでしょうか。

現に20年以上経過した介護保険制度では、国が想定したような介護予防の効果は得られていません。
必要な書類をつくるために介護職員を現場から遠ざけたからか、必要な書類に介護職員が適切な質の記録や適切な内容の書類を作れなかったからか、はたまたその両方か、いやいや全然違う理由なのかはわかりませんが、個人的には”あればいいだけ”の書類だけは作りたくないです。

書類整備=コンプライアンス整備の意味合いも強いですが、どうも多くの職員が書類=コンプラ、みたいな理解をしているように思います。

誰のためのケアプランで、誰のための介護記録や介護計画書なんでしょうか。

何のためにその時間を捻出しているのか、時間に追われて作業をしていると、時々わからなくなります。

まぁなんにしてもペーパーレス化が遅れている当社だけの問題だという事で我慢するようにしていますが、それにしても書類の量はもうちょっとなんとかしてほしいと思います。


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