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想いは伝わる。

科学的な根拠はないんですけど、経験から認知症の方には結構こっちの真心が通じると思っています。

逆に言うと、適当にあしらったり言葉だけだったり、職員の都合で物を言っていると通じない事が多いように見てきました。

まぁ僕が『想いは必ず通じる』と思っているので、自然とそういう色眼鏡で事象を評価している可能性もありますが、そういう同じ感覚で対応している職員と、そうでない職員とで認知症の方、特に対応が難しい方から信頼を得られるかどうかを比べると、圧倒的に『想いは通じる』と信じて対応している職員の方が信頼を得られているように思います。

想いは通じると思ってない職員に言わせると、相性がいいから、たまたま好かれたから、という感じみたいなので、よくあるのが『あの人はあなたと相性がいいからお願いね』という構図です。

可能性を信じていない時点で態度や言葉遣いに少しずつ滲み出ていると思うし、そういう微妙な感覚を認知症の方は鋭く察知して見抜いているんだと思います、根拠は僕の経験上の感覚なだけなので絶対ではないかもですが、少なくとも僕自身は、あまり現場に入らないのに現場職員が敬遠するような認知症の方と仲良くなったり落ち着いてもらえたりしてるので、そういう想いでちゃんと対応すれば信頼を得られると考えています。

そうなってくると僕のデスクのそばに認知症の方を連れてきて『ここで待っててくださいね。』とかしちゃう現場の職員も少なくないのですが、残念ながらそういう対応をする職員は必ず『信じてない』側の職員ですね。

『別にいいけど、いつまでも信頼得られないよ。』と釘は刺すんですけど、本人達は特に信頼を得たいとも思ってないので響きませんよね。

そういうところなんだけどね。

一方で『信じてる』側の職員は、いくら拒否されてもいろいろ試そうとしています。

そりゃそうですよね、ちゃんと伝わるって信じてるから。

そして、その想いが通じた時に普通には得られない絆のような感覚を感じる事ができるようになり、アイコンタクトである程度の意思疎通ができるようになります。
なので、そういう関係性まで築けた職員がいる時は、現場が落ち着いている事が多いのですが、多くのケースで視線で認知症の方の行動をある程度コントロールしている様子が見られます。僕自身もあるていどアイコンタクトで『今ちょっと手が離せないから少し待っててくださいね』みたいな視線を飛ばして通じたように感じる瞬間は沢山経験してきたので、信頼関係を築くというのは本当に大切なことだと思います。

その信頼がどんどん深まれば、認知症の方であっても顔を覚えてくれて側に居させてくれたり、一緒にいるだけで落ち着いて過ごしてもらえるようになったりしますから、認知症対応でやはり最初に努力すべきなのは、信頼を深める事だと思います。
いや、普通に人間関係を作る上で基本中の基本で大切な事なんですけどね。

この当たり前の事を当たり前にできないのが問題だと思います。

そもそも認知症だからわからないだろう、とか思ってるのかなぁ、とか思ってしまうのですが、認知症対応の基本は『認知症だからわからないだろう』と思わない事なので、やっぱり勉強不足、理解不足、努力不足、認識不足なんだろうと思います。

認知症であろうとなかろうと『想いは伝わる』という事をベースにここまできました。

これからもその信条は変わらずに進んで行きたいと思います。

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