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「こんな結末は夢にも思わなかった」老老介護で妻を殺害、夫が法廷で語った“後悔”と“妻への愛情”・・・という記事の紹介です。
こういう痛ましい事件をなくするのが目的だったような気がするんですよね、介護保険制度って。
面談を通じて垣間見えた介護生活のなかでも、特に負担が大きいと感じたのは食事の用意。妻はこだわりが強く、朝食には必ず3種類のフルーツと決まったメーカーの牛乳、トーストを用意していた。その他の食事も、主菜のほかに数種類のおかずを用意しなければならず、買ってきた総菜は煮直す、刺し身は鮮魚専門店で購入するなどの“ルール”もあったという。
被告は当時から、友人や家族に「食事の用意が大変だ」とこぼすこともあったそうだが、それでも「妻の希望は極力かなえたい」との思い、また元来の性格から来る「家族のことなんだから当たり前」という考えから、“苦痛”とまでは感じていなかったようだ。
こうした被告の“心根の優しさ”は、妹たちの証言からも感じられた。
上申書を提出した長妹は「兄は小さいときからおとなしく、真面目で物静か。乱暴しているのも見たことがない」「逮捕後、留置施設で泣きながら『申し訳ない』と言っていた」と証言。次妹は法廷で「おとなしくて優しい性格。きょうだいげんかも記憶にない」「自分のなかで追いつめられてしまったのだと思う」と述べた。
妹たちの証言を聞きながら、被告は口元を震わせ、必死に涙をこらえているように見えた。
男手一人で献身的に介護をされていたようですが、こういう状況になると本当に孤独で介護疲れで潰れてしまうんですよね。
しかし、それは本人は気づけないので周りが気づいてあげるのが良いのですが、こういうケースのように予兆や予感はあったとしても、当の本人が拒否したり介護しているパートナーが大丈夫、と言ってしまうと介入のしようがないというもの悩ましい所なんですけど、こういうケースや事件は後を絶たないので、ある程度強制的に介入できるような仕組みは必要とは思いますが、そういう仕組みが制度化されそうな気配はなくて、結局こういう問題の根っこはケアラー問題や介護離職の問題とも繋がっていると思っているので、早くこういう事が再発しないような一手を打ち出してもらいたいものです。
事件が起きる1か月ほど前、被告ら4人きょうだいの長姉が亡くなり、被告と妹ふたりは葬儀で顔を合わせていた。その際、妹たちは被告について「ずいぶん痩せちゃったな」と感じたという。
しかし、当時は亡くなった長姉の夫も寝たきりの生活だったため、妹たちは香典返しなど葬儀の後始末で手一杯だった。被告もそれを分かっており、さらには「きょうだい唯一の男である自分が弱音を吐けない」との思いから、助けを求めることはなかったという。
なお、妻は事件当時「要介護1」に認定されていたものの、「(家の中へ)他人に入ってきてほしくない」と言ったため契約しているケアマネジャーやヘルパーはおらず、被告がほぼワンオペで介護を行っている状態だった。精神疾患についても通院や入院による治療が必要だったが、本人の拒否により実現しなかったという。
被告はかつてシルバー人材センターで週に数回仕事をしており、その仲間との付き合いも楽しみのひとつだった。しかし、妻の病状が悪化し徘徊(はいかい)なども始まったため退職。これによって社会的孤立に陥ったと考えられる。
大事なのは今まで続けていた生活を出来るだけ継続する事だと思っていて、このケースだとシルバー人材センターでの仕事は同じペースで継続できていたら良かったなぁ・・・なんて思いましたが、肝心の妻が他人を家に入れたくないのでケアマネもヘルパーも入ってなかったようなので、ここが工夫のしどころだったのかなぁと思いました。
精神疾患もあって治療が必要な状態だったとの事だったので、こういう部分の医療的な介入が出来れば違った結果になってたのではないか・・・とか思ってしまいますね。
一人で介護を抱え込んでしまっている家族は結構頑固になってたり、自分が頑張らないと、と思い込んでいたりしてしまうのでその上での介入が大切かなぁと。
いずれにしても介護で頑張らなくていい世の中になればいいと思ったし、もうこんな事件が起こらないようにしたいし、そういう世の中にしていかないといかんのだと思いました。
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