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考えて工夫する事の大切さ。

現場での指導をしていく中で工夫している事がいくつかありますが、ほどよく本人に考えてもらって悩んで工夫してもらうように仕掛ける事が大切だと思っています。

僕自身が指導という指導を受けてこなかったので、最初の頃は何でもかんでも教えてあげる事が大切だと思っていましたが、そうしてしまうと大抵の人は教えた事しか出来なくなってしまってしまいました。
少し工夫すればこのケースも対応できたろうに、と思うような類似ケースでも対処がわからなくなり僕に聞きに来たり、これでいいですか?と聞きに来たり。

そうはならないように色々助言も付け加えて丁寧に教えてたつもりでも、これはこうでいいですか?とか、教えてもらったとおりにやったんですがうまく行かないんです、とか。

これは僕がリーダーになって人を教えたり指導するってのはこんなに難しいのかと思った出来事でした。

僕自身は、僕が苦労した事を、教える事で後輩に同じ苦労をさせずにショートカットできると思って、それがあるべき指導方法だと思ってたんですが、それではうまく行かないという事に思い至るまで結構かかりました、2〜3年くらいは冒頭のような指導方法を続けてたと思います。

そういう中でも、応用力ができる職員はどんどん僕の知識と経験を吸収して育ってくれましたが、そうではない職員はなんでも確認しにきてしまうんです。
僕が、失敗してもいいからまずはやってみろ、と言い続けても変わりませんでした。
10人いれは、9人か8人はそういう感じで育ってしまいました。
でもまぁ、1人か2人はきちんと育ってるからいいか、なんて思って納得しようとした事もありましたが、例えば事故報告書が書けない職員がいて、仕事が終わってからつきっきりで教えながら書き方とかを教えていたのですが、僕の教え方の悪さもあって4時間経っても仕上がらず、結局僕が説明したような内容にしか報告書が仕上がらなかった事がありました。流石にこれには参りました(笑)
それで何でこうなるんだろうとずっと悩んで仕事をしていたのですが、ある時に、自分は失敗してもいいからやってみろ、と言ってるのに失敗しない方法を教えて先回りして何でも伝えてしまっていた事に気が付きました。

それからは基本的な事と想定されるリスクは説明して、手順など必要なら見本を見せてから、あとはまずやってみろと言ってやらせるようにしています。

ここでもうひとつ工夫しているのが、途中では一切何も助言を与えずに、全てが終わってから助言をするようにしています。

そうする事で本人は僕の見てる前で失敗したりうまく行かなかったりするので、本人自身の振り返りと今度はどうするかを確認して、僕なりの助言を伝えるようにしています。
そうする事で大抵の職員は少しは自分で工夫するようになってくれるようになりました。
それでも正解探しに来る職員はいるのはいるんですけどね。

あとは本人が知りたい時に教える事がとても大切だと思っています。
なので、質問されたタイミングで出来るだけ教えて、同時に課題を与えるようにしています。

先日、新しく新設された入浴加算2について、生活相談員に成り立ての職員から質問を受けたので、ちゃんと理解したいのかと確認すると、新しい加算だから知っておきたいとの事だったので、いわゆる青本と言われる分厚い本の入浴加算2の部分を示して、まずここを100回読んで理解した上で説明できるようになれ。と課題を与えました。

翌日、読んできました、と意気揚々と僕のところにきたので、じゃあ俺に説明しろ、と言って説明させましたが、ポイントがずれていたり曖昧な点が多かったので、まだだめ、読み込みが足りない、あと1000回読んでこい(笑)と言って継続させました。

冒頭の頃の僕ならきっと1から10まで一緒に読み込んで、ここはこういう意味で、ここはこう、だからこう、なんて感じで教えてたんだと思いますが、こういうやりとりをする事で、本人がどんな感じで取り組んでいるのか、どの程度の力量があるのかも測れるので個別の能力やスキルに合わせて指導がしやすいと思っています。

本人も自分で知りたいと言った手前、いまも頑張ってくれています。法令を書き取ったりしてて理解しようと努力もしていましたが、まだまだ十分な説明になってないので、まだ突き返しています(笑)

そうやって遠回りかもしれないけど本人が自分で工夫する事って凄く大切で、うまくいかない経験をさせるのも重要だと思っています。

課題設定で気をつけているのは、10回に6回か7回くらい成功できそうなハードルをもうけるようにしています。

出来ませんとかよく言われますが、やる前から出来るような課題なんてやっても何も成長しないでしょうが(笑)と言ってやらせています。

困った顔をするのを見るのも楽しみなんですが、どんな工夫をして失敗しても成功しても、そこからどんな学びを得るのかが楽しくてワクワクするのが教える側の醍醐味かと思います。

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