訪問介護のヘルパーの有効求人倍率、昨年度は14.14倍 厚労省「非常に厳しい状況」・・・という記事の紹介です。
ヘルパーの有効求人倍率は他と比べても突出して高いので有名ですが、去年は14.14倍という事で、僕が記憶してたのが15倍くらいあったので、それと比べると軽減傾向ですけど、事業所の閉鎖や縮小もある事を考えると、人材確保が進んで減ったというよりも、事業継続を諦めて減ってしまっている状況があるのではないか・・・と思ってしまいます。
とはいえ14倍というのはかなり高い数字ですよね。
全体の平均でみると有効求人倍率の平均は1.2倍程度ですので、平均よりも10倍も高い人手不足である事がうかがえます。
労働者目線では売り手市場になっているので、良い職場をじっくり見極められる環境だとは思うのですが、そもそもヘルパーで働こうと考えている人自体が少ない気がするので、そこが大きな問題だと思っていますし、そこを改善できないままここまで来てしまったので、こんな倍率になっているんだと思います。
これまで施設職員との比較データは見た事がなかったので、このグラフを見てびっくりしました。
施設でも人手不足は深刻なので、もっと高い倍率だと思ってたんですけど(それでも全体平均の3倍)、状況としては右肩下がりで改善傾向にありますね。
一方ヘルパーも昨年度で減少傾向になりつつあるのですが、この2022年度で突出した原因と2023年度げ減少した原因について、なにかはっきりしているモノがあれば知りたいですね。
しかし、こんな倍率が毎年アップしていく状況をよくもまぁ放置してきたな、と思います。減少に転じる結果が出るような具体策をなぜ2019年まで打てなかったのか不思議。
2019年に何があったのか調べると、以下の介護保険制度の改正がありました。
特定処遇改善加算が新設された年ですね。
ベテランでリーダー級の職員を他産業と同水準の賃金になるように打ち出してきた施策で、この流れは定着やキャリアアップで頑張れば将来こんなキャリアで仕事ができる、と若手に示す事ができるのでいい加算だと思ったのですが、特定の職員だけ評価して処遇を改善するのは不公平だ、みたいな意見がいろんな所から出てきて骨抜きにされましたね。非常に残念でした。
それでも、この加算の影響でヘルパーの有効求人倍率の上昇に歯止めがかかった可能性はあるかもしれません。
このあたり、ちゃんと因果関係を研究すれば具体的で効果的な対策も見えてきそうなんですけど。
ヘルパーの有効求人倍率が高いという事は、ニーズはあるけど、そのニーズに対応できる職員が足りてない、という事を示しています。
事業所としては、あとこのくらい職員がいれば事業継続・事業拡大が出来るのに足りてないから求人を出すわけですので。
ですので、これから更に高齢者が増えてニーズが拡大していく2040年頃までは介護難民が増える傾向であり、家族介護で仕事ができなくなる介護離職も増えるだろうし、ケアラー問題も深刻になって唯でさえ減少していく労働人口が更に減少してしまう可能性があり、日本の経済の土台を揺るがす大きな問題なんだと思うんですけど、あまりそういう所までイメージしている人がいないので現状のような情報が放置され続けてきているのだろうと思います。
財務省は危機感もっているようですけど、それでも予算は回しませんよ、という姿勢なので何とも言えません。
事業所の閉鎖や縮小が増えている一方で、新規立ち上げも増えているので、ある程度の新陳代謝が進んでいるような気もするのですが、どうも増えている新規事業というのが併設型の訪問介護事業所らしいので、ちょっと微妙なんですよね。
ヘルパーの平均年齢も業界トップですので、ベテランが定年退職した後、職員が誰もいません、という状況も生まれそうです。
これ、2022年の記事なので単純計算でいくと、平均年齢は56歳になってる感じですね。
定年65歳?70歳まで頑張ってくれたらなんとか2040年までは現状の人員は維持できそうですけど・・・はてさて、どんどんニーズが増える中で体力が低下してくヘルパーがどこまで対応できるのか微妙です。
ちょっと笑えない状況になりそうです。
これ、他のサービスと比べて収入が得られない、という調査結果があって、これが深刻なんだと思っています。
平均給与でも、ヘルパーは業界内で最下位なんですよね。一番低い。
でも処遇改善加算の割合は一番高いんですよ、一番処遇改善が進んでいるはずの業界なんです、ヘルパーって。
なのに業界で一番平均の給与が低いって状況は、どれだけ利益追求の企業にぼろ儲けさせてきたか、という事にも繋がると思っていて、その結果、他業種よりも高い利益率のヘルパーのみ今回の報酬改定でマイナスになれてます。
国としては、ちゃんと処遇改善できる対策してんのに、そっちでちゃんと還元せずに利益追求ばっかりしてるからもう知らねーぞ、って感じですよね。
こういう流れで真面目にやってる僕らのような小さな事業所まで大きな影響を受けてしまうわけです。処遇改善加算が一番高いヘルパーが業界内で平均給与が一番低いなんて思ってもみませんでしたからね、びっくりです。
対策がちょっとまだそんなんでイケると思ってるの?と思ってしまう内容ですが、やらないよりはやった方がいいので真剣に対策を検討して進めて欲しいですね。
もうどの産業も人手不足ですよ。バスの便も減ってます。
そういう状況も考えて社会保障制度を維持できる対策を検討してもらいたいですね。国民の人生かかっているわけですので。
さて、おおさわですが10月29日(火)開催のこちらのイベントに参加します。
参加予定の10法人の内の1法人として一人でひっそりブースに座ってますので、もし来られたら気軽に声をかけてくださいませ~。
第三期メンバーが見つかるかも?
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