見出し画像

【JCOG1114C】中枢神経原発悪性リンパ腫 ー 大量MTX + 全脳照射± テモゾロミド ー

Mishima K et al. Neuro Oncol. 2022. PMID: 36334050


中枢神経原発悪性リンパ腫, HD-MTX+WBRT+TMZ, JCOG1114C

<背景と目的>
・目的:中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL, primary central nervous system lymphoma)に対する標準治療である大量メトトレキサート(HD-MTX, high-dose methotrexate)と全脳照射(WBRT, whole-brain radiotherapy)の併用にテモゾロミド(temozolomide)を追加することにより生存成績を改善できるかを評価すること。


<対象と方法>
・第3相ランダム化試験、日本、JCOG1114C
・対象:20-70歳、新規に診断された中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)
・大量メトトレキサート(HD-MTX)投与後に患者を、全脳照射単独(30 Gy ± 10 Gy)と全脳照射+テモゾロミド併用にランダム化。
・テモゾロミド併用群では、全脳照射期間中および全脳照射後2年間テモゾロミドを投与した。
主要評価項目:全生存(OS, overall survival)。


<結果>
・2014年9月~2018年10月、134例が登録され、122例がランダム化された。
・中間解析時点で、2年全生存率は標準治療群 87%、テモゾロミド併用群 71%
・ハザード比は2.18(95% CI 0.95-4.98)で、テモゾロミド併用群の優越性が最終解析にて認められる可能性は1.3%と推定された。
試験は無益性(futility)のために早期終了となった。
・MGMT promorterのメチル化の状態が115例で評価されたが、メチル化の有無による予後に差を認めず、テモゾロミドへの奏効にも差を認めなかった。


<結論>
・中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)において、標準治療である大量メトトレキサートと全脳照射の併用にテモゾロミドを追加することによるベネフィットを示すことはできなかった。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?