肛門がんに対する(化学)放射線療法 ー 強度変調放射線治療 (IMRT) vs. 3次原体照射 (3D-CRT)

Sauter C et al. Sci Rep. 2022;12:19914. PMID: 36402828

<背景>
・肛門がんに対する根治治療としての強度変調放射線治療(IMRT)と3次元原体照射(3D-CRT)の治療成績を比較した


<対象と方法>
・単施設、後ろ向き研究、ドイツ
・対象:2004年~2018年に根治的(化学)放射線療法を施行した肛門扁平上皮がん患者


<結果>
・合計94例を解析(IMRT 58例、3D-CRT 36例)
・平均経過観察期間:61ヶ月 (IMRT 46ヶ月、3D-CRT 85ヶ月)

・強度変調放射線治療 (IMRT)
  5年全生存率 86%、5年無病生存率 72%、5年人工肛門回避生存率 75%
・3次元原体照射 (3D-CRT)
  5年全生存率 87%、5年無病生存率 71%、5年人工肛門回避生存率 81%
・強度変調放射線治療 (IMRT)後 と 3次元原体照射(3D-CRT)後に明らかな治療成績差なし

・グレード3以上の急性期毒性は強度変調放射線治療 (IMRT)と3次元原体照射 (3D-CRT)の比較で統計学的には明らかな差はなかった(IMRTで良好な傾向はみられた)


<結論>
・肛門扁平上皮がんに対する根治的(化学)放射線療法において、強度変調放射線治療(IMRT)後と3次元原体照射(3D-CRT)後の生存成績は同等
・強度変調放射線治療(IMRT)を用いることにより正常臓器への照射線量を低減し有害事象を低減できる可能性



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