新規就農1年経って思う新規就農成功法則

※先に断っておきますがこれは黒字経営を保証するものでもなければ必ず上手くやれるとかそんなんじゃありません。
少なからずこのような考え方だと「失敗は少なくて済むよね」と言うものなので悪しからず。


新規就農者は多くの希望を持って始められる方が多いと思います🌱
別に希望が悪いとか夢なんか持つなとかそう言うことを言うつもりはありません。
ただ、果たしてそれは現実的かどうかはこの記事を読んで考えていただきたいです。



1.作りたい作物を作るな!売れる物を作れ!

普通に考えれば生活する上では当たり前のことですが最初は盲目になりやすいので尚更注意が必要です。

まず、新規就農者は「何を作るか」と言う点から就農計画を立てていってると思います。
しかし、それは「自分が作りたい物」で「売れる物」でない事があるように感じます。

例えば
「自然栽培で作物を作り無農薬で安心、安全な作物を作る」と言う計画があったとしましょう。
それは果たして近所のスーパー等で売れるのか、道の駅等の直売所で売れるのか。

農薬を使わないと虫も湧きますし、病気にもなります。そうすると収量が少なくなります。となると売値は慣行栽培品(肥料使用、農薬も使用)の倍の値段をつけないと採算が合わない。

消費者は虫が食った形の悪い高い野菜と虫のいない形の綺麗な安い野菜どちらを買うでしょうか?

答えは明白です。虫のついていない形の綺麗な安い野菜のが売れます。

下手したらスーパーに持って行ってもクレームを受けるのがリスクだからと卸すことすらかなわないかもしれません。

自然農法等を否定する気はサラサラありません。ただ作り方にこだわる以上安定的に作物を採れるかと言うと疑問がある。とだけ言わせて下さい。

家庭菜園などではお好みでやっていただけば結構です。

では、どうすれば「売れる作物」がわかるのか

2.「売れる作物」=「名産品」

今更ですが農地がある事を前提で話を進めていきたいと思います。

「売れる作物」は農地によるところは大きいと思います。

しかし、どんな農地でも市区町村で有名な作物があると思います。


その作物を作りましょう。
その作物を作りましょう。


大事な事は2回言う。
ここで大切なのは自分のエゴを捨てるということです。
なぜこんな事を言うかと思う人もいるかもしれません。それは新規就農者は希望に満ち溢れ就農し、現実に絶望する人を見てきたからです。

少なくとも名産品であればJAに出荷や指導員さんなどのある一定のルートが確約されているわけです。これを使わない手はない!

作物の病気等も近所の先輩農家さんに聞いたら答えてくれます。わからなければ指導員さんに聞いてもいいかもしれません。

作物の生産〜出荷まですればJAに卸せる。そして卸すだけで収入が入る。こんなに農家に優しい会社が果たしてあるだろうか。
つまりこれが「売れる作物」になるわけです。

これで周りの農家がやっていけるのであればそのレベルまで精進し生産すれば生活する上では困らないくらいは稼げるだろうと思います。

だって周りが生活できてるんだもんと言う理論です。
ちなみに僕はこの理論で苺を始めました。
正直、それなりに稼げそうなのが身の回りだと苺だっただけでこれが干瓢だったら干瓢農家になってたと思います。

「売れる作物」=「地域の名産品」

と言うところまでは理解していただけたでしょうか?

次は狙い目の土地です。
あるんです!こんな農地が地方には!!

3.金をかけずに居抜きを狙う!〇〇御殿を狙え!


出来れば就農する土地の農家に研修に行ければ研修に行きましょう。

この農家もどこでもいいわけではございません。

出来れば農協等で収量が多い農家さんを聞いて狙って入った方が失敗は少ないと思います。
しかし、その家が儲かってるかと言うと話は別です。では、どう儲かってる農家を見分けるか。

家を見る。

その地域の農家で「〜さんは〇〇を作ってて〇〇御殿を建ててるからねー」なんて結構モラルもへったくれもない事を地方の方は仰ってます。

現に僕もどれだけ「〜さんみたいに苺御殿が立つように頑張んなきゃね」と言われてきたことか、、、

裏を返せばその作物を作ればまぁまぁ稼ぎがいいわけだと算段がつくわけです。

つまりそう言う「〇〇御殿を建ててるような農家に研修で行く」がbetterな選択だと思う。

ここでの心構えは「如何に農家の技術、考え方を学べるか!」にかかっています。

いざ自分の農地で始めると全く思ってたのと違う生育が起きたりします。そうなった時に臨機応変に対応出来る引き出しの多さがものを言います。
研修先ではこうやってたからと盲目的に作業していると落とし穴に落ちます。

なぜその作業があるのか、なぜその灌水の量なのか、なぜこのタイミングで農薬を撒くのか、この疑問の積み重ねが経験になり何かあった時にも本質を外さずに対処できるようになると思う。
←自分でも反芻しながら自問自答する日々でございます🙇‍♂️

大事なのはここからです!

研修中にそろそろ辞める農家を聞いてみてください。
1番の狙い目はここです。
〇〇御殿を建てるようなある意味成功してる人は地元でもそれなりに顔が効いている訳です。そして地域の他の農家を知ってる数が多いし内部事情も知っている。
ここからインサイダー情報を得るのです!!

今は農家の平均年齢が64.6歳でほとんど定年過ぎの高齢者ばかりです。
更に言うとあくまで平均なので80歳とかザラにいるので今は離農者>就農者なので本当に狙い目です!

1番の理想は。

トラクター等の重機からハウス等の資材まで
そっくりそのまま引き継ぎ初期投資はほとんどかからないで就農すること。

青年等就農資金などで借入をするとその分リスクにはなります。返済が始まってから経営が怪しくなると言う話はよく聞いたもので、如何にそのリスクを避けるのか、それが大事になってきます。

新規就農者とは経営者でもなければなりません。
現実的にクレバーに生きていかなければなりません。夢や理想は二の次に考えてください。


まとめ

まずは農地が決まっていれば自分の農地に向いてる作物をリサーチし地域の豪農に迎合し就農するもよし、研修に一度行くもよし、自分で考えて行動してください。

農地が決まってない人は逆に「作りたい作物から農地を探す」と言う手もございますので
作りたい作物→豪農に研修→農地見つける
みたいな感じでも良いのかなと思います。

新規就農者にとってあまり聞きたくないことのが多かったと思います。もちろんこれが100点で成功例な訳でもないので「俺はこうする」とかあればそのようにやってください。
これは入社3ヶ月で社会を語る新入社員のノリで書いた所詮まだ新規就農者の老婆心ながら書いた記事なのでそんな考え方があるんだなぁ程度に思っていただけるとありがたいです。

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