言葉の綾取りをやめたい
嗚呼 一刻も早く
言葉の綾取りをやめたい
止めれども 病めれども
蜘蛛の糸のごとく
吐き出される言葉
からまって ほつれて
つながって やぶれて
ときおり きれいな形になる
ネタも 流行も 諧謔も
ベタも 解釈も 炎上も
なんでもない
ほんとうは なんでもない
〈手〉ばかりが編み出した言葉を
〈目〉ばかりが貪っていくから
言葉で雁字搦めになったぼくらの手は
侵されていく
奪っていく
燃えていく
灰になっていく
日本人の平均寿命は延びたのに
日本語のなんと短命なことか
百年後の世界
否 一分後の世界に
きみの言葉は生き残っているだろうか
嗚呼 一刻も早く
言葉の綾取りをやめたい
綾取りをやめて
言葉本来のちからを
感じ取りたい
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?