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夏炉冬扇(中断)

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大変申し訳ありませんが、制作の途中で挫折してしまい、更新をストップいたしました。別のかたちで最後まで書き直したものが、連載小説『言葉くづし』(サイト内マガジンのひとつ)です。よけ…
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2022年1月の記事一覧

夏炉冬扇 #8

夏炉冬扇 #8

*第7話はこちらから

殺意だ。

殺意を抱かれたのは、生まれて初めてかもしれない。

影が私の喉仏に向けて腕を伸ばしてくる。私は咄嗟に後退り、首の手前数センチのところで、相手の爪が空を切った。だが、私は水溜まりに足を取られて、身体のバランスを崩してしまった。硬い岩盤でできた詩碑に背中を強打して、一瞬意識が遠のく。その機会を逃さず、もう片方の腕がすかさず攻めてきて、ぐいと胸倉をつかまれた。成す術も

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夏炉冬扇 #7

夏炉冬扇 #7

※第6話はこちらから

一階のフロアへ降りたとき、私はちらと通路の奥にある文芸資料室の入口を遠目に見た。惜しいことをしたもんだ。あの部屋には文豪たちの遺品や原稿用紙などのオタカラがたくさん展示されている。せっかくお金を払ってきたのだから、これら資料も閲覧したかったのだが、兄が来ているかもしれないタイミングでは難しそうだった。人に気づかれないように舌を出して、私は受付に座る里子さんに会釈した。

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