ニップルピアスを入れた時の話

もう15年ぐらい前の話なので、細部は全然思い出せないんですけれども、要望がありましたので書いてみます。

私は右乳首にニップルピアスをしています。スタジオなどではなく、旦那様の手で開けていただきました。
そもそもなんでピアスを入れたかというと、その当時私と旦那様はまだ結婚しておらず、ちょっとすったもんだあった挙句になんとかヨリを戻した後でした。そのまだ関係が不安定な中で、私のメンタルも相当に不安定だったのですね。なので当時彼氏だった旦那様が「乳首にピアスとか入れたい」と言い出した時に、最初は「そんなことできるわけない!」と言っていたのに、「…待てよ。この人に自分の手でピアスを開けさせたら、この人の性格的に[傷モノにした相手]は手放しづらくなる…かな?」という打算が働き、そのためなら自分の体を代償にする事にあまり抵抗もないメンヘラな部分もありました。
ともあれ、そう言った理由から「あなたの手で開けてくれるなら」という条件をつけて、私は乳首にピアスを開ける事になったのです。
それでもまぁ、将来もし子供ができてもし授乳するなんてなった時になんかあったら困るという理由で、片方だけにしたチキンぶりではあるんですけれども。

ちなみに今回のピアッシングも医療行為ですから、参考までに留めて下さいね。私たちの場合はこうしたよという話です!参考にする場合も自己責任ですよー。

準備したもの

ネットでニップルピアスを自分で開けた人の経験談などを元に、色々準備しました。

・ニードル(14G)
まずはこれが無いと穴は開けられませんね。ピアスを開けるための針、滅菌済みの個包装されたぶっとい注射針みたいなやつです。ネットで注文しました。散々迷って協議して14Gにしましたが、針が届いた時にその太さにドン引きしましたね。そんなにかよ!その太さを乳首に刺すのかよ!と。しかし買ってしまったのでもう後には引けません。

・バーベルピアス
これもネットで注文したものです。初期ピアスに選んだものは、14Gのバーベルピアスでシャフトが16ミリとかのやつ。乳首のサイズを測ってぴったりの長さを選んだのですが、後々考えるとそれが失敗でした。バーベルなら乳首よりも長く余裕があるものを選んだ方がいいです。ボールが穴に触れていると、お風呂で綺麗にしていても雑菌がたまっていくのか初期ピアスの頃はしょっちゅう膿んでました。ホットソークとか色々試しましたが、結局シャフトを長いのに変えたら安定してきたので、そういうことなんだと思います。

・消毒用のアルコール
これは家にあったものを使ったので、詳細は覚えていません。とにかく消毒用のアルコールです。ニードルやバーベルピアスなどを消毒して殺菌します。
ちなみに無水エタノールはある一定の濃度で、精製水で薄めた方が殺菌効果が高いとか?その辺りはググって下さいね。

・抗生剤入りの軟膏
市販されてるものではドルマイシンとかですかね。ピアッシングの際ニードルの先端に塗ります。ホールの化膿を抑えるのと、ピアッシングする際の潤滑剤がわりになります。正直使ったかどうか覚えてないんですが、やるなら使った方がいいです絶対。

・小皿
消毒するものを入れる容器です。なので、ピアスとニードルか入る大きさが望ましいです。私たちはラブホに行った時に穴を開けたので、わざわざ小皿を買いました。

・ゴム手袋
衛生面に気をつけたい事をする時は必須ですね、ゴム手袋。ピアッシングにも大活躍です。

こんなもんでしょうか。
本当はもっとピアッシングするのに便利なものが色々あるんですが、私たちが準備したのはこのぐらいでした。
針を刺す反対側に支えとして当てておく、ゴム板とか消しゴム的なものがあるといいかもしれません。後述しますが、これが無いとなかなか貫通しないかもです。

いざ、開通

その日は旦那様が私の地元に来て、2人でラブホに入り、そこで開けることにしました。距離があるお付き合いでしたし、二人とも実家暮らしでしたので家でやるわけにもいきませんのでね。
ホテルに入ってまずは小皿に消毒液を入れ、ニードルとピアス、これは両端のボールを外して石鹸で洗い、これらを消毒液の中に入れておきます。嫌が応にも緊張が高まりました。
そしてその後まあホテルなのでする事をして(旦那様はたいそう興奮していた事を覚えております)、その後風呂場で身を清めて上がりました。いよいよピアッシングです。
右の乳首を消毒液で消毒。手を洗ってゴム手袋をした旦那様が、消毒液の小皿からニードルを取り出します。もうドッキドキですよドッキドキ。正直このあたりのことはよく覚えていないのですが、内心緊張していたと思います。
そんで、旦那様がブスリと針を乳首に刺しました。いやもうこれが痛いのなんのって。私2年前に出産を経験しましたけど陣痛とはまた異質の痛みだからなのか、この時の痛みはもうトラウマものです。酷い声で呻いて、手が何かを掴むように空をもがく。グッと針が押し込まれる度に乳腺を突き破るブチブチという音が体の内側に響く。
それがしばらく続いて、旦那様の手が止まりました。見ると、彼の顔はもう真っ青で。彼自身も、かなり緊張していたのではないでしょうか。ポツリとこう言いました。
「貫通しない……」
どうも、表側から皮膚を突き破るのはうまくいったものの、内側から皮膚を突き破るのはかなり難しいらしいです。最後の最後で、なかなか貫通しないと。そういうことらしく。反対側にニードル受けの消しゴムでも当てておけば良かったのかもしれませんね。しかしその時の私はそんな事を言われても、中断するわけにもいきません。彼に、やり切ってもらうしかないのです。そのまま、無言で憔悴していると、また彼が手を動かし始めて、激痛に飲み込まれました。
そして、やっと貫通!!みると、乳首にニードルが刺さっているではありませんか!!すげえ!!すげえ絵面!!画像に残していないのが残念でなりません!!!
その後、ニードルの針側ではない方にバーベルの片方ボールを外した状態で、その外した方をニードルの穴に設置し、そのまま押し込みます。またこれが痛いんですが、既に貫通はしてますから押し込めばそのままバーベルが入ります。貫通したら針を外し、ボールで留めて完成です。
※言葉での説明はわかりづらいかもしれませんので、参考サイト載せておきます。こちらのほうがピアッシングのやり方についてはより詳しいかと思います。 http://piercy-nana.com/wp/?page_id=21
やや血は出ましたが、さほどではないです。それよりも、ピアッシングがうまくいったことが嬉しくてしょうがなかったです。穴の入れたところと出たところがズレてるのも、頑張ってピアッシングしてもらった感があっていい。ぐったりと憔悴する彼を前に、私のテンションはいきなり急上昇。彼を撫で回して、「よく頑張ったね、偉いね!」と褒め始める始末…あれ?ここ、立場的に逆なのでは?(笑)

彼は運転免許を持っていないので、帰りは私が痛みに耐えながら彼を送り、私も帰宅。家でも家族の前で痛みに耐え、こっそりとロキソニンを飲んでやり過ごしていました。(ロキソニンが効いていたかどうかは少々自信がありません)
ちなみに、痛みそのものは私の場合2日ぐらいでなくなりました。ここは個人差でしょうね。私はどうも痛みに強いというか、回復が早い方らしいので、普通はもう少しかかるのかもしれません。

その後の心境の変化

今の「旦那様ラブな私」は、完全にこの時形成されたように思います。
それまでは、「今この人と別れても軌道修正が効く」と思っていましたが、彼の手でピアッシングされたことによって、私の精神的には「完全に軌道修正が効かない体になった」と思ったんですね。でも、心の中ではそれを望んでいたのだと思います。
そして、その作業は彼の手によって行われた。先述した通り、彼の性格的に、自分の手で傷物にした相手を簡単に手放す事はしないと思いました。それは、私にとってこれまでにない安心感を与えるものでした。結局、私は彼に「見離される」事を怖がっていたから、自分の気持ちの全てを彼に向けてはいなかったのです。自分が傷付かないように。
その後、結婚という契約を交わし、指輪も交換しましたが、結局はこのピアスが一番の精神的な拘束になっているように思います。不思議なものですね。

とりあえず、思い出せる範囲ではこんな感じです。細部はかなりうろっとしてるので誇張が入ってるかもしれませんが、あの「乳腺ぶちぶちの音」は今でも忘れられません…。
ニップルピアスを検討している方の参考になれば幸いです。

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