42Tokyoを卒業したので完走した感想
2020年の10月に42Tokyoに入学し、2022年1月に基礎カリキュラムを終えました。
42Tokyoに興味がある人や、受験を迷っている方の助けになれば幸いです。
42tokyoとは
一般的なプログラミングスクールとの違いはこのあたりだと思います。
無料であること
講師が存在しないこと(学生同士の教えあいを基本としています)
就職前提ではないこと(転職先の斡旋等はないです)
入学した動機
プログラミングについて体系的な知識を得たいということが動機でした。
42Tokyoを受験をする前は、Unityでゲームを作っていたのですが、ゲームを1本作り終えたとき、ゲーム以外何も作れないことに気づきました。
プログラミングを仕事することを考えたとき、独学では知識が穴あきになってしまうと感じたため、カリキュラムに沿って学習をおこなうことができる42Tokyoを受験しました。
カリキュラムについて
ざっくりとしたタイムラインはこんな感じです。
他にもいろいろ課題はあるのですが、印象的だったものをピックアップしました。
libcの再実装(C)
X WindowSystemをつかったゲーム(C)
bashの再実装(C, 2人チーム)
docker, docker-compose
nginxライクなwebサーバーの実装(C++, 3人チーム)
通信対戦可能なwebゲーム開発(TypeScript, 4人チーム)
課題は英語のpdfを渡されるだけなので、必要な情報の収集から実装まで手探りで行う必要があります。
また、他の生徒に課題をレビューしてもらうため、レビュワーに納得してもらうだけの説明を行うことができるように、実装の理解が必要です。
ちなみに、期限までに課題をクリアできなければ退学です。
42Tokyoでの学習を通して学んだこと
調べれば大体何とかなる
課題はpdfが渡されるだけなので、だいたいなにもわかりません。
何もわからないので、必死に調べて必死に実装したらいつの間にかわかるようになった。みたいなことをずーっと繰り返します。
要件の理解->情報の収集->実装のサイクルを繰り返したことで、「何もわからない」に対処する力が身につきました。
自走力とかメタラーニングと呼ぶのかもしれません。
コンピュータは0と1で動いている
C, C++を用いて課題に取り組んだことで、メモリやシステムコールといった低レイヤの概念に触れることができました。
便利なツールやフレームワークがたくさん公開されているので、成果物を作るだけなら知らなくても良いことばかりなのですが、なぜ動いているのかを考える癖と、手がかりになる基礎知識が身についたと思います。
チーム開発は難しい。けど楽しい。
42Tokyoのカリキュラムでは、他の学生とチームを組んで開発することが求められる課題がいくつかあります。
学生のバックグラウンドが様々なので、タスクの分割, 進捗共有, モチベーションの維持に苦労しましたが、チーム開発の難しさと楽しさを身をもって知ることができました。
夜中に集まって騒ぎながらするモブプロはめちゃくちゃ楽しいです。
仕事以外でチーム開発を行うことはそうそうないと思うので、カリキュラムに組み込まれているのはありがたいですね。
完走した感想
カリキュラムについて
基礎知識を養う課題が多いので、私の「穴あきの知識を埋める」というモチベーションには合っていたと思います。
前に取り組んだ課題の知識が後の課題で効いてくることがあり、どんどん難しいことができるようになっていく実感がありました。
今すぐ転職とか就職したい人には向いてないです。
課題を終えた後にレビューがあることも良いところだと思います。
レビューで聞かれたときに答えられるよう、実装に根拠を持つ癖が付きました。
根拠を求めてBashのソースやHTTPのRFCを読む経験は、間違いなく独学では得られなかったと思います。
逆に、すぐに目に見えて動くものを作るわけではないので、学生はモチベーションの維持に苦労している印象もありました。
モチベーションが沸かず退学になる学生も多いです。
フルコミットでも大体1年くらいはかかるボリューム感だと思うので、社会人だとかなりハードな日々になると思います。
42Toykoが評価されて、フルコミットできる学生が増えると嬉しいです。
環境について
バックグラウンドの違う学生が400人在籍しているので、コミュニティとしても面白かったです。
私は夜型人間なので深夜に活動していることが多かったのですが、夜中でも話し相手がいたので楽しく学習できました。学校で授業や先生の話をするように、課題の話で盛り上がることができます。
(いい意味で)変な人がいっぱいいます。
関東にお住まいの方は、六本木のきれいなビルに居場所ができるので、モチベーションにつながると思います。
就職について
お金に繋がりにくい勉強ばかりするみたいな書き方をしましたが、基礎カリキュラムにWebアプリを作る課題が用意されているのでご安心ください。
基礎カリキュラムを終えれば、インターンやアルバイトは余裕で受かると思います。
実際、課題に真面目に取り組んでいた人は皆、スポンサー企業や良さげな企業に内定をもらっている印象があります。
初めに転職先の斡旋はないと書きましたが、スポンサー企業との交流イベントは開催されており、それをきっかけに就職する学生もいました。
私が就職活動を行っているときも、42Tokyoでの活動は評価されていたと思います。
興味がある人向け
現在はオフラインで学習することが推奨されており、校舎の環境もどんどん良くなっています。羨ましい。
独学でプログラミングを勉強している方、友達が欲しい方にはお勧めです。
学生、社会人、ニート、色んな人が課題に取り組んでいます。
フルコミット前提のスピード感が求められるので、しっかり時間を確保した方が楽しめると思います。
特に、入学試験のPiscineは本当に面白いです。
4週間かかる脱出ゲームが楽しめると思って受験してもらえると嬉しいです。楽しめなくても大丈夫。無料なので。
おわり
コロナによるオンライン化もあり、予定とは違う形式でしたが、無事に基礎カリキュラムを終えることができました。
振り返ってみると、42Tokyoを受験したことは、私の人生において大きな分岐点だったと思います。
文系学生だった私が、エンジニアとしての基礎や、たくさんの友人を得ることができたのは、42Tokyoのおかげです。
運営元のDMMさんに感謝。
写真をくれたykondoさんにも感謝
入学試験については口外禁止なので話せませんが、質問があればTwitterに連絡ください。
学生の方はDiscordでtotaiseiに話しかけてください。
ご覧戴き、ありがとうございました。
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