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医療機関で働くアスレティックトレーナーの現状と今後について

入職してから三ヶ月が経ちました。

ようやく仕事の流れややり方にも少しずつ慣れてきました。アスレティックトレーナーが医療機関で働くことの良さ、難しさのようなものもい感じてくるようになりました。

周りにいる知り合いや実際に医療機関に来られたトレーナーさんの方に「実際のところどうなの?」と聞かれることが多かったです。

それぐらい

周りから見ても特徴や強みを前面に出して治療を行う施設がどんなことを考えて治療やリハビリをしていくのか?

気になることは多いハズ。

確かに自分もスポーツ現場に身を置いていたときはスポーツ傷害に強い整形外科クリニックがどんなリハビリをするかなど、知りたい情報はけっこうあったなーと思うわけです。

「三ヶ月しか経ってないもののこれは一度自分なりにまとめて発信してみようかな」と思うようになりました。

そこで今回はあくまで私がこの三ヶ月での勤務
を振り返った上で一アスレティックトレーナーとして感じたことを書きたいと思います。

術後症例の経過観察ができる

術後の症例が本当に多いです。

そのため抜糸してからすぐの術後管理〜初期のリハビリをたくさん見ることができます。

その中で臨床において理学療法士がどんなことをリスク管理し、ADLの指導を行なうか?また基本的なプロトコルに沿ってどのように治療を進めていくのか?を日々間近で感じることができます。

アスレティックトレーナーという立場で術後すぐの症例の経過を追っていくことができるのはすごく勉強になります。

また術後だけではなくスポーツ傷害を抱えた選手たちの経過を追うこともできます。そういった選手たちは機能低下が主な痛みの原因になることが多い印象です。

具体的にどんな機能低下が起きていそうか?
人それぞれではありますが運動指導を通じていろいろ感じる機会が多いです。

「投球障害肩の選手では○○の機能低下がやっぱり多いなあ・・」
「肩の内旋筋力が落ちてる選手は痛みが出やすいなあ・・」
「症状がどんどん良くなる選手、経過が良いケースって肩甲骨の内側にちゃんと力が入ってくるなあ・・」

など、経過を追っていく中で傾向や特異的な所見が出てきますよね。

直接身体を触ったり評価したりすることはもちろんできません。
ただそういった医学的な知見や特異的な所見を積み重ねておくと自分自身が臨床の場に立った時にいろんなところで自分を助けてくれます。

医学的知見を蓄積することができる

ドクターから直接、診察やオペに関すること、画像診断などについての説明や考えていることを聞くことが出来ます。

これはほんとうにありがたいことだと思っていています。

ドクターと理学療法士が共通見解として持っている考えを聞くことができ、共通言語をつけられるのは医療機関に身を置いているからこそ出来ること。

学生時代から自発的に肩肘に強く特化した病院に診察やオペの見学に行かせてもらっていました。

画像の見方、診断、診察室での患者とのやり取り、検査法など。

ドクターと近い距離で色々教えていただける機会ってやっぱりすごい貴重なものだし、アスレティックトレーナーとして医学的知見をしっかりおさえておく必要性を感じています。

今後の展開を考えたときに

肩肘に特化した医療機関での勤務経験を通して『医学的知見や知識を備えたアスレティックトレーナー』というのも一つ周りと差別化できる要素かなと思ってます。

ドクターや理学療法士からしたら

「分かってないなぁ、現場のトレーナーは」

と思うことが多いのも一つの側面としてあるんじゃないかなと感じています。

たとえば

「このオペは肩の外旋の可動域は出にくいのが特徴なのに外旋可動域が出ないからって初めからガシガシ動かしちゃダメじゃんかよ。」

「術後三ヶ月は慎重に腱板訓練しなきゃなのに・・・」

とか。

オペの術式や特徴、その後のリスク管理を含めてリハビリを進めていくこと。

そこはやっぱりドクターと連携し日頃業務を行なう理学療法士の大きな強みなんだろなと感じています。

オペ後のリハビリを選手と一緒にチームのトレーナーが同行してくる姿を見ると、自分もちゃんとそこを理解してやれるようになっていけたらすごく大きいんじゃないかなと思ってます。

今のうちに医療機関に身を置くメリットを最大限に活用しつつ、日々の蓄積を大事に進んでいきたいとおもってます。

一方で・・・

良さを感じるばかりではありません。

当然「これってどうなんだろうな・・?」とおもうことってほんとにたくさんあります。

あくまでドクターや理学療法士が主体となってリハビリや治療を進めていく環境下でアスレティックトレーナーの介入度や貢献度って思った以上に低いのが現状。

心のどこかにモヤモヤしたものを抱えながら・・というのは多い気がします。あくまで下請けの立場として出来る限り有効な運動になるように精一杯対応していくしかありません。

まだまだそこの感情のコントロールが自分自身うまくありませんし課題です。不器用な性格の私は特にそう・・。うまく立ち回れるようになれればいいのですが・・人間そんなすぐには変われないんだなと日々、反省です。

人間的な成長を含め、アスレティックトレーナーとしての成長曲線を描いていけるようにがんばっていきたいとおもいます。



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