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イラストレーターとしての勝負の仕方

どうも、ズンビッパ トラノスケです。
今回はこのツイートのアンサーnoteを書いていきたいと思います。


【私はマウスで絵を描くことを選んだ】


「トラノスケさんって何で描いてるんですか?」
私「マウス」
「え!マウスなの!?」

この会話、今まで何度あったかわかりません。

絵の上手い人って線一本だけ見ても全然違うんですよね。同じように描こうとしても、上手い人はもう線が違う。今まで積み重ねてきた修練や技術みたいなものが線に出ている。血反吐をはくような思いでその線を今まで何度も何度も繰り返し引いてきたんでしょうね。
そんな人達に学校の授業でしか絵に触れたことがない私が今さら同じ市場で競うことなんかできるのでしょうか。まず無理だと思いました。

線って直線一本でも素人ほど全く同じには引けないんですよね。入り抜きや筆圧など色々な要因から。アナログ、ペンタブ、液タブ、iPadこれらは描く人によって線が変わるんです。なので私には弊害にしかならない。

これをイラレでマウスを使って直線を引くと誰が描いても同じになるんです。30年絵を描き続けた人も今日初めて描く人も同じ直線が引ける。
なので私はこれで勝負しようと決めました。
実際イラレで絵を描き始めた私ですが、これがなかなか難しい。思ったようなイラストにならない。それでも何とかして描いたイラストを販売していました。

描いていくうち気付きます。同じ線が引ける、、そうは言ってもイラレのスペシャリストはすでに沢山いてベジェ曲線を自由自在に操っている。
はじめたばかりの私が相手になるのだろうか。。よし、ベジェ曲線は捨てよう。イラレは無理だ。

どうにかベジェを使わないドロー系ソフトはないものかと探して見つけたのが私のメインソフトCorelDRAWです。このソフトにはbスプライン曲線というアンカーを一切いじらず自由な曲線が描けるツールがあります。
体験版を使用してみると恐ろしくラクに描けるじゃありませんか。ドロー系のソフトなのに「作る」という感覚から「描く」という感覚に変わった瞬間でした。

もちろんお仕事ではadobe形式のファイル納品がほとんどです。なのでイラレも必須になるのですが、CorelDRAWとイラレの互換性を研究しCorelDRAWを最大限に活かせるイラレデータを作れるようになりました。

こうして私はコンプレックスである技術の差を、ちょっとズルいですが制作方法やソフトにより対抗できる環境をつくりました。



【ストックイラストという土俵】


■ストックイラスト(以下ストック)とは、、
コンテンツ提供者の目線で言うと、様々な媒体に向けて予め想定したシチュエーションのイラストを制作、販売するものです。


前記した通り、畑違いの私が「画力」や「作家性」で長年絵と接してきた人達と戦っても勝負になりません。(なんか自分で言ってて悲しくなってきました笑)
ですがストックの市場は違っていました。画力や作家性よりも、素材としての「使いやすさ」や「わかりやすさ」が売上に大きく影響する市場でした。
始めたばかりの頃は、それこそ数十円、数百の売上でしたが「え、こんな簡単に描いたものが売れるの?」を繰り返すうちに素材としてのイラストというものを理解するようになってきました。

正直、今はどんなに画力の高い人でもストックの素材としてのイラストというのを理解していない人には負ける気さえしません。
私は絵の上手い、下手の世界で勝負するのを避けストックイラストの市場で勝負することを決めました。
絵やイラストには用途によってベストなイラストがあると思います。
メインビジュアルになるような極端に画力や作家性が必要なイラスト。
メインは他にあり、メインを映えさせる為やわかりやすくする為の補助的なイラストなど様々です。

後者も十分過ぎるくらい世の中に必要なイラストです。
その証拠にストックで露出があがるにつれお仕事も沢山いただけるようになりました。こうして私はイラストレーターとして商業イラストの土俵を見つけました。



「勝負を避けるのも戦略であり生きるためには必要」


私は別に私のようにやったほうがいいよ、と言っているわけではありません。これは単に私がとった方法であり万人に勧めているわけではありません。

何が言いたいのかというと、世の中の先人や著名人、あなたが憧れている人、リスペクトしている人などが存在すると思います。
そういった人達が、今はSNSなどで親切にどうやってここまでやってきたかなど情報を開示しているので知ることができます。

ただ、その人達と同じルートを進むということはその人と同じ市場で勝負するということ。いずれその人達の仕事を奪うつもりでやらないと勝負にならないということ。

同期組も同様で、みんなと同じ方法をとるということは全員でパイを奪い合うということ。その中でひとり抜きに出なくてはならないということ。
もちろん、両方ともわかっててやっているならこれほど格好いいことはないと思います。

ただ、真向から勝負を挑むだけでなく自分で色々考えてルートや土俵を見つければ、稼ぐという面ではショートカットして勝負できるかもよ?というお話し。






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