「チ。」から本を読む意義を学んだ
こんにちは。
コロナの時代になってから、マンガを読むのが好きです。体調が悪い時も、小説ではなくマンガだったら読むことができます。
また最近はONE PIECEとかSLAM DUNKが映画化され、そういった名作を読み直す機会もぼちぼちありました。
(ちなみに両方とも映画は最高でした)
そんな中で読んだのが「チ。」というマンガ。
有名なので作品詳細は言わずもがなかもしれませんが、まだ読んでいない方は以下ご確認ください。
そんなわけで地動説の証明をテーマにした、めちゃくちゃ壮大なマンガです。
何の気なしに読んでいたのですが、第3巻に登場する少女・ヨレンタのセリフにはっとさせられた箇所があるのでご紹介します。場面は「なぜ本を読むのか」ということについて会話が進んでいます。本を読みたいけど、なかなか手が進まない…という方には、本を読むモチベーションになるいいセリフだと思います。
「チ。」3巻には天文学の研究に携わりたいが、研究会からは外されてしまうヨレンタが登場します。
なぜ外されるのかというと、それはただ一点、彼女が女だからでした。
彼女が編み出した研究成果も彼女の名前で発表することは許されません。
上司に研究の発表者名を奪われてしまいました。
ただ彼女の上司も本当に良かれと思って彼女の名前を研究から剥奪、自分の名前に置き換えます。
そうしないと「出る杭は打たれ」てしまうからです。
以下、ヨレンタのセリフは本を読む、というか字を扱うことの本質を伝えてくれます。
「本を読むと視野が広がる、だから本を読んだ方が良い」という言い方はありますが、
視野が広がる、というのはどういうことか突き詰めて考えると、
意外と答えられず、ふわっとしているのではないでしょうか。
ヨレンタはそのことについて「ここじゃないどこかに飛んでいける」と言います。
私たちは今この時代でつまらないしがらみ、どうしようもないことに囲まれながら生きなければなりません。
ただ文字を読むことで、我々は何千年前の情報に笑ったり、泣いたりすることができる。
それはその時代に飛んでいくことであり、まるで奇跡のようなことだと言います。
そう言われると、確かに我々は何か生きづらさに囲まれて生きています。その理由は人によって様々で、お金とか、ジェンダーとか、地位とか...
文字が無ければ、我々は永遠にその世界に閉じ込められてしまいます。
文字があることで私たちはここではないどこか、今ではないいつかに生きている人物と文字を通して会話することができ、上手くいけば今この現状を当たり前のものではない・抜け出せるものとして捉えることができるのかもしれません。
我々の社会では、教育のおかげで文字の読み書きができるようになっています。
ただそのことが、本を読むことの意義を逆に感じづらくさせているのかも、とも思います。
改めて文字を読むことができることの凄さを思い返せば、本を読むことの貴重さが身に染みるのではないでしょうか。
というわけで2023年は本を読んでいこうと思う今日この頃です。この1年もどうぞよろしくお願いします。