2:28 心の引越作業①

先に言っておくが、誰がこの私の心の引越作業を目にするかはわからないので、私が過去に誰を推していたかはこの場では伏せさせてもらう。でも、読んでいるうちに誰か分かってしまうかもしれない。もし分かったとしても、ただのオタクの呟きだとでも思ってスルーしてもらえると幸いだ。

私が推し始めたきっかけ

思い返してみると、私が推しにハマるタイミングは何かから逃げたいときだった。
私が元推しにハマったタイミング。それは定期テスト3日前の夜だった。

ちょうどその頃、クラスで元推しを熱烈に推している子がいた。私は当時その子の話を聞いても「へー」としか思わず目の前のゲームのことでいっぱいだった。親に隠れて自分の部屋にスマホを持ち込み、夜な夜なスマホに依存する、という悪い習慣ができたのはちょうどその頃だったと思う。その子と同じクラスになって半年が過ぎた頃にはもうベットに入ってスマホをいじるのはもう日課となっていた。今夜も布団に入ってゲームしようかな。

そんなことを思っていたある日、ふと突然その子が推していた人物が気になりネットで検索し調べ始めた。今振り返ってみてもなんで突然調べ始めたのか分からない。多分テストから逃げたいがあまり、調べる気になったのであろう。

調べて最初に出てきたのはその歌い手さんの所属しているグループのウィキペディア、公式ホームページに加えてyoutube。ここで私はyoutubeの方を見た。確かメンバーのうちの一人がライブ生配信したときの動画だと思っていたが履歴を見返したら全然違った。何かのバラエティ企画に取り組んでいた動画だった。何見てハマってんねん自分。でも私がまずそのグループにハマったきっかけの動画は企画動画ではなくオリジナル曲だったと思う。

私は調べる以前からクラスの子よりそのグループのことについてはたびたび聞いていたが、一回だけ、テレビの番組に特集で出演した時の放送をたまたま家で見ていた。
普段は素顔を隠し、自分のイラストのもと、歌ってみたを投稿したりオリ曲を出したり、アニメ動画などのバラエティに富んだ企画動画を投稿するのが主な活動だが、年に数回ライブを開き、その場ではイラストではなく、自分の本当の姿(顔なども全部見える状態)で現れるという2.5次元界隈、歌い手界隈と言われる世界。
ライブでは顔出しするけれど当然テレビ番組には素顔は出せない。その特集では照明などを駆使して顔が見えることのないよう放送されていた。テレビに出演しているにも関わらず顔は見せないなんてどういう方針のグループなんだろ、応援する人なんているのかなー?なんてのんきに考えながらその特集を見ていたがまさかその後自分が応援する側になるなんて思ってもいなかった。結局その当時の私には刺さらず、数カ月後に自分が検索したことでまんまと応援する流れになったのだ。

検索し、気になって調べていくうちにいつの間にか毎日目にするようになっていて、私のyoutubeのおすすめ欄があっという間にそのグループで埋め尽くされてようやく、「これはもしや沼にハマっている状態ではないか、、、?」と自覚するまでに至った。

…これが私が人生で初めて誰かを推すということに至った経緯である。

親に感謝。

推し始めた頃。私はとにかく推しについて調べまくる毎日だった。
新人アイドルなんかを推しているのではなく、もうすでに活動が開始してから5年経っているグループだったので、ネット上には溢れんばかりの動画投稿が。当時の私は一生懸命過去動画を視聴し、知らなかった過去を追っていった。

今思えば、その時間を勉強に当てられていたら私は今頃、塾の勉強も部活も頑張り有名難関校に合格できていただろう。でも成績を努力なしにキープできる人なんていない。当然、私の成績は落ちていったが、推しがいる生活を知ってしまった私はもう無敵状態だった。

というのも、推しといえる存在がいなかった頃、定期テスト2週間前から自分の勉強の方針が決まらず毎日夜中に親の前で号泣、部活では慣れない楽器に一生懸命心のなかで泣きながら練習し、しまいには親に入部して3ヶ月で部活やめたい、人生生きるのは疲れた、死にたい、と相談する毎日だったのである。(結局親に説得され部活も勉強も最後までやり切ることができた。)

しかし推しができてから、そんな辛い毎日は嘘であったかのように変わっていった。どんなに塾の授業が理解できず辛くても、どんなに部活で顧問から指導を受けたとしても、推しを見れば心が落ち着き冷静になれる。
私の勉強の時間は削られていったがその分私の心は守られていたのだ。

そうして推しを推していく毎日を過ごしていたあの頃、ちょうどファミマでブロマイドが1枚300円でネットプリントできるキャンペーンを行っていた。
グッズを持っていなかった私はそこにまんまと食いつくのである。コツコツお手伝いなどして貯めた5000円。一気に2000円くらいまでネップリにつぎこんだ苦い思い出があるのを思い出した。
どれだけ印刷しても推し側に売上が入らないネップリの仕組みを知るのはそれから1年後である。事実を知った時は流石に軽くショックを受けた。昔からお祭りの屋台でも計画的に行動することができず、親からもらった大切なお金を使い切ってしまう。
今は自制が効くようにはなったとはいえ、期間限定、今しか手に入らない、といったワードには負けてしまう。悪い癖だな、、、

話を戻すが、その後季節はクリスマスとなり、推しが所属しているグループがクリスマスグッズを販売することになった。推しを推し始め猛烈に調べまくっていた時、期間限定で売られる可愛いグッズがあるとの情報はチェックしていたが、欲しくても公式からの情報がない限りグッズも出なければ再販情報もない。悲しい、、と思っていた矢先、クリスマスに新しいグッズが出るなんて!この機を逃したら私はもう一生このグッズを手に入れられなくなるかもしれないと考えたときのオタクの購買力は素晴らしい経済効果を生み出すと思う。まさに推し活。
だが私は学生なので親の許可なしに買うことはできない。じゃあどうする。直談判しかない。そんな意志で親に土下座して頼み込み、購入許可をとったのは今でも覚えている。
アイドルを応援しているならまだ親も理解はできたと思うが、いきなり娘がネットで活動している活動者のグッズがほしい、と言い出すもんだからびっくりしただろう。数日間は反対され続けたが熱心に頼み続けた結果、可愛い娘のお願いは仕方ないということで購入許可が降りたのである。
ちなみにそのクリスマスグッズは再販があったため金銭感覚がもっと鈍り、、当時どれだけ買ったの?!と責められても当然だと思うが、購入金額は3万円を超えた。1年間でもらうお年玉の額に匹敵するほど。今考えれば親は相当あの頃甘やかしてくれたと思う。
当時頼み込んだ私が言うのはおかしいと思うが、私だったら誰かもわからない活動者にお金を払いたいなんて言われても許可は出せない。私の気持ちも考えて許可を出してくれた親には感謝するとともに、改めて今後の自分の金銭感覚を見直そうと思う。

それからは行動を振り返り、たまにアニメイトで気になるグッズだけを買うくらいで、あまり大量にグッズを買うということはしなかった。
ちなみにその翌年のクリスマスにはフルアルバムが出て、、この時はクリスマスプレゼントとして買ってもらい、、
最後はライブに当選し親に許可を経て1公演だけ参戦することができた。人生で初めて参加したライブは一生忘れない。半年たった今でも参戦した日のことは鮮明に覚えている。その話は今後順を追って語っていくこととする。

親世代はアイドルなどを推していた経験がない限り、推し活が流行っているこの時代をあまり理解できない人も多い。私の親もアイドルや歌い手なんて推したことない、歌い手とは?といった感じだったにも関わらず、推し活に時間、お金を費やすことを許可してくれたこと、本当に感謝。


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