事務員たちよ、サービス提供者であれ!

最近つくづく思うんですが、これからの事務員ってサービス業なんですよね。いや、もしかしたらすべての働く人がサービス業と言っても言いすぎじゃないかもしれません。


事務処理するだけなら、絶対RPAだか何だかにお任せした方がいいんです。早いし正確だし、しかもアイツら疲れないから働き詰めでも問題ないし。今なら人雇うよりコスパもいいんじゃ?とすら思うほどです。実際、RPAじゃないですけど、セールスフォースのレポートとダッシュボードでとある業務を半自動化させたらめちゃくちゃ楽になりました。今や、レポートとダッシュボードは私の良き右腕です。


でも、実際事務員がやってる仕事ってホントの事務処理だけじゃないんですよね。特に私は営業事務なので、データ入力してはい終わり、じゃない。例えば、お客さんから注文もらった商品の納期が出たら、「注文番号●●●●でご注文いただしました商品、○日出荷です」って、予め登録してあるお客さんのメールアドレスに送るようRPAに指示しておいてもいいわけじゃないですか。でも、現状そういうわけにいかない。それで問題ないお客さんもいるんですけど、それだと困るお客さんもまだ多いんです。送った注文書に出荷日書いてFAXで送ってくれ、って。じゃないと、自分の会社の事務員がどこの誰からの注文のことなのかがわかんない、って。紙の注文書に出荷日を書いてFAXを送る、これは今のところ、人じゃないとできない仕事です(私はFAXをPDFで受信して、PDF加工ソフトで出荷日入力して送信はパソコンからですが)。


私に言わせてみれば、ツッコミどころ満載なんですけどね。生産性もひったくれもない。メールアドレスを共通のものにして、注文書はデータ管理すれば情報共有できるのに。メールで届く納期回答には運送会社の送り状番号も記載できるだろうし、そうしたらコピペするだけで配達状況も追っかけられたりするのに。FAXみたいに紛失することもないし、「あれって納期回答あったっけ?」って思ったらメールソフトで注文番号検索したらいいだけだし。


なーんて思っても、勤め先の取引先って効率化とかに疎い会社がほとんどなんですよね。自社だけが効率化に熱心でも、取引先にまで強要はできない。個人のお客さんが相手のことも多く、機械のことが全然わからなくて、質問したことと明後日の方向の回答を電話でする人も多く、聞き出したい答えを得られるまで根気強く手を変え品を変え質問し続けないといけないこともある。そうなると、RPAとお客さんの間には人が入る必要があるし、そういう状態ってまだまだ続くと思うんですよね。段々減っていくことは間違いないですが。


社内も同じことが言えます。新しい技術に自立でついてこれる人もいれば、からっきしダメな人もいる。からっきしダメだからって切り捨てるわけにはいかないので、何らかのフォローをしないといけない。となると、教えるのか代行するのかはそれぞれですが、事務所に常駐している事務員にフォロー役のお鉢が回ってくることが多いんですよね。しかもこれって終わりがないんです。今はテクノロジーの進化についてこれない人のことを笑ってたのに、ぼーっと生きてたら気づくと自分がテクノロジーの進化についていけなくなっていた、なんてことが、年齢を重ねると起こりがちです。すべての人がテクノロジーについてこれる時代はやってきません、たぶん。いや、テクノロジーになんぞついてこれなくてもいい時代がやってきて、そのとき人類は生活のために働くなんてことをしなくてよくなっている、これが正解ですかね。これ以上は話が脱線するので、またの機会に。


事務員の仕事内容を事務処理だと捉えてしまうと、テクノロジーに仕事を奪われる!という発想になってしまいます。でもそうじゃなくて、事務的な仕事を通じてサービスを提供していると考えたら、生きる道が見えてきませんか?それは、モノを作っている製造業の人にも、モノを売っている営業にも同じことが言えて、モノを作ることでサービスを提供し、モノを売ることでサービスを提供しているんですよね。


近い将来、淘汰される職業の上位にある事務員のみなさん。今からでも遅くはありません。事務的な作業を通じてどんなサービスが提供できるか、考えてみませんか?

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