見出し画像

Les Misérables 2021/7/25M

画像1

今年の福井バルジャン、おとうさん力が上がってるのでエポもジャベも引き取ってほしいんですよね。(ふうかエポ(健気可愛い)やリオジャベ(若い)だと凄く思う)

福井バルジャン

独白、背景の教会の十字架を見上げたときに「拒絶」から燭台の入った鞄を投げ捨てる。(前日のシュガバルが「怯え」だったから印象に残っていた)
「ジャン・バルジャンは死んで生まれ変わる」のだから、この「ジャン・バルジャンとしての生」を終わらせるためには痛みが伴う、その痛みを拒絶している。心臓こそ止まってないけど、精神が変形していく痛み。
やっぱり「恥にまみれた俺に」の部分が印象に残り、過去を恥部としてるバルジャンだな、と思う。プリュメ街で反抗期・敷村コゼットにシャッターを閉ざすのも継続。
敷村コゼット「私の悲鳴よ」のあと、「えっ?!」っていって外を見に行こうとしてた。
この日、BHHのメインはマリウスだけど砦の学生たちみんなに対する気持ちもちょっとあって、木内アンジョの「死のう」のあたりでアンジョを止めるために手を伸ばしていた。
砦で目覚めて、死体の山に呆然として、マリウスの脈を確かめて神に感謝してから下水道へ。下水道の柵を閉めてから、悼むように砦を眺めていた。
告白のところ、竹内マリウスは福井バルジャンにはそんな塩ではないんだが、「頼むよ」でバルジャンにコートの襟を掴まれた手を柔らかく笑って外す、緩やかな拒絶をしてくる。マリウスが去ったあとで福井バルはその手を見下ろして、弱く、苦く自嘲していたのが印象的。
彼に父と呼ばれる資格は自分にはないのだ、と理解しているようで悲しく、同時に老いたのだとも感じた。

二宮ファンテ

混乱はしているのだけど、この日は憤り強めだった気がする。なんで私だけがこんな目に、みたいな…
大泰司労働者がファンテに同情的なの、めぐファンテだとファンテに助けられたことがあるからで、二宮ファンテだと仲がいいからに見える。大泰司労働者は、ファンテに子供がいることを聞いていたのかも?
二宮ファンテは、普通に女友達がいそうなファンテに見える。孤立しない、というか。
「気取りまくってさ、わり食うのはこっちよ」でファンテに女性たちが詰め寄るあたり、大泰司労働者は今日すっごく体ごとファンテに背を向けてて、そのあと、それに罪悪感感じてる顔してた

ふうかエポ

エポのOMOはコゼットの父(バルジャン)に手紙を渡したあとなので、自分の父(テナルディエ)と、コゼットの紳士的な父とを比べたり、コゼットと自分の環境を比べたりしたあとに出てきてると私は思ってて。
この日のふうかエポOMO「でも一人さ」のところ、雨のはずなのに冬のように、凍えそうに見えて、ふうかエポは「誰からも顧みられない」孤独があるんだと思った。
誰も私のことを見てくれない。愛してくれない。心配してくれない。
これはマリウスのキャストによっても見え方が変わって、竹内マリウスはエポが眼中にないので、このふうかエポの「誰からも顧みられない」孤独が強く出る。
恵みの雨の「マリウス、これでいいの」も、ちょっとでも振り向いてくれて幸せ、になる

木内アンジョ

木内アンジョ、なんか光り始めたんだが…?!
最初から、というよりも1幕民衆冒頭あたりから光を宿し始めている気がするので、たぶんあそこで天啓が聞こえてるんじゃないかな。
カフェで杉浦フイイの胸を指差してたな…脈打つ鼓動、流す血潮、屍の向こうに拓かれる未来。
ODM「さあ隊列を」で銃を持ち替えるときに大地を示していて、ここに続け、って意味かなと。
二幕。BHHでアンジョを見上げたとき、翼を幻視した。
丹宗グランテールはニヒリストでリアリストだから「死という事実」を突きつけてくるけど、川島グランテールはやや皮肉っぽい視点から「死の意味」を問うてくると私は思ってて、たぶんアンジョの視点からは川島グランテールに応えるほうが難しい。(自分が死ぬこと/殺すことを覚悟はできても、その死の意味は歴史が付与するものだからね)
でも木内アンジョは、その川島グランテールの問いに対して目を逸らさずにきちんと考えている。
「市民は来ない」のあとで「それでも僕らは恐れる市民を見捨てない」「子供ある者と女達は去りなさい」がその答えだったんだと思う。「子供あるものと…」は砦の中の者たちを説得するように言っていて、残りたい人達の気持ちを汲みながら、生きるべき人達を生かそうとしていた。
この戦いは暴動で終わるだろう、それでも我々はこの戦いに一つの筋を通そう、というようで、絶望ではなく、勝敗や生死を割り切った潔さがあった。
下でグランテールが酒瓶掲げて、木内アンジョにもそれが見えていて、頷いてた。あそこで、ガブローシュを逃がそう、って合意ができてたと思う。(その後グランテールはガブを逃がす)
木内アンジョ、自分の中に硬質の価値観があるアンジョルラスになったなと思った。
血を流すことも流させることも覚悟しているけど、その意味を問われたときに少し揺らいで、でもちゃんと自分の正しさから判断する。
(そういえばバルジャンがジャベ逃がすところでジョリのケアするようになったよね)
ガブローシュが撃たれるところ、やっぱり木内アンジョの体勢だとおそらくガブローシュの血を浴びている。
木内アンジョはガブローシュの遺体をグランテールに渡したあと、グランテールの背を見送って俯く。鳴り響くアーミーオフィサーの警告。
恐慌の砦、木内アンジョは重心が傾いたまま外の居並ぶ兵士たちを見る。アンジョの背中は丸い、みんなが叫んでいる。アンジョが拳で強く自分の胸を叩く。
あれは絶望だったのか、怒りだったのか、どちらかといえば怒りに見えていたけど、いずれにせよ、「自分の感情に思考を支配されないため」に胸を叩いているように見えた。
思い出せ、俺たちがなんのために、誰のために決起したのかを。
思い出せ、俺たちの理想を。
そして、すっと姿勢を正しての「死のう」だった。
前はここ笑ってたけど、笑わなくなった。たぶん冷静に、自分たちの理想に立ち返って殉死するようになったからなのかな。
「世界に自由を」のあとで戦うとき島崎ジョリが胸叩いてたな…。撃たれたマリウスに駆け寄ったアンジョをグランテールが引き起こしたあと、木内アンジョは川島グランテールに笑って、「ありがとう」って言ってた。
川島グランテールも最期「ありがとうアンジョルラス」って言って撃たれてた。
木内アンジョ、なんかどんどんメンタル強くなるので、今期のうちに川島グランテールに死の意味を問われても揺らがなくなりそうな気もしてる。
前日までは何かがよぎる、兆す印象だったんだけど、帝劇楽で光り出したから、たぶんそのうち何か降りるタイプのアンジョだと思う。

木内給仕さんほぼ見えなかったけど、松村給仕さんに奇行を注意されて蟹のハサミで攻撃してるのは見た。どうも蟹で付け合わせの野菜挟んでマリトッツォ作ってたらしい。蟹トッツォ。木内給仕さん、いつも食品手づかみしてるから皿って概念を知らないのかな。

覚書

・石飛工場長が波止場でファンテ見て一瞬驚いた顔してから「やっぱりな」みたいな顔してたのしんどくて今日はエポコゼ娼婦バイトウォッチできなかったな…

・テナインで藤岡酔っ払いぶん殴る石丸鳩ちゃんは今日もかっこよかった
ふんって感じで酔っ払いを見下ろしたあとで下手奥に行ってちょっと聞いてよ〜!みたいにしてたよね?

・古川医者、なんか可愛い生き物だった。詳しく知らないけどモルカーにいそう。(シロモちゃんはみりマリ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?