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人は生きている上でなにかしら「苦しさ」を経験しています。 私自身も「普通に生きてきた」と思いつつも、細かく思い出せば苦しいことがいくつかありました。 その経験は唯一無二のものだからと、言葉にすることを選んでみました。 一見すると苦しさや挫折を表現しただけの文章もありますが、 その上で どうやったら乗り越えられるか? 自分ならどうするか? という、読んだ人に考える余地を残して書いたつもりです。 伝わりきらないモノばかりかもしれない。 それでも、自分の「苦しかった経
いつもはしっこにいるキミ。 放課時間になっても、 写真をとるときも、 みんなで帰るときも、 いつもはしっこにいる。 体育の時間の長距離走。 キミは一番遅かった。 走る時もはしっこだって、みんなから笑われて。 でも、真剣な顔をしていたから、だんだん応援されて。 すっごい笑顔でゴールした。 学芸会の演奏で楽器を決める時。 みんながはしっこのトライアングルを勧めるなか、 キミは指揮者を選んだ。 おどろいたけど、真剣な顔をしていたから、みんなが認めた。 ど
先生の、トレードマークの砂時計。 帰りの会でも、給食の時間でも、みんなが前を向くまで使ってた。 音が出るわけじゃないけど、声が出るわけじゃないけど、みんなが砂時計に従った。 そんなトレードマークだから、みんなが触りたがる。 でも、先生はそれを許さなかった。 先生しか触れない、神秘的な砂時計だった。 だけど、ボクがちょっと触っただけで、砂時計は壊れてしまった。 砂は床にサラサラと風に乗って、散ってしまった。 くびれたガラスが収められた底板が簡単に抜けてしまったのだ。 そ