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ラジオドラマ脚本 033

タイトル「心配なんだよね。」

主人公 未月 25歳
父   裕太郎 65歳

未月(M)父さんの10年前、55歳、まだ、現役感満載だった。そんな時に母さんが急逝した。

裕太郎「どうした、未月?浮かない顔をして」
未月「なんだか、お母さんの三回忌が終わって、なんとなく気が抜けたみたい」
裕太郎「なんだ、そんなことかぁ。これから、未月は、自分の将来の事を考えていかないとね」
未月「私の将来ね」

未月(M)自分の将来ってなんだろう。とりあえず、大学も卒業して、曲がりなりにも、上場企業に就職して、まだ、彼氏はいないけどね。お父さんに紹介か。

裕太郎「父さんの事なんて、考えなくても、いいぞ、大丈夫。これから彼女を見つけて、元気に暮らすよ」
未月「とうさん?そんなにモテたっけ?信じられない。」
裕太郎「未月、彼氏はいないのか?」

(SE)カップのふれあう音

未月(M)やっぱり聞かれたかぁ。ここは、正直にいるよ!と軽く答えるべきか。いるよと嘘をついた方がいいのか。どちらがよいのやら、母さんがいたら、きっと、助け舟をいい感じで出してくれたはず。

裕太郎「どうなんだ?」

裕太郎(M)しまった。ちょっと強く言ってしまったか?母さんなら、どういっただろうか?

(SE)突然の携帯のメールの音

裕太郎「なんだ?」
未月「あれ?携帯。まだ処分していなかったの?」
裕太郎「なんとなく、解約するのを忘れてた。明日にでも、解約に行くよ」
未月「変なメール、タイトルもなく、本文に、大丈夫とひと言だけ。誰が出したんだろう。ヘンなの?」
裕太郎「あれじゃないか?母さんが未月を心配して、メールを送ったじゃないか?可愛い娘の将来が心配で。」
未月「父さん、携帯の解約の書類、渡してるよね」
祐太郎「あるよ」
未月「そろそろ、父さんも、次に進んでいこう」
未月(M)違う、母さんが心配してるのは、私の事ではなく父の事だろう。1番好きな男性なのだから。

【完了】

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