茶の間と劇場の境目にいた
なんて”生感”のあるライブなんだろう、サメゾンビ滝田さんの企画ライブはいつだって今生きている中での目一杯の面白いことをぶつけにきてくれる。
8月22日に行われた、THE・TVのライブレポでございます。
体が軋むくらいの暑さがなんとか落ち着いた8月中ばの夕暮れ、新宿ブリーカーという、つい最近オープンしたばかりの劇場にてそのライブの記念すべき第一弾が開催。
谷底はこけら落とし公演に行っていたのでブリーカーは二度目でしたが、やっぱりまだまだ新しい匂いのする会場内に気分がふわふわというか、緊張感が伝わってきますね。
キャパ的にはバッシュくらい?後ろの方の席が高めに作られているのでどこからでもたいへん見やすく好きな会場だなぁと思っております。
仕事が早めに終わったのでなんとか開演前に会場への滑り込んだら少し押し気味だったようで、開演より10分ほど過ぎてからじんわりとスタート。
舞台に芸人さんたちが並ぶ中、後ろから漏れてくる光で若干舞台が照らされて何やら筋肉質でヘアバンドをした方の輪郭が浮かび上がっている…なかやまきんに君みたいな人がいるのかな、と思いつつ明転。すると、そこには派手なレオタードをまとった小男が。
彼がムラムラタムラ……今回もまた4DX感のある芸人さんに出会えてしまった……。胸のざわつきが止まりませんでした。
(生で体験してこそ伝わるライブ感の激しめな芸人さんを谷底は「4DX感のある芸人さん」とお呼びしています。例:虹の黄昏さん、コウテイさん、奥村うどんさん)
今回のライブ内容はというと、芸人さんたちにそれぞれロケ映像を作ってきてもらい、みんなで流してポテチでも食べながら見よう、というテレビ要素とライブ要素とおウチ要素をがっちゃんこした最高企画でございました。滝田さん、天才では?
おもしろ企画を思いつくのはいろんな人ができるかもしれないけど、それをきちんと形にしてお客さんを呼ぶところまで持っていくことは本当に企画力がなければ成し遂げられないこと。今回も素晴らしい企画をありがとうございます。好きすぎて何度でも言うのですが、「コントの中の人たち」もスーパー最高おもしろ企画でした、詳しくはこちらで。
一番手はフランスピアノさん。
彼らのコントも漫才も大喜利も大好きなんですけど、なかがわさんがなんでもそつなくこなすイメージがあったので、ロケ映像もサクッと良いの作ってくるのかなあ、なんて思っていたら。
街ブラ映像なのに写ってるの背中ばっかり。ど、どうしたなかがわさん…!
というのも、撮影開始してすぐにスタッフから「時間がない」「編集もできそうにない」「お店に許可も取ってない」などなど信じられないセリフが飛び出し、なんと15分編集なしノーカット街ブラロケを強行することに。普段落ち着いてMCもこなすなかがわさんのあたふた走る映像なんてあまりにもレア…街ブラといえば食レポ、と慌てて買ったソフトクリームに歯をやられて知覚過敏!と呻く山本さんも見れたりして、フランスピアノの可愛げが詰まった映像に仕上がってました。
二番手は今回の主催滝田さんのコンビ、サメゾンビさん。
ライブの企画やらバイトやら自分たちの出るライブやらで結構な忙しさの中ロケも行なっていたと思うので、なかなか大変だったんだろうなぁ…と。
バスケの1on1をやってみるところからスタートし、どんどん内容も二人もヘロヘロになっていくというコント映像とのことでした。最後の方で画質がグニョグニョになってたのはなんだったんだろう…。カラスであんなに笑わせてくるとは思わなかったな。大人になるといろんなことができなくなりますね。
三番手はすでにやばい感満載なムラムラタムラさん。
オープニングは快調な滑り出し、教育番組のオープニングのようなポップさだったのですがそこからなかなかむちゃくちゃで、映画やら有名番組やらの映像に自分を埋め込んで編集して、と荒技も荒技。ア●ンジャーたちと戦ってみたりターミネー●ーに殺されそうになってみたりスマッシュなブラザーズたちと大乱闘してみたり、最後はスーパーマ●オになってた。
講評も「出演者の方々が…たいへん豪華な…」いやホントに。
積んでるエンジンが小学校2年生の頃から一切劣化してないんだろうな、と思いました。
四番手はスタンダップコーギーさん。今年の4月か5月にマセキライブで初めて見て以来、心を鷲掴みにされていたのですが、最近では有ジェネやゴッドタンにも出演してましたね。
テレビですでにインパクトを残している彼らの作ってきた映像、最高に面白かった…!近々YouTubeにアップされるとのことだったのでぜひ見て欲しいんですけど、内容はカブトムシ・クワガタが好きな三森さんが大の虫嫌いのうどんさんを昆虫採集へと連れていくというもの。
夜の埼玉の奥地へ出向いたジャージ姿の二人が森の中で静かに昆虫採集ができるわけもなく…うどんさんが、まーーーーー騒ぐ。リアクションがとにかく最高、これはテレビ映えする…。漫才での二人の掛け合いがロケになるとさらに幅が増えてバリエーションも増えてめちゃくちゃ面白くなっていたので今後絶対スタコのロケ企画はテレビでもみれるのではないかと思っております、楽しみ。絶対見たいよ。
騒ぐのがうどんさんばかりかと思いきや三森さんもしっかりギャアギャアしててとっても賑やかでキュートでした。動画アップ楽しみだな。
五番手はクロコップの荒木さん。クロコップは去年くらいに母から「これを見ろ!」と地獄突きのネタを録画で見せてもらったんですけど(母、お笑い好きなんです。最近のお気に入りはきつねらしいです)一人一人のお顔そういや覚えてなかったな、と。
映像はドキュメンタリー風。パーク格闘技のベルトを懸け、檜大二郎との試合への煽りV。。。公園の遊具と格闘ごっこ風に戯れるおもしろ謎映像でした。すごい笑っちゃった…たいへんツボでした。荒木さんにはぜひムラムラタムラさんとも戦って欲しい、二人の試合の煽りVTRが見たい。
ラストはゆきちのお二人による突撃!渋谷の酔っ払いたち!って感じのインタビューロケ映像。トラブルがあったようでぶつ切り映像ではあったのですがめちゃめちゃ限界感あって私は好きでした。インスタアカウント「shibuyameltdown」の動画版って感じでした。(結構嘔吐してる写真多いから検索する人気をつけてください)
ライブだから流せる!これだよーーーライブでしか見れないって最高だ…。
渋谷の酔いどれたちに果敢に挑んでいく姿は滑稽でもあり勇ましくもあり。
今回のライブで初めて彼らを知ったのですが、二人の会話の感じが結構好みだったのでネタもぜひ見たい。出るライブを調べなければ。
総評として今回いらしていたテレ朝の方もまとめ方がいちいちうまくて、中でも荒木さんへの「期待感高まる煽り、衝撃の試合展開」が綺麗にまとまっていて好きなコメントでした。優勝はスタコ。納得。一番テレビ的な映像として成立していて面白くて安心して見れた。
時間が押していたこともあってエンディングはややさっぱりめではありましたが、全体通して行ってよかった!と間違いなく思えるライブだったと思います。好きな芸人さんがどんどん増えるなあ、お金稼ごうっと。
予告として、次のTHE・TVのテーマは…「情熱大陸」だそうで。
誰もが一度は憧れるあのかっこいいやつ。スガシカオ流れちゃう?なやつですね。
誰が出てたら面白いかな、と考えてすぐ思いついたのはリクロジーさんと虹の黄昏さんかな…。舞台に立つキャラそのままでも見たいし、素のところもちょっと見てみたい。あとXXCLUB大島さんも見たいな…。
滝田さんの熱量ががっつりとこもった良いライブでした。楽しかった。
大人になるとなかなか不自由になるものでいろんなことを諦める羽目になるんですけど、芸人を目指す人たちの翼は大きくて眩しいね。不自由な大人になってしまった私たちの最後の砦は若手芸人だと思っています。我々の夢を勝手に背負わせると言ったら大袈裟なのかもしれないけど、我々が燃やし尽くしてしまった夢を、どうか絶やさずなんとか伸びて行って欲しいなと思いました。
最後真面目に〆ちゃった。へへ。次回も楽しみにしています、行けたら絶対行きたいな。