“コントの中”に招待してもらった日 (後編)

前回の続き。
翌日に別のライブへ行ってしまったもので記憶がふわふわしているのですがご了承ください……脳にあんまりキャパがないんだ……。

中MCを務めるのは主催の滝田さんと、今回エキストラのひつじねいり細田さん。こう見ると今回なかなかに男前が揃ってるんだな〜華やかだ〜〜!と思うなどした。
(MC二人のバランスがとても良かったんです、甘めでかわいい顔立ちの滝田さんとシュッとして爬虫類系とかキツネ系に分類される細田さんっていう組み合わせ。なるほど、これは女の子ファン付くな、ネタおもしろくて見た目も良いとは…。脱線してしまった。戻します。)

企画はコントの中の人に質問をする、というもの。
ライブ当日の朝、滝田さんのツイッターにて設けられた質問箱に寄せられた質問に、今回の“コントの中の人たち”が答えていく。
「KOCはどこまで行きたい?」や「彼女はいますか?」など、中の人としてなのか役としてなのかはたまた両方なのか、答えは各自に委ねられつつ質問は進んでいく。
コントの中の人になりきって答えていくのが個人的にはかなりツボだった。だってそれぞれのコントでしか見れない、たった数分しか存在できないはずの人たちが自由に喋れるなんてこんな機会がないとなかなか無いわけだ。コントの時間以外でも役に命を吹き込む、そんな企画を思いついた滝田さんにお礼が言いたい。

前半企画を終えて後半はアナザーストーリー編。ネタが繋がってたり続編があったりすると飛び跳ねて喜んでしまう人間なのでとにかくこれが楽しみで……!

後半戦トップバッターは前半と同じくリクロジーさん。
朝遅刻しそうになりながら登校した高校生の帰宅時なのだが、やっぱりどっからどう見ても高校生。すごい。年齢調べたところ1992年生まれとのことなので高校時代なんて10年以上も前だろうに…男はいつまでも少年なのだね…。
先生役としてGパンパンダ星野さんが登場したり、通りすがりのバイト先の先輩役に真空ジェシカのガクさんが出たりと、「これが今回のアナザーストリーの醍醐味なんですよ!」とたっぷり楽しさを伝えてくれる構成。
帰りに友達とご飯食べにいく流れになった時にちゃんと親に連絡を入れて結局家でご飯を食べる流れになるところ、お母さん想いでほっこりしてしまった。ご飯冷めちゃうって言われたら断れなくなる高校生……優しい息子なのね……。家に着いたらまだ夕飯ができてなくてしてやられたというオチも末っ子感が漂ってて好きだった。弟とか末っ子ってハメられがちなのなんでなんだろう、素直だからかな。
高校生のバカで愛おしくて面白い生活、今後もぜひ見たい。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLny4g4P008AuFRReV1RgkMh5Xc-02IMIQ
▲リクロジーさんのネタはこちらから。ぜひ。


2番手は確かフランスピアノさん。
浮気相手を部屋の窓から落とすという衝撃的な展開を見せたコントのアナザーストリーはなんと、相手が生きていた…。
実は妻はとっくに離婚を考えており、浮気も何ども(しかも複数名と)していて、それでも有利な立場で離婚届にハンコを押すためにと、なんとカメラを仕込んでいたのだった。
浮気相手の命を狙うことを見越してカメラを設置していたり、夫のカバンの底にGPSや盗聴器、バッテリーまで仕込んだり、浮気相手は窓からの脱出の際にパラシュートを使っていたりと実はかなり大掛かりなドッキリ企画ができていたという話だったのだ。浮気相手役はここでも活躍の星野さん。
ブラックなオチのコントがこんなコミカル展開へと変わるなんて、アナザーストリー恐るべし。結局は近隣からの「窓からパラシュートで飛んでる人がいる」との通報により警察官(エキストラ:電気ドンキーの平川さん)が登場し、カメラと証言によって一連の流れがばれ、殺人未遂の夫と迷惑行為の浮気相手が連れていかれる(浮気相手は再び窓から逃げるように出ていく)が、窓の外を見た妻と、別れ際で交わした二度目の「ベランダはあったほうがいい」は一体……浮気相手はもしかして結局……?
フランスピアノ、まだまだコントが見たいと思わされるコンビだった。
https://tiget.net/events/58717
▲フランスピアノさんとシマウマフックさんのツーマンが7/4(木)にあるそうなのでぜひ。


次はロマン峠さん
人見知りの人たちによるキャッチの練習風景。先ほどお客役だった井上さんが今度はお店側の先輩役となり、キャッチの指南をするのだが、仕事もまだ覚えていないというのに友人を連れてきてしまった平岡。友人(エキストラ:真空ジェシカのガクさん)もまた酷い人見知り&なかなかにキモキャラなものだからもちろんまともに練習もこなせないのだが、先輩は二人を現場へと放り出してしまう。体で覚えろ系現場研修だ。
ここにお客役で通りかかるのがひつじねいりの細田さんなのだが、これがまーーーーーーー似合う。褒めてるつもりだけど全然褒めてなさそうに見えることを書くが、めっちゃ風俗にあう。(きっと着ていたシャツの所為)
二人とも客の前で極度に緊張し全く上手に喋れないくせ、やはりガッツだけはあまりあるので果敢に挑んでは戻り、挑んでは戻りを繰り返し、客の方が嫌気が差して来てしまう。
見かねた先輩がお手本として素晴らしいキャッチトークを展開しなんとか軌道修正を図ったところで再び二人を解き放つも、気持ちが先行してしまって結局うまくいかず。
この仕事向いてないねと凹みつつ、結局人見知り同士で馬の合う友達と一緒にいるのが楽しいという結論で終わったコントだった。
真空ジェシカのガクさん、ネタパレで見て存在は知っていたのだけれど気持ち悪い印象が一切なかったので2キャラもキモキャラで来るのか…と静かに驚いていたのだが、まさかこの後怒涛のキモキャラ攻めで来ることをこの時の私はまだ知る由もなかった。
https://www.youtube.com/channel/UC2wLmtwDGV_NVqcebv6GG5A
▲ロマン峠さんのネタはこちらから。ぜひ。


続いてフレンチぶるさん。
潮騒から三年の月日が経ち、二人は仲睦まじく過ごしている…と思いきや。
見知らぬ黒人と楽しげに流しそうめんをしているではないか。嫉妬心むき出しでレイコさんを責めるケンちゃん。寂しかったという本音を打ち明けるレイコ。微笑みを浮かべる謎の黒人。
俺が悪かった、今度からは俺も冷やしそうめんやるよ!と心を入れ替えたケンちゃん、感激しつつ恥ずかしそうなレイコ、謎の黒人。
……シュールだ。このシュールの原因はやはり黒人の存在。誰かが演じているわけではなく、大判の紙に書き殴られたイラストの黒人がそこに立っている状態なのだ。
しかも、コントの後半でその黒人の存在が人ではなく本当に紙だった、という扱いになる。
コントの世界とはなんて自由なんだろうか。先日見てきたベリーベストコントでのランジャタイさんのネタでも同じような感情に苛まれた。(この件に関してはいつか別の記事でかきたい。)
結局二人を別つものは無く、きゃっきゃうふふとじゃれ合う中で、BGM担当(Gパンパンダ星野さん)が現れて舞台上で歌い上げる。……コントって自由だなあ!!!
のちのエンディングトークにて、この演出は当日に決めたのだそう。
加瀬部「歌欲しいなって思って……」
なんて自由なんだ…。
https://twitter.com/dekabokuro
▲加瀬部さんのツイッター
Bioが女子力高すぎて笑ってしまった。寝るときジェラピケ着てんのかな〜…。

https://twitter.com/sho_nishi
▲大西さんのツイッター
ライブ情報が見やすいのでおすすめ。シンプル。


そして待ってました、サメゾンビさん!淡い青春の思い出の続き!
みゆきと滝田の恋が始まるのかと思いきや、なんだか二人はどんどんすれ違っていきこちらとしてはもどかしいばかり。よそよそしい態度をとってしまう思春期の二人を見ていると喉を掻き毟りたくなる衝動に狩られる。
そしてみゆきはなんと、仲良く話していた友人(真空ジェシカ ガクさん)に告白され、そそれそれを受け入れてしまうのだ。うわーーー!少女漫画だ!アオハルだ!(読んだことないけど!)
その友達から彼氏になった男がなかなか初心なもので二人の関係がなかなか先へ進まない。距離が近づきそうになったとたんに倒れてしまうのだ。
そんなこんなでもどかしい青春を送るみゆきの元へもう一人の友人(Gパンパンダ星野)が現れ、「滝田、青森に引っ越すらしいけど」と告げる。
聞いてない!あのばか!慌てて走り出すみゆき。脳裏に蘇るのは、滝田の訳の分からないキスへの熱意。
ようやく到着した滝田の(おそらく)家の前、引越しの準備を終えた滝田とみゆき。
少女漫画の王道のようなシチュエーションに思わず甘酸っぱいなあと心の中で呟いてしまうシーンだった。好きだと叫ぶ声がBGMの中に消え、二人の恋も淡く消えていった。
そして引越し先である青森の学校にて。みゆきに瓜二つの女の子を見つけ、青春の芽がまた顔を出す…。
超大作青春ストーリー、映画を見ているような気持ちだった。カルピスとか飲みたくなる。

https://twitter.com/same_takita/status/1144170262025232384
▲サメゾンビ滝田さんのツイート
この続きがマセキライブで見られる……?行ける方、ぜひ!


そしてかが屋!加賀さんの一人コント!(以前ラジオでバカリズムさんが好きと仰っていたので絶対ピンネタどこかでやってるはずだよな、見たい…と思っていたんです。加賀さん一人で出演と聞いてこれはチャンスじゃん!と本当に本当に楽しみにしておりました。)
文化祭での出し物が脱出ゲームに決まり、そのVTRで流す映像を担当することになった加賀くんと鈴木さん。
加賀くんがカメラを回してスタートするのだが、開始前に鈴木さんと握手をしたせいなのかはたまた鈴木さんと一緒に文化祭準備ができることが嬉しいのか、どうしても台詞の後に怖い顔を保てない加賀くん。笑ってしまうので何度かやり直していると、次第に鈴木さんの態度が変わっていく。
おとなしく真面目な印象の鈴木さん像は動画での会話のやり取りでしかわからない、客側には見えない存在なのに、じわりじわりとスパルタコーチになっていく様がわかるのはやはり加賀くんの表情なのだ。悪役を演じようと作っていた顔や声が鈴木さんのプレッシャーによってだんだんと歪み、やがて泣きそうな顔になってしまう。す、鈴木さんもうやめてあげて!賀屋くんが見てたらタオルを投げそうだった。
今度は鈴木さんがお手本を見せるからと椅子に座って演技を見せてくれるのだが、あまりの迫力に若干引いてしまう加賀君。怖すぎない?と遠慮がちに話しかけると、鈴木さんは本気で演技をやりたいと思っている人だったらしく、あまりにも二人の出した案の「劇」への熱意が違ったのだった……。
見えない人間の表現があまりにも秀逸、だってもう完全に見えたのだ。あの日、バティオスの客席で、みんなが鈴木さんを見た。容姿はそれぞれだったかもしれないが、普段おとなしい女の子が豹変する瞬間をみんなが見て、加賀君…!と心の中で叫んだに違いない。

https://www.youtube.com/playlist?list=PLlxhsVYSJyr2RK3nEqWpPOlMQzBw32lcu
▲かが屋のネタはこちらから。全部面白いけど、しっかり見ていないと見逃してしまうような細かいこともたくさんネタの中に詰め込んであるので、ながら見とか電車の中で見るより静かな場所で見た方がより面白さがわかると思います。作りが丁寧で繊細なので。

若手の芸人さんってどんな人なのかよく分からないのよね、という方にはぜひラジオをお勧めしたいです。
http://radio.rcc.jp/kagaya_tsurunoma/
▲かが屋の鶴の間 毎月第4金曜日 22:00〜0:00
広島の放送局なので広島以外だと課金が必要になるのですが、いうて月額せいぜい350円。ちょっとコンビニでお菓子とか買うの我慢しよかな、ってくらいの値段なのでダイエットの手助けにも。詳しくはラジコのサイトをご参照ください。
また、RCC PLAY!にて1ヶ月間動画も見れちゃう(これは無料!)という…。是非是非。


後半ラストは空気階段さん!(空気階段の踊り場、水川さんの赤裸々な恋愛トーク回めちゃくちゃ好きでした。)
隣人の反対側にいたやつはコイツ。という内容だったのだが、なぜもぐらさんがパンツ一丁で入ってきたのか……丁度デリヘルを呼んでサービスを受ける手前だったからなのだ。
デリヘル役は真空ジェシカのガクさん。綺麗な茶髪のマッシュボブに細身の体はキモキャラからデリヘル嬢までこなせる万能な体だった。
デリヘル嬢からサービスの説明を受ける最中、隣から聞こえる歌に最初はうるさいと怒鳴るも、好きな曲が来るとつい歌ってしまうもぐらさん。苛立つデリヘル嬢。
反応する曲はやっぱり90年代、出身は北海道かと思いきやモスクワ?
自分の仕事をしなければとデリヘル嬢が話を進め、いそいそと服を脱ぐもぐらさんなのだが、湘南乃風の曲が流れ出すと脱いだタンクトップを振り回してラップパートを歌い出す。
など先ほど壁の向こうで何が起こっていたのかについての答え合わせのストーリーである。
最後、KinKi Kidsの光一パートを歌い終えたもぐらさんはたまらなくなって隣の家へと行ってしまい、部屋に一人残されたデリヘル嬢はしんみりと古い歌謡曲を口ずさむのだった。
まさにアナザーストーリー、漫画であれば「一方その頃…」と左上に書いてありそう。
だから裸だったのか!と合点のいった瞬間のすっきり感と言ったら……。

https://www.tbsradio.jp/odoriba/
▲空気階段の踊り場 毎週金曜日 24:30~25:00
バナナムーンに合わせてラジオを聴くバナナマンファンなものでしっかりと聞けてはいないのですが、面白いです。ぜひ。
あと、「レンタルもぐら」の利用者を募っているそうです。芸人さん借りれるってなんだそれ。良いのかよしもと。すごいな。
借りた人いたらお話聞かせてください、気になる…!私もちょっと借りてみたい、競馬とか競艇とか全く無縁なのですが一度見てみてくて、誘う人いないし一人はちょっとなと思ってたので…どうしようかな…。


後半にまた質問のコーナーを設け、前半で出なかった方々にも質問をしていくといった流れ。中の人として答えるのかキャラクターとして答えるのかは自由で、だんだん大喜利とかしていく空間は実に楽しそうで、本当にコントが好きなメンバーを集めたライブなのだと感じた。
全て終わり、エンディングでは滝田さんが「コントの中の人たち」の二回目もあると話していたので今回行けなかった方にはぜひ足を運んでいただきたいと思う。

記憶が曖昧な部分も多々あるので、読んでみてここ違うけどな?と思った方はぜひライブレポを書いて欲しい。読みたい。私が。

最後になりましたが、主催の滝田さん、出演者の皆様方、スタッフ様方、本当にお疲れ様でした。楽しい時間をありがとうございました!

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