投資詐欺
配当は投資額の20%になります。
そう言われたらあなたは心躍るだろうか。おそらく大概の人は、そんなに儲かるのは怪しいから近づかないでおこうと思うだろう。それでも詐欺被害が横行し続けるのは、投資とギャンブルを取り違えているからだろうと思っている。
儲けるために投資をやろうと思った瞬間に投資詐欺に引っかかる確率が跳ね上がる。人は金に目が眩む動物だからだ。投資の最終目的が資産のゲインであることを否定するつもりはない。しかし同時に、資産が減になる可能性が大いにあるのも投資だ。最悪の場合は投資額の全額を失う。そうなった場合にそれを損失と捉えてはいけないなどと言うつもりもない。投資によって資産が増えるか減るかは文字通り結果論であって、最初から結果が完全に分かっている訳では無い。ただし、その投資をしたことによって将来的にプラスになる確率とマイナスになる確率を比較検討して、プラスになる確率の方が高い場合には投資に参戦する価値はある。
一方でギャンブルは、当たるか当たらないか分からないという点では投資に似ていると思いがちだが、個々の勝負の結果の確率を合理的に予測する手立てはない。明確に分かっているのは全体の配当率で、それによれば最初から負けることが確定している。仮に個々の勝負で当たるか当たらないかがある程度分かる手法が編み出せたとしても、それだけではトータルの勝負には勝てない(トータルで勝つには、勝ち馬が分かってもオイシイ勝負以外は参戦しないなどの戦略が必要だ)。
投資の場合は最初から負けが決まっているのではないという点で、儲かりそうな意識が高まるのだろうが、それこそが騙される原因となる。
まさかこんな口上で詐欺に引っ掛かる人はいないと思うが、儲けがちらつくと心が揺らぐもの。
配当は投資額に対する割合ではなく、利益に対する割合で支払われるのが普通。ちょっとした言葉の綾に射幸心を絡め取られないようご注意あれ。
おわり
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