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円安が進んでいる

 先週末、これまでの直近高値だった1ドル116.3円付近を突破すると一気に117円を超えた。2017年1月以来の5年ぶりの円安だという。
 振り返れば2021年ずっと上り調子で、年初の103円付近から年末には115円付近まで、上げ幅は12円に及んだ。
 これにはいろいろな理由があるだろうが、米国での金利上昇もその一因と言われている。

 日本にとって深刻なのは、資源価格の高騰と円安によって輸入金額が増大し、貿易赤字が積み上がっていることだろう。輸出増によってカバー出来る範囲を超えているということだ。
 景気が良くて賃金が上がり続けるような状態であれば問題ないが、実際にはその逆だ。

 資源価格が上昇しても、それをすぐには価格転嫁しないで利幅を少なくしてなるべく持ちこたえようとする姿勢は、お客さんを大切にする商売人魂として立派なことだ。もし資源価格の上昇が反転してすぐに元の水準に戻ってくるなりすれば、行って来いで無かったことになるとも言える。
 しかし、もし仮に行ったきりで戻って来なければ、商店や企業の体力は削ぎ落とされることになる。価格転嫁を試みた時には手遅れ、なんてことになれば商店もお客さんも共倒れになってしまう。

 景気が低迷したまま給料が増えない中で物価上昇が続けば、経済の舵取りはかなり難しくなることには違いないだろう。
 そして私達の日々の生活は、今以上に苦しくなることになる。
 日々の生活に必要な物の場合、その価格上昇が急激な変動ではなくても、じわじわと首を締めてきて、気づけばどうしようもないということに成りかねない。
 ここ数ヶ月は家計での消費に気を使う必要があるだろう。

 日本では決算を迎える企業が多いこの3月は、外貨建資産を円に替えるため3月末に向けて円高になるという向きもあるが、根拠がありそうで無いとも言われる。
 ドル円では、2017年の高値である108.6円が次の節目となっており、このラインを抜けるのか反転して戻るのか。もしこのラインを抜けるとなれば、長期で見た場合の次の節目である125円辺りまでの上昇が視野に入ってくるこの125円のラインは2002年、2007年、2015年には何れも跳ね返されていてブレイク出来ていないので上値として固いように見える。

 我々の生活の今後を左右しかねないものとして、資源価格の動向とともに、為替相場の今後の経過にも注目したい。

おわり

サムネ画像はYahoo!ファイナンスのチャートを参照して作成しました。

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