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Netflix映画『スペンサー コンフィデンシャル』

 スペンサーという名の服役中の元警察官が出所するところから始まる。
 昔世話になった格闘技ジムの老経営者の家に居候して、ジムで教えながらトラック運転手として再起を図るため教習所に通う。
 
 服役していた理由は任務中の暴行だ。どうしてそんなことになったのか、理由は良く分からない。出所してきたというのに元同僚たちのスペンサーへの当たりはキツイ。州から出ていけとまで言う。彼がトラック運転手になろうと思ったのも、街から出て行くためだ。

 そんな折、ある殺人事件が起る。テレビのニュースでそれを知ったスペンサーは警察官だったときに抱いていた謎と関連しているのではと気になり始める。調べるうちに、その殺人事件は彼が服役するきっかけとなった自らの暴行事件と深く関わっていたことが分かってくる。

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 アクション・コメディ映画と紹介されているが、シリアスな刑事ものとしてみても楽しめる。もっとも、元警察官が捜査まがいなことをしている時点でコメディなのかも知れない。それ以外にもコメディ要素はあるが、私はそれよりもサスペンスとして楽しめた。

 イメージでは、日本の警察官よりもアメリカの警察官の方が公務中の暴行などで報道されることが多い印象だ。それだけアメリカの警官が粗暴ということではなく、そうならざるをえない緊張感があるのかも知れない。日本では考えられないが、危険な地域に入る時には警官でさえ独りで行ったら命は保証されないのだ。
 電車で居眠りしてもそうそう襲われることは無く、財布を置き忘れても中身がそのままに戻ってくることが多いこの日本では、この映画のようなストーリーはきっと成立しないだろう。

 それにしても、この映画に登場するスペンサーの元ガールフレンド(?)の存在感がハンパない。

 この映画の主人公が、ロバート・B・パーカーのハードボイルド小説「スペンサー・シリーズ」に登場するスペンサーとは観たあとで知った。このシリーズの小説は昔良く読んだものだ。
 しかも、パーカー亡き後に別の作家がこのシリーズを継いでいたとは。原作はその作家、エース・アトキンスの『Robert B. Parker's Wonderland』だと言うから興味深い。

おわり


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