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愛される努力?

自分探し、自分磨き、承認欲求。
朝活、スキルアップ、TOEIC。
メイク、ファッション、海外旅行。
エステ、脱毛、ライザップ。

何かと自分磨きに忙しく、予定で埋まったスケジュールを眺めるのが心地良いという人も多いのではないかと思う。
もし貴方のスケジュールを埋めているものが、自分でも気づかないうちに、愛される為の努力に繋がるものだとしたら今すぐ見直したほうが良い。
なぜなら、私がこの年になるまでその事に気付かずに生きてきて、だいぶもったいないことをしたもんだと思い至ったからだ。

自分を見つめ直して磨きをかけ、知識や技術を身に付けて人間として向上していく営みは人間として必須なことの一つである事には違いない。
だから、そうした努力が無駄だと言いたいのではない。

でも、もしそうした行いの全てが、人に愛される為の努力に留まっていて人を愛する事に活かされていないのだとしたら、少し整理をして、愛することに費やす時間を持つようにした方が良いんじゃないかと思ったのだ。最近のことだが。

なにも難しく考える必要はない。
自分の為の時間以外に、人の為に何かをする時間を少し持つだけで良い。条件があるとすれば、その人の為に真剣に向き合う事だ。

仕事をしている人は皆、自分の時間を売って人の為に費やしている。けれど、売った時間分の報酬を得ているというだけではもったいない。
それは、社会にとってはもちろん、あなた自身にとっても、とてももったいない事だと思う。
少しだけでいいから、今までよりもお客さんを見てその人の為にと思ってみる。そんな事だけで十分だと思う。
一人の人間としての部下のために、上司のために、同僚のために、今までよりも少しだけその人の役に立つ事を、と思ってみるだけでいい。

誰だって愛されたいのだから、どうやったら愛されるかが気になっても仕方がない。
でも、愛される為の努力の多くは、逆に愛される事から遠ざかる結果を導く。
こんな事を書いていると、自分が怪しい宗教家にでもなったかに錯覚するが、そんな大袈裟なことではない。きっと当たり前のことなのだ。

そんな事を考えながらキース・ジャレットを聴いていたら、音に溢れる愛に気づいて思わず目が潤んだ。
今まで何度も聞いていた曲なのに、こんな感動したのは初めてだった。
音楽家は聴く人と音楽の素晴らしさを分かち合う為に演奏していたんだという事に改めて気付かされた気がした。

おわり

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