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最後にあなたが勝ったと思えるなら、それでいい。

 ドロップアウト。
 社会的に決められた道から外れることを言う。
 外れているかどうかは、社会が要請するあるべき人物像や役割や振る舞いを正しくトレースしているかで測られる。
 学生であれば不登校や退学、社会人であれば就職浪人や長期休職、そして引きこもりやニートもドロップアウトに含まれるだろう。正社員か非正規かというのも最近では話題の一つになっている。

 道から外れる事が何処か引け目を感じさせる様な社会だとすれば、それは勿体ないことだ。一つの道から外れても複数の道が選択肢として残されているような社会こそが豊かな社会と言えるだろう。
 道を外れたと思う必要は全く無く、自分の道は自分で決めて自分で切り拓くと考えれば良い。今自分が進んでいる道は周囲の期待とは違うが、これこそが自分の道なのだと思って良い。世間の言う道はむしろ邪道であって自分の行くこちらの道こそが王道だと思って良い。
 自分の世界は他人様が決めるものではなく、あなたに見えているもの、あなたが感じているものこそが世界なのだ。申し訳無いが、誰かの言う「普通」の生き方は本当は何処にも存在しないし、あなたには全く関係のないことと考えて良い。

 もちろん、伝統芸能の世界など世の中には敷かれたレールから逃れられない人もいる。親の職業を継ぐという社会的な要請は本人にとっては不本意だったり反発したくなるだろう。しかしこの場合においても全てが既成の型に嵌まっていれば良いというものでもない。時代の変化の要請もある。

 好きな事を仕事にするべきかという事が話題になることがあるけれど、本当はそうではなくて、得意な事が仕事になるのが良い。得意な事なら好きにもなれる。
 何が得意かはやってみないと分からないから、最初から得意分野を絞り過ぎない方が良い。古文や現代文が得意なのに漢文のテストで点を取れないからと言って、国語が不得意ですとなるのであれば勿体ない。きっとその人は国語が得意と言っても良い資格がある。

 テキパキと物事を進めるのが得意な人、みんなの気持ちを一つに纏めるのが得意な人、誰かのサポートをするのが得意な人、細かな作業を長く続けるのが得意な人、大まかな方針を立てるのが得意な人、走るのが得意な人、歩くのが得意な人、人の話を聞くのが得意な人、喋るのが得意な人、じっくりゆっくり考えるのが得意な人。なんにもしないのが得意な人。
 人は皆、他の人が持っていない特徴を持っている。みんなと同じでないからこそ価値がある。同じで無い部分こそが得意なことになる。何故ならそれは他の人には出来ないことだから。

 それなのに今の社会は、みんなと同じになることを要請してくる。同じことが出来ないだけで失格のレッテルを貼られる。同じ考え方を持っている前提で事が進められ、違った意見は封じ込められる。

 でも、そんな社会だからこそ、あなたはあなたのまま、得意なことで勝負すれば良い。誰かの二番煎じなんて面白くも何ともない。いいじゃないか、あなたがオリジナルなんだから。
 その勝負、世間的には勝っても負けても良い。何故なら勝ち負けを決めるのは他人ではなくあなた自身。最後にあなたが勝ったと思えるなら、それでいい。

おわり

 


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