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オススメ出来る日本の冬?

 本来は真冬なはずの2月のこの時期に5月の陽気とは、なんとも過ごしやすい。過ごしやすいを超えて毎日の服装をどうすれば良いのか分からなくなるほど余計な悩みが増える事態になっている。熱があるのではないかと思っては、単に着すぎだと気づいて上着を脱ぐことを繰り返す。
 関東に春一番が吹いたのだって今年は異常に早いじゃないかと思って定義を見てみると、こう書かれていた。

気象庁の定義では、2月4日ごろの立春から3月21日ごろの春分までの間に、広い範囲で初めて吹く暖かく(やや)強い南風のことを言います。

気象庁

 関東での今年の春一番は2月15日だったから格別早かった訳では無い。2021年は2月4日だったというからなおさらだ。

 冬の暖かな日が続いても大した騒ぎにはなっていない印象がある。夏に猛暑日が連続何日も続くと地球の温暖化を心配する声が多方面から聞かれるようになるのに比べて、温度感は低い。
 きっとこれほどの暖冬では多方面に影響が出ているだろうに。

 まずは燃料代だ。
 使う側にとっては少なくて済む冬場の燃料代は有り難いことこの上ないが、売る側にとっては商売上がったりだろう。
 そして冬といえば鍋だ。
 鍋の具材はどうしてこうも高いのだと思っていたが、売る側にとっては書き入れ時だろう。鍋に似つかわしくない気候となれば、こちらも商売上がったりのはずだ。
 そして、スキー場。
 スキー・スノーボード人口は減ったとはいえ、冬しか営業出来ない産業にとって暖冬は天敵だ。北海道の一部地域では外国人が殺到して価格高騰が続いているようだが、本州にあるスキー場は商売にならないレベルではなかろうか。

 地域産業構造は立地影響もあるため変わることが難しいだろう。それが季節産業であればもっと難しいはずだ。だから、暖冬や猛暑の影響は地球規模の問題以上に地域経済に少なからずダメージをもたらすことになる。それはますます地方を疲弊させる。日本に明確な四季があることは日本の自然風土を形成するのに役立っているはずで、それが揺らげばひいては日本の観光価値にも影響が出かねない。

 もっとも、近頃は街で外国人観光客を見かけることが増えた。
 外国人なりの新しい日本ニッポンの発見に湧いているとも言えるが、実際のところ日本は豪勢な旅を格安で実現出来る稀有な国になっているからということでもある。どうか安さ以外にも沢山の良いところを満喫して、母国に持ち帰って欲しいものだ。
 ただし、子供の頃よく見た霜柱を何年も見ていないことを考えれば、既に私がイメージするような良きニッポンは無いのかも知れない。とすれば、海外の人を見かけたら優しく接することを心がけるようにしようか、なんて思ったりする。

おわり
 


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