2K⇒4K ・・・・・・ 4Kが表示されない! そんな時どうする。
我が家のホームシアター歴になって興味が無いという大半の方で、4Kが表示されなくてお困りの方は、最後の「まとめ」というところを読むと良いでしょう。
長い前置き(我が家のホームシアター歴)
我が家では、ハイビジョンよりも、DVDよりも、地デジよりも前の時代に、たまたまふらりと入ったオーディオ・ビジュアル機器を扱うショップで中古の三菱プロジェクターLVP-L1000と中古のスクリーンが転がっているのを見つけ、これを購入してホームシアターを始めた。
それは1990年代後半のことだった。
(この写真はhttps://aucview.aucfan.com/yahoo/k155146760/ のものを転載しました。個人的には懐かし過ぎる!)
当時先端の再生機器はパイオニアのレーザーディスクだったが、そんなものはうちには無かったので、VHSのビデオデッキを繋いで、極めて荒い画像を80インチのこれまた中古のスクリーンに投射して、レンタルビデオの映画を見ていた。
ホームシアターという言葉は出始めというか無いに等しい状態で、普通の人は聞いたこともない単語だった。そんな時代だ。
当然テレビはアナログ放送、ブラウン管だった。液晶テレビなんて無い。
購入した三菱の液晶プロジェクター(液プロ)は、当時はあまり気にならなかったが、液晶の格子が大きく見えて、まるで網戸越しに映画を見ているようで、かつ、画面上の色むらが大きかった。今からすれば見れたもんじゃない画像のクオリティだったろう。
でも、実に楽しく刺激的な経験だった。
知る人しか知らないような極上の趣味を味わっている、そんな感じだった。
そんな世界に足を踏み入れてしまった私は、ホームシアター界のバイブル的雑誌「HiVi」を毎号買って読み漁るようになっていた。
それから間もなく、DVDという、CDサイズの映像媒体が出るぞということになり、さっそくパイオニアのDVD再生器DV−S9を購入して我がホームシアターで見ていた。
しかし今度は記録された画像の解像度がプロジェクターを追い越してしまったので、バルコというベルギーのメーカーの3管式プロジェクター(確かBarco Vision701MM)を中古で購入した。液晶とは違いCRTなのでなめらかで綺麗な画が美しかったが、明るさが今一つなのと、何よりも調整が大変だった。
(この画像は http://www.curtpalme.com/Barco701.shtm からの転載。これも懐かしい! こいつ40kgもありやがるのだ。佐川急便さんが一人で持ってきて死にそうになっていた)
赤、青、緑それぞれひとつずつのCRT+レンズなので、この3つのピントと位置調整、サイズ調整、画像調整をきっちりやらないと画像がぼやけてしまうのだ。興味がある方はインストールマニュアルでも見てみてくれ。当時も英語のマニュアルしかなく、便利なgoogle翻訳も無かった。
画を表示するまでが大変なんて、普通の人には信じられないだろうが、だからこそ楽しいんじゃないか。
4帖半の和室の押し入れに自作設置台を作ってプロジェクターを設置し、80インチのスクリーンで見るDVDの映像は、まるで映画館だと感じた。
エアコンが無かったので夏は蒸し風呂状態だったが、あまり苦にした記憶は無い。20年も前の話だ。
当初は周囲の人でDVDを知っている人は皆無で、当然レンタルビデオ屋にもDVDが置いてなかった。レンタルビデオのVHSか、今から思えば高いなぁと思う値段のDVDを買って見ていた。
話が前後するが、音響面では、最初はヤマハのAVアンプDSP-R995を購入。
スピーカーはもともと持っていたビクターのスピーカーSX-500 DOLCEに、サラウンド用のInfinityのスピーカーを3本(Reference10とセンターのReference100i)買い足して、サブウーファーにはヤマハのYST-SW80を使って5.1chのシステム構成していた。4帖半の和室でサラウンドしていたのだ。
ヤマハは私が高校生の頃に、DPS(デジタル・サラウンド・プロセッサ)というのを開発して、ホールでマイク測定した残響データをもとにサラウンドを実現するというアンプを初めて発売しており、その頃からヤマハのAV
AVアンプは私の憧れだった。
その後、AVアンプはソニー(プリ・パワーのセパレートタイプ TA-E900ESとTA-N9000ES)、次もソニー(単体タイプ TA-DA5300ES)と買い次いで、現在はパイオニアSC-LX801。
憧れだったヤマハのAVから離れてしまったのは、フロント・ハイにもスピーカーが必要という特殊な方式を我が家では物理的に実現出来なかったからだ。
こうやって書き始めると色々あるが、そんな想い出話は別の機会に譲るとしよう。
その後、世では地デジ、ハイビジョン、ブルーレイと高精細化が進んで行くのだが、流石に地デジ放送開始となって、ハイビジョンやホームシアターという言葉を多くの人々が知るようになった。
2Kから4Kへ
さて、時は過ぎて、我が家ではこの12年間、2K(当時はハイビジョンとかHDとか言った)のビクターのプロジェクターDLA-HD100を使用していた。
妻は未だに何ら不満が無いと言っていたが、本当なら東京オリンピックを機に、その前にプロジェクターも4K化しようと企んでいた。
しかしながら、事はそう上手くは運ばず、欲しいなと思ったビクターのプロジェクターは投射距離の関係で我が家には適合しなかったので、購入を見送っていた。現行モデルでは投射距離が長く、我が家ではスクリーンいっぱいに表示出来ないことが分かったからだ。
オリンピックが終わり、普通であれば4K化の動機が薄れていくところだろうが、私の場合は違った。
何ら計画的ではないのだが、たまたま見たネット記事かYoutubeか何かで、ソニーの新しいプロジェクターVPL-VW275が既に発売されていて、色味が今までよりリッチな傾向になっているというではないか。しかも、ソニーストアのクーポンで割引が効く。
という訳で、急ではあったが漸く4Kが表示出来るプロジェクターが先日我が家に到着した。
HDMIケーブル交換、プロジェクター受け入れ
プロジェクター到着前に、予めHDMIケーブルをUHD対応のものに張り替えておいた。AVアンプまで壁内の配管を通すので、ケーブルの長さはは8mある。
これまで使っていたケーブルを引き抜き、新しいケーブルを挿入。あとはプロジェクターを待つのみという訳だ。
ケーブルはAmazonで4K UHD対応でHDMI2.0対応と書いてあるのを購入した。
予防接種後の痛みが残る腕で、箱から出したプロジェクターを設置場所に持ち上げ、予め敷設してあったHDMIケーブルを挿し、電源ケーブルをコンセントにつないで、スイッチ・オン!!!
予想通りだが、第一印象は明るいということ。
これまで使っていたプロジェクターの3倍弱の明るさなんだから当たり前。2Kのレコーダーで流れる高校野球の映像は4Kにアップコンバートされていて綺麗だ。
OK、2Kは映ったから、じゃあ、次は4Kだ。
4Kが見れるレコーダーに切り替えて、リモコンの4Kボタンを押す。
ん?!
何も映らんぞ。
4Kが映らない 《対応策》
映るはずの4Kが映らない。
せっかくの4Kプロジェクターが台無しだ。
アンプの設定画面、レコーダーの設定画面を何度も行き来し、ケーブルを繋ぎ変えてみたり、電源をオンオフしてみたり、ケーブルが抜けていないか再確認してみたり、ネットで調べてみたり。
恐らく悪いのはケーブルだろうと当たりを付け、別の4KケーブルをAmazonで発注。しかし4K UHD対応の8mくらいのケーブルが2000円代とは安いなぁと改めて思いながら、最初に買ったのと同じ値段帯のをポチった。
それからも、どこかに答えがないかとネットを徘徊していたら、HDMIケーブルは仕様上、最大で5mまでと書かれているではないか。
これか?
これまでも長いケーブルを使用していたが、それは2Kでの話。4Kは違うのかもしれない。
5mかー。
8mは繋げないのかと、ちょっと焦る。
でも、10mくらいまでなら普通に繋げている人がいそうだよなと思って考えているうちに、あることを思い出した。
それは、HDMIケーブルと光ファイバーケーブルを合体させたケーブル。
HDMI ver.1.4の頃に聞いた話なので、今はケーブルが進化して光ファイバーなんか使わなくても大丈夫なんだと勝手な理解をしていたが、そのケーブルが進化したという考えが間違えだったのかも。
HDMI+光ファイバーでAmazonを見てみると、ありました。
今でもそういう製品が。しかもレビューも好評で、8mどころかもっと長い距離を繋げて使っている人もいるらしい。レビューをどこまで信じるのかということではあるが、先ほどポチったケーブルをキャンセルし(キャンセルが間に合った)、買い直した。
8mの長さが無かったので、10m。
長い分には、短いよりは良い。
HDMIケーブルに関しては大は小を兼ねないことに気付いたばかりだが、光ファイバーなのだから大丈夫だろう。
結論。
このケーブルで映りました!!!!
おめでとうございます! トゥー・ミー!
と、書けば簡単だが、実は商品到着までにちょっとした事件があったり、最初は映らなくて暫くの間頭を抱えていたりしたのが事実。
AVアンプの設定
ケーブルを光ファイバーHDMIに変えてみたものの、最初は4Kが映らなかった。
なんてことだ。
思い余ってプロジェクターを買ってしまったのに、我が家で4Kが活かせないとすると、何のために? ということになる。
AVアンプがいけないのかもしれない。
もしかして、AVアンプも買い替えが必要ということなのか。それは無理だなぁと思いながら、プロジェクターからのケーブルを直接レコーダーに挿してみた。
4Kが表示されるではないか。
(ちなみに、4Kが表示されているかどうかは、目で見て確認ではなく、プロジェクターのプロパティ表示で確認しています)
そこで、ふと、思った。
AVアンプの設定をいろいろいじる際に、テレビでも画面が表示出来ると便利と思って、2KのテレビにもAVアンプの出力を繋げていた。
もしかして、HDMIは解像度の低い機器に引っ張られるのでは、と思ったら案の定、以下のサイトを見つけた。
これは私の使っているパイオニアのAVアンプについての記載ではないが、HDMIの仕様だとすれば同じはずだ。
そこでテレビに繋がれたHDMIケーブルをAVアンプから抜いて、AVアンプの出力設定を1つのみと変更した。
その結果、無事4Kが表示された。
つまり、4Kで見たければ、AVアンプには4Kの機器以外を繋げてはならない、ということだ。
よく考えてみれば、私はこの仕様のことを知っていたはずだ。けれど焦って分からなくなってしまっていた。高い買い物が無駄になったかもしれないという事実と、妻への言い訳を考えるのとで頭がいっぱいになってしまったのだ。
光ファイバーHDMIケーブルでないと駄目なのか
ところで、AVアンプの設定の問題だとすれば、光ファイバーHDMIケーブルは必要なかったのではないかって?
私もそう思ったので試してみた。
光ファイバーHDMIケーブルを抜いて、元のケーブルに繋ぎ変えてみた。これで4Kが表示されれば、光ファイバーHDMIケーブルを買ったのが無駄だったということになるが・・・。
結果は、表示不可だった。何も表示されなかった。音は出ているが。
良かったー。
いや、8mのHDMIケーブルが無駄になったのだから何も良くはないが。4Kが表示されないより200倍いい。
まとめ
という訳で纏めると、
【 プロジェクターで4Kを表示したいときの注意点 】
◆HDMIケーブルが5mを超える長さの時は光ファイバーHDMIケーブルを使用した方が良い
◆プロジェクターに繋がるAVアンプには4K表示出来る機器以外をHDMI接続してはならない(2K機器を同時に繋げるな)
ということだろう。
今こうして見てみると、全然、当たり前のことだね。
4Kは必要なの?
4Kが表示されてみると確かに綺麗だ。
だが、液晶の画素数が4K分あって、普通のテレビ映像もアップコンバージョンされて4K表示されているので、それだけで十分綺麗だ。恐らく、プロジェクターのプロパティ表示で受信信号の中身を知ろうとした私のような変人でない限り、4Kってやっぱり綺麗だね、なんて知らぬが仏だったのかもしれない。怖い、怖い。
今見ている映像が綺麗だと思う人は、今さら本当に4Kかなんて確かめてみない方が良いでしょう。沼に嵌る可能性がありますよ。
おわり
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