酒がなくても彼女は親友になり得ただろうか
先日、親友が結婚した。高校時代の同級生で、大人になっても思い出したように会っては一緒に酒を飲む間柄だ。
盛大な結婚式に出席したこともあって、家に帰り現実を過ごしてみても、ふと彼女との思い出にふけったりする。
高校時代はさておき、大人になってからの彼女との思い出を掘り起こしてみると、そうだな。酒しか出てこない。あまり思い出さない方が良さそうな失敗も数知れない。私と同じくらい酒が好きで、同じくらい話し好きで、同じくらいマイペースだ。
はてさて、私はお酒なくして彼女と今の関係を築けただろうか。
グループで会うのも楽しいけれど、やっぱり1対1で仲の良い友人というのはいてくれると心が寂しくない。なーんか会いたいなぁ話したいなぁと思うとどちらからともなく連絡して、何をするかと言うとお酒が飲みたいなぁという話になる。
転勤した彼女の住む京都で飲んだ日、朝起きたらスマホがバキバキになっていた日、なんだかんだほぼ毎年会っていた大晦日、人に言えないような情けない失敗を共有した日。もうぼやけてしまったり忘れてしまった日々も含めて、そんな積み重ねが私たちを親友たらしめた。
酒を飲むことは時間を過ごす手段であるけど、それが目的になることもある。時には会いたくて飲み、また時には飲みたいから会う。やっぱり私たちの関係は酒なしにここまで続かなかったと思う。
私たちにとってはそれが酒だったものの、つまりは人と仲良くなるには共通する何かがあるといいっていうことなんだと思う。酒ではなく他のものでもよくて、人によってはアイドルだったりゲーム、キャンプなどさまざまものがそれだったりするんだろう。
ベランダのひだまりの中で遠くに住む彼女の幸せを願い、私たちの仲を取り持ってくれた酒の神様に感謝をしたのだった。
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