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飲食チェーン店の店舗数の壁を考察する

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譲り受け分も含めて10店舗程度の規模になるので、レジや勤怠をオンラインで統一する必要が出てきているようだ。
あくまで主観だが、飲食店は参入障壁が低く企業し易い分野だが、店舗数を増やして事業を拡大するには管理部門を店舗数に合わせて充実させていく必要があり、それが出来た会社が多店舗展開が可能になっていく。

1店舗目がヒットして次は3店舗体制

個人の力量と調理の技術で個店で繁盛店となることは珍しくない。ここから店舗を増やすとして3店舗まではオーナーの力で展開することが可能だと思う。ただそうするとオーナーの自由時間がなくなるので、右腕となる店長を雇えるのかが運命の別れみちになる。なじみのうどん店で3店舗まで出店したが、味を揃えるところが難しくて個店営業に戻した事例を知っているので、ここが多店舗化1つ目の壁と言えると思う。

10店舗になると事務方が必要になる

店の規模にもよるが、10店舗の従業員は100名を超えるので給与計算と経理処理が出来る事務方が専属で必要になる。オーナーが家族の支援でやってきて、そろそろ無理が出だすころだ。このころはオーナー自身は広告や資金繰りに忙しくなってくるので、バックオフィスを任せられる専任者と出会わなければ、これ以上の出店は無理になってくる。実際に10店舗前後で頭打ちになるチェーン店はかなりの数あると思う。

30店舗が越えられるか

本部機能がないと運営が出来なくなる。営業部、商品部、経理部は最低必要で、販促と情報システムにも専従者が必要になってくる。業態には寿命があるので、多店舗化には出店速度が必要だが、出店速度に本部機能がついてこれないと、一挙に崩壊するかも知れない。

50店舗を越えたらいよいよ有力チェーン

営業部、商品部、経理部、販促、情報システムに加えて店舗開発部も必要だろう。販促、情報、店舗開発についてはアウトソージングするという手もあると思う。オーナーの考え方によってどの部門を外部委託するかは変わるだろうが、すべて自前で持てば出店速度が上げられる。各部門の人材が揃っていれば100店舗までは数年で到達しそうだ。

100店舗を越えたら上場する

この辺りで株式を上場することが多いと思う。上場により知名度と資金が手に入るので、業態に力があれば一気に200店への弾みがつく。ただ、一旦上場すると会社は株主のものになるので、どうするのかはオーナーの考え方次第だ。上場すると当たり前だが、株主総会があるし株価対策も必要になってきて面倒になってくる。また、買収される可能性も増してくる。

今回は直営店で考察してみたが、フランチャイズチェーン化すれば店舗数を爆発的に増やすことが可能になる。直営店とフランチャイズ店の比率はさまざまだが、フランチャイズ店の比率が8割とかだとフランチャイズオーナー向けの対策に手間がかかるので、結構大変だ。

今や飲食店ビジネスは1000店を超えるビッグプレイヤーも珍しくないので、そこに食い込むのは難しくなっているかも知れない。しかし、一世を風靡したファミレスが時代遅れになっていたりするので、未だに個人で起業できる可能性がある分野でもあるだろう。


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