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時間がなくても良い感じにプロジェクトの振り返りができた話

こんにちは!田中大登(@tnkdaito)です。
グルメサービスRettyでプロダクトマネージャーをしています。そしてRetty Advent Calendar 2020の13日目を担当しております!

2020年はコロナ対応・マイページやサイトTOPのリニューアル・Go To Eatなど、長期間のプロジェクトを多くリードしました。プロジェクトが多いと振り返りも多くなるわけでして、今年は社内で一番多く、プロジェクトの振り返りをファシリテーションしてきた自負があります。

振り返りに割ける時間は少ないながらも、試行錯誤とメンバーからのFBを元に、良い振り返り方法が定着してきたので、記事に残します。

こんな人に読んで欲しい

・振り返りを上手く進められない方
・効率のよい振り返り方法を模索されている方
・プロジェクトの学びを資産化したい方
・組織/プロジェクトをリードされる立場の方

結論:プロジェクト振り返りの型

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それぞれ詳細に記載ができればと思います。

0. 振り返りの前提

前提として上記振り返りの型を全員で順々に行うと、膨大な時間が必要になります。長期間になればなるほど、時系列年表の作成(=思い出し)に時間がかかってしまうからです。半年くらいのプロジェクトなら、参加メンバー全員で5時間くらい必要になると思います。

もし参加メンバー×5時間かけてでも振り返りを行える時間的猶予があるのであれば、間違いなく時間をかけた方がいいです。時間があると細かな事象からでも学びに繋げやすくなります。

ですが今年はコロナ対応に追われていたこともあり、膨大な時間確保がしにくい状況でした。そこで事前準備として、特に時間がかかる時系列年表の作成をファシリテーターが行うことで時間短縮をしました。

3ヶ月から半年くらいのプロジェクトで参加人数が5〜10名の振り返りですが、すべて1時間で精度が高い振り返りができたと思います。

ちなみに振り返りはリモートワークが一般化したことと、過去オフラインで実施した際、付箋の写真を残しても誰も見なかったことから完全オンラインで実施をしています。

・振り返りは可能なら膨大な時間をかけるべき
・今回紹介する型はあくまで3ヶ月〜半年のプロジェクトの振り返りナレッジである
・振り返り当日は参加者5名〜10名、1時間で行っている
・振り返りはオンラインで行い、ツールは共同編集できるドキュメントツールを活用した

を前提としてご留意頂ければと思います。

①振り返り目的の確認

・なぜ振り返りを行うのか
・なぜこのメンバーで行うのか

を今一度確認します。こんなこと言わなくても分かるという状態がほとんどですが、目的がずれていると出てくる良い点/課題点にブレが生じるのでちょっとでも触れておく、または事前に記載しておくことがオススメです。

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②心理的安全性の担保(ルール/トーンの設定)

振り返りを行う際に、どんな立場でどんな発言をしてほしいのか、どんな空気感で振り返りを行いたいのかを事前に明示しておきます。

参加者の心理的安全性が担保されていないと、良い振り返りはできないです。ゆえに心理的安全性を高める免責や言及はマストで必要です。

参加者や振り返る内容によってルール/トーンは若干変えたりしています。

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別の会(参加者や内容が異なった時)のルール

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③時系列の年表の作成

時系列の年表作成こそ、良い振り返りにおいて1,2を争うほど重要だと断言できます。

一番時間を使うところですが、この年表がプロジェクトの思い出しに繋がり、参加者からの発言/記載を促進します。長期間になればなるほど「何があったか忘れた」状態になるので、時系列年表の作成はマストで行って欲しいです。

細かなTipsですが事前準備としてファシリテーターが年表を作成している関係で、参加者から見ると不明な項目もあるかなと思い、議事録やslackのリンクも掲載をしています。

後述しますが参加者からのFBで時系列年表があることで振り返りしやすかったと評判でした。

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これを全員でやる場合はSmartHRさんやfreeeさんがタイムラインという振り返り手法を紹介されていたので、参考になるかと思います。

④年表を確認しながら問題や好要因を追求する

10〜20分ほど確保し、参加メンバー全員からKPT形式で、良かったことや課題などを記載してもらいます。この際ファシリテーターの人は一緒に参加せず、年表から「こんなこともあったねー」など記載の促進になるような繋ぎを行うのが良かったです。

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⑤問題や好要因をグルーピングする

記載してもらった良い点や課題点を記載者からシェアしてもらいます。

シェア内容と似た意図で記載した内容があれば、記載者にカット&ペーストをしてもらい、シェア内容の近くに置いてもらいます。

こうすることで、グルーピングの時間が節約できる&1つの記載事項から共感と発散を生むことができました。

ファシリテーションとしては「お、xxさんも似たようなこと記載されたんですねー」と話を振ることで「1人が話す・他は聞いている→また別の人が話す・他は聞いている」という状態を避けられたと思っています。

加えてグルーピングがされている際に、グルピーングに名称を与えることで「あ、それに近いこと書いていた」とグルーピングがさらに促進されることも良い学びでした。

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⑥グルーピングした要因に対してアクションを考える

個別具体の事象に対して改善のアクションを考えだすと、アクション自体がすごく細かなものになってしまいます。(例:xxという注釈があまり伝わっていなかった→xxの注釈を目立たせる)

対策としてグルーピングした粒度に対して、何かいいアクションありますかね?と問いを立てることが良い方法だなと感じています。(例:注釈を用いる際にはどういうことを気をつけた方がいいとかありますか?→とりあえず載せるのではなく、必要な注釈のみを厳選する)

⑦問題や好要因やアクションを汎用できる粒度にする

それぞれのアクション案を抽象化し、次回のPJに展開できるような粒度に清書します。この清書だけを見れば何を留意すべきかが分かる状態にしておくと、振り返りに参加していないメンバーも活用できる資産となります。

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⑧やりきったね!と讃えあって終わる

個人的にはこれがまだできてないなと課題感がありますが、プロジェクトを全員で走りきったことに対して、全員で讃えあえる場所は必要と感じています。

明確な終わりがあるからこそプロジェクトなのですが、終わりを明確にできないとずるずる気持ちを引きずってしまい切り替えができず次のプロジェクトに参加していくこととなります。

ファシリテーションの役割としては、この振り返りをもってプロジェクトをやりきった、また次も頑張ろうと思ってもらえる区切りを提供できないといけないと感じています。

振り返り参加者からFBと今後の課題

たくさん振り返りを行ったので、参加メンバーから良い点・課題点のFBを募ってみました。

◼︎良い点
・時間的効率が良く振り返りができた
・PJの時系列があるので記憶を呼び起こしやすくてよかった
・最終まとめがわかりやすく、参加してなくても概要が掴める
◼︎課題点
・時間が短く話をあまり展開・脱線させないようにしてたかも
・次のプロジェクト時に見返すようなサイクルを作れるといい

まだまだ振り返りの型はupdateできそうですが、生の声を掲載しておくのでぜひ参考にしてもらえればと思います。

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最後に

この型は都度アップデートしていきたいので、ぜひご意見ありましたらDM, Twitterなどでコメントもらえると嬉しいです。情報交換もぜひ!

またこんな感じで一緒にプロジェクトを進め、食を通じて世界中の人々をHappyにする仲間も募集中です!


読んでくださりありがとうございましたっ ご意見ご感想などあればぜひTwitterで教えてください! 頂いたサポートはnote執筆のためのカフェ代に使わせてもらいます!