Retty流大規模プロジェクトマネジメントのお話
こんにちは!田中大登(@tnkdaito)です。
グルメサービスRettyでプロダクトマネージャーをしています。
最近はGo To Eatキャンペーンに事業者として参画するため、機能開発をしていました。学びが多くあったので、整理できればと思います。
こんな人に読んで欲しい
・プロジェクトをリードする立場の方
・大規模なプロジェクトに携われている方
・プロジェクトマネジメントを磨きたい方
・RettyやGo To Eatに興味がある方
Go To Eatキャンペーンって?
Go To Eatキャンペーン事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出の自粛等の影響により、甚大な影響を受けている飲食業に対し、期間を限定した官民一体型の需要喚起を図るキャンペーンです。
需要喚起の方法は食事券とオンライン飲食予約の2種類用意されており、Rettyはオンライン飲食予約の事業者として参画が決定しました。
詳細は農林水産省のページをご覧ください。
Rettyの開発体制
オンライン予約事業に向けた機能開発のため、全員でGo To Eatに注力する体制に変更しました。
開発の他にも請求や問い合わせなどのオペレーション設計、お店さんとの接続やオペレーション設計などもあり、全社最優先のプロジェクトでした。
直接関わるメンバーだけでも50名以上いる大規模なプロジェクトのため、あるあるの失敗事例を踏襲しないようプロジェクトマネジメントする必要がありました。
大規模プロジェクトあるある失敗事例
◼︎計画の問題
・ゴールやスコープなどの計画が明確でなく進む方向がバラバラになる
◼︎見える化の問題
・同時多発的に進む決定/実装を追えず、手戻りやMTG時間が増大する
・各進捗が見えず、いつまでに何をすべきか不明になる
・このまま計画達成出来る/出来ないが見えず不安感が大きくなる
・ドキュメントが分散し、何が最新か分からなくなる
◼︎コミュニケーションの問題
・ステークホルダーが多く、コミュニケーション先が分からず停滞する
・ステークホルダーがそれぞれ言っていることが異なり、混乱する
・コミュニケーション頻度が少なく、細かな認識合わせが出来てない
・コミュニケーションログを残さず、言った/言ってない議論になる
大規模プロジェクトでは「キャッチアップしづらい状況」が「認識齟齬」を生み失敗することが多いです。(不明瞭な計画は論外です...)
逆にいうと関わるメンバーが最新の状況をキャッチアップでき、認識齟齬が発生しにくい状態を維持し続けることが出来れば、大規模プロジェクトはマネジメントできると思っています。
大規模プロジェクトでの工夫ポイント
キャッチアップコストを低くする
責任の明確化
大規模なプロジェクトだとステークホルダーが多く、困ったとき誰に相談すべきか/誰が決断すべきかが曖昧になることが多々発生します。
今回のプロジェクトでは以下のように責任者は1名とし、その他は窓口として各領域を担当する形としました。
窓口とエスカレーションフローが明確になり、不明点は窓口に聞く/困ったら窓口に相談する。という動きが浸透しキャッチアップコストを低く抑えることができました。
ドキュメントやslackの集約と整備 / MTGをロム専可能にする
上記のように情報集約先を明示した上で、派生ドキュメントが発生したら都度注意喚起と集約を行っていました。
「とりあえずここを見れば良い」という心理状態を全員で作れたことは非常に良かったと思っています。
またコロナ影響により原則リモートになったことで、会議室のキャパを気にせずメンバーをMTGに招待出来るようになりました。
責任者と各領域の窓口が集まる唯一のMTGを、ロム専解放することで状況のキャッチアップコストが下がったように思います。
実際にメンバーからもポジティブな声がありました。
認識齟齬を生まれにくくする
キックオフで進め方の工夫をしっかり伝達する
上記工夫はプロジェクト進行中に、後出しで伝達すると混乱が発生します。
キックオフのタイミングでなぜやるか(Why)だけでなく、プロジェクトをどう進めていきたいかを事前に伝達/宣言することは重要でした。
重要要件をまとめた要件タブの運用
機能リリースにあたり絶対に外せない要件(≒受入条件)を抜き出し、要件タブとして最新の状態を維持していました。
その結果
・要件タブだけ抑えていればまず外さない
・要件タブだけ見れば仕様の大枠が分かる
状態だったように思います。
全員が確認する大事なタブだったため、更新があった際は内容を抜き出し、全員がいるチャンネルで更新周知を行っていました。
みんなの疑問を集めるQ&Aタブの運用
大規模プロジェクトでは「大筋は抑えているが細かな仕様で認識齟齬が発生し手戻りになった」など日常茶飯事です。細かな仕様の確認は量も多く周知しきれないこと+会話でさっと解決するため議事も残されにくいためです。
Rettyではその打開のため、詳細を詰めていく過程で発生する細かな疑問を全て集約・回答し、誰でも見える状態にしていました。
Q:クーポンの付与期日は2021年1月31日ですがこれは予約日ですか?来店日ですか?
A:来店日です。(例:1月31日に行った2月3日の予約は対象外となります)
Q&Aタブは新機能におけるFAQ作成にも役に立ちました。
どんなアウトプットになるのか一覧でわかるUIタブの運用
同時多発的に企画・デザイン/開発が進むため、細かなタスクの進捗状況やアウトプットがissue(チケット)をみないと分からない状態にありました。
そこでリードデザイナー中心にUIタブを作成し
・どんなアウトプットになる予定か
・開発着手可能な状態かどうか
を明示するようにしました。
(↓こんな運用してたよ&反響のスクショ↓)
ゴールを決めないMTGの実施
多くの人が関わる大規模プロジェクトは仕組み化も重要ながら、対話機会の創出も重要です。
リモートワーク下は目的がないと対話が生まれにくいため、あえてゴールを設定しないMTG(よもやまMTG)を様々なステークホルダーと行いました。
よもやまMTGにより
・メンバーが抱える不安に気が付けた
・認識齟齬に気が付けた/すり合わせられた
・思わぬボトルネックを発見できた
など恩恵が多々ありました。
目的がないMTGが増えると生産性は下がりますが、それでもゴールを持たないMTGによる対話機会の創出は良かったです。(大規模プロジェクトの初期は特に恩恵がありました)
大規模プロジェクトで工夫した結果
・短納期かつ国を相手に要件変動が多い中、期日に間に合わせた
・対応漏れや手戻り(国による変更以外)が発生しなかった
・今回のプロジェクト進行が型化され、他プロジェクトにテンプレートとして展開された
Retty史上最大の大規模かつハードなプロジェクトでしたが、全員の尽力と上記工夫の結果、無事成功に終わりました。
最後に
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