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新型コロナウイルス対策の「原点」と「原典」

私の新型コロナウイルス関連の執筆やセミナーで、情報源として「原典」に立ち返ることを強調しております。

似た言葉で「原点」というものもあります。
どのように使い分けるのでしょうか。

「原典」について、私は、法令や官公庁のガイドラインなど、本来根拠となるべき、もとの文献・資料という意味で使っております。
辞書などでは原典は「引用や翻訳のよりどころとなる元の資料」とされています。その意味です。
一方で、「原点」という言葉は測定の基準、さらに、物事を考えるときの「出発点」という意味であり、いわば、議論の出発点となる基本的な価値基準や姿勢などを指すものと理解しております。

次のようなことになろうかと思います。
「人の命や健康を守ること。それが新型コロナ対策の原点である。」
「実際の取組みに当たっては、法令や官公庁のガイドラインなど原典に当たって、対応を考えるべきである。」

新型コロナに限らず、インターネットの情報をはじめとして、様々な議論・記事などが、ともすると元の法令やガイドラインを執筆者・講演者が解釈し直した内容で語られることがよく見受けられます。
そのため、元の法令やガイドラインと異なった意味内容で、すなわち原典から外れた内容で伝えられわることがしばしば見受けられるようです。
私は執筆でもセミナーでも、元になる法令やガイドラインを明示し、そこにリンクを貼るなどして、読者・視聴者が容易に原典を確認できるように配慮しております。
弁護士であれ社会保険労務士であれ、専門の士業者なら、法令や官公庁のガイドラインをしっかり読み込んだ上で、自分の議論を展開されるべきものです。

私は、69歳の年金生活者で、形ばかり社会保険労務士を開業しているものです。
前職の三井住友信託銀行で長く法務コンプライアンスを担当していたとはいえ、人事労務関係の学びを始めたのは実質的には65歳定年退職後です。

幸いにして、様々な執筆やセミナーの依頼をいただく機会が与えられています。
今回のコロナ騒動に関しては、3月頃からこれは大変なことになると思って、情報を集めてきました。
私に執筆依頼をいただくクライアントに、新型コロナ関連の記事を書かせて欲しい、とお願いしました。原稿料はいらないから書かせて欲しい、とまで依頼しました。
それぞれのクライアントが提案を快く承諾いただき、原稿執筆の機会をいただきました。
原稿料はちゃんといただきました。

プロフェッショナルであるはずの弁護士の論説などで新型コロナウイルス関連やテレワークなどで基本的な間違いをしているものが散見されます(この点の詳細は別記事でお知らせします。私のセミナーをお聞きになった方はご存知かと思います)。
私程度のものに容易に間違いが発見できるというのは、いかなる事でしょうか。
企業法務の専門弁護士が、人事労務関係について基礎的体系的な学び・すなわち原典に立ち返ることを怠っておられるのではないか、とさえ懸念しております。
その間違いが起こるのは、人の命や健康の大切さ、ワークライフバランスの重要性、といった原点に立脚していないことも原因と思われます。

気が付く都度に、僭越ながら、弁護士の先生に注意喚起を続けております。
そのような活動も、この者の一つの使命と考えております。

銅鑼猫

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