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完成しそうでしないハノイ都市鉄道2A号線

 ハノイをはじめて訪れるひとがまず驚くのは道ゆくオートバイの数の多さだろう。ラッシュ時ともなれば、道路全体がオートバイに埋め尽くされ、身動きがとれなくなることさえある。このままでは都市交通のマヒは必至、ゆえに都市交通、なかでも鉄道の敷設が急務となっている。

 2011年にハノイ都市鉄道計画が策定された。計画によれば鉄道8路線、全長318kmの鉄道が新たに敷設されることになっている。なかでも2A号線と3号線はすでに着工し工事が進んでいる。2A号線は中国の、3号線はフランスのそれぞれ政府開発援助(ODA)と技術によって建設中である。

 2A号線は全長12.5km、すべて高架式で地下部分はない。2012年に着工し、2015年には完成予定であったが、資金不足や事故によって建設が中断するなど技術的な問題もかかえて未だに完成していない。

 昨年5月には車両のお披露目会も行われた。この3月の報道では工事の95%が完了し、2018年第4四半期に開業予定とのことだ。なんども延期が伝えられてきたため、この報道に対しても懐疑的な声もきかれる。

 ベトナム、特に北部の人は「中国は嫌いだ」と公言してはばからない。彼らは中国のODAで作られる鉄道を面白く思っていない。事故や工事の遅延があれば、中国の資金と技術で鉄道を敷設しようとするからだなどと政府を揶揄する。

 しかしどこの国のODAだろうと、ハノイの交通渋滞にうんざりしている身としては1日も早く鉄道が開通することを望んでいる。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2018年5月号掲載


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