ベトナムの楽曲がTiktokでバイラルヒット/Pháo - 2 Phút Hơn
ベトナム人の若いアーティストの歌が今、人気携帯アプリ・TikTokを通じて世界的なヒットを遂げていることをご存知だろうか?まずは手元にスマートフォンがあるなら、次のYouTube動画をご覧いただこう。
この動画はこの4月末現在で 1.4億回も再生されている。何もしらない人間の目からみたら、アニメのキャラクターが踊っているだけの動画に見えるだろう。音楽の方はリズムと若い女の子の透明な声がきこえてくる。ちょっと聞いただけではベトナム語とわからない。「モット・ハイ・バー・ボン」と聞こえてきて、ああ、ベトナム語だな、とわかる。
この動画が生まれた経緯はわからない。動画のキャラクターは日本のアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」のゼロツーという人物と中国のゲームキャラクターなどをファンが二次制作で描いたものが使用されている。そこにベトナムの音楽、2 Phút Hơnが組み合わされている。この動画がTikTokに投稿されたちまちにバイラルヒットした。それがこの一年ぐらいにおきた。
この音楽はMasewという、まだ若干24歳の作曲家・プロデューサーが曲を作成、歌をうたうのはPháoというハノイ文化芸術専門学校に通う17歳の学生だ。
Masewはまだ高校生の頃に音楽の道を選び、学業をやめアルバイトをしながら、音楽の創作にはげんだ。彼が目指したのはアンダーグラウンドと呼ばれるラップ音楽の世界だった。彼は3年前、Túy Âmという曲をYouTube上で発表した。たった20日間で再生回数は3000万回を突破、ベトナムの音楽界で注目される。ベトナムの有名歌手であるSơn Tùng M-TPらに楽曲を提供し、いずれも大ヒットをとげている。
歌手のPháoはベトナムの音楽コンテスト・テレビ番組に出演し、注目され、昨年2 Phút HơnをYouTube上に発表、こちらも短期間で再生回数500万回に達して注目されていた。
それがTikTok上でのバイラルヒットで世界的に注目されるようになった。若いベトナムの才能が世界的に活躍する日を予見する出来事だ。
日本ベトナム友好協会「日本とベトナム」2020年5月号掲載
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