見出し画像

タイトルに悩む…告白か、お疲れ様か。

あまり日記は得意ではないのだが、noteに書くのは3日で終わらなかった。
日記ではあるのだが、起きたことをすぐに書けるわけではない。事実を書くだけの時間や体力、あるいは心のパワーみたいなものが必要になる。特に大きな出来事は。

先生、話したいことがあるんですが。
と、やっと話しかけることができた。勤務時間をとうに過ぎた職場。もちろん我々しかいない。

先生が既婚者であることを知ってから、約3週間。自分の心を見つめ直す時間と、感情と理性の間を行ったり来たりする自分を許すための時間、そして冷静に先生と同僚として話ができるかを試す時間が必要だった。そして、1年に一度の、私にとって少しストレスのかかる仕事を終えた日に、話せる機会ができた。

同じ職場にいながら、こんなにも個人情報を出さない人もめずらしい。そして、私の家族関係はうまく聞きだし「離婚してくれればいいのに」と、繰り返し私に告げてきた先生。言霊ってあるかもしれません、だからあんまり不穏な言葉は出さないでください、と笑っていた頃が懐かしい。
1年以上前、先生とのLINE、見られちゃいました、と話した時、「責任とりますよ」と回答した先生。
2人になるタイミングを見計らって「離婚した方がいいですよ」「いつまで結婚指輪してるんですか」「経済的に支援しますよ」と話しかけてきた先生。
この春昇進が決まり、明日からいよいよ、という日に「異性として尊敬しています」と、割と真剣そうに伝えてきてくれた先生。

だからこそ。私は狼狽えた。
どういう経歴であれ、現在未婚の身であるのなら、その言動に信憑性もあるが、既婚者だったとは。
騙されていた。いや、嘘はついていない。自分の婚姻関係については、一切口にしたことがない。むしろ、話題に出させない雰囲気を出していたことも事実だ(少なくとも、私の周りの女性職員は、詳しいことを誰一人知らない)。
敵ながら天晴れ。いや、敵ではないが。
しかしながら、味方なのか、と問われると、素直に頷ける状態ではない。

先生に「話したいことがある」と呼びかけたものの、続く言葉がなかった。なんと言えばいいのか、と言い淀んでいるうちに、先生の方から
「離婚した?」いいえ、
「管理職試験を受ける?」いやいや、そんなことでは、
「大学で研修受ける?」とんでもない、
「復縁した?」あり得ません、

違います、先生のことです。
先生について、わかってしまったんです。
お相手の方のこととか。

もうそこからは、自分でも何をどう言えばいいのか、よくわからなくなっていた。私自身はとてもおしゃべりではあるのだが、本当に伝えたいことを相手に伝えることがことが苦手である。
事実を知った時はそれなりのダメージを受けたこと、いろいろ考えたが先生の婚姻関係がどうあれ、先生のことは尊敬しているし、好意を持っていること、ただ知ってしまったことで安易に連絡を取り合うことは難しくなってしまったこと。
このようなことを伝えたかったのだが、本当に口頭での伝達は不得手である。シミュレーションしていたことなど、完全に活かされなかった。

結局そのあと、促されるままにハグ状態となった。あくまでもネットで検索した情報だが、これは不貞行為には当たらない。この状態になると、向こうも私も同僚としてのトーク内容から完全に外れるわけで、こうしないと話せないことが情けないのだが、便利なものだ、とも思う。
先生が結婚していることを知ることになった経緯、知ってからの心情の変化を、できる限り詳細に伝えた。子どもがいるかどうかを訊ねたのも、このあたりだ。
そして、先生は、今一人暮らしをしている、ショッピングモールに程近い便利な場所から、勤務先のある市内の中心地に引越してくることを教えてくれた。なんとなく聞いていたが、実行されるまで、本気かどうか定かではなかったが、どうも本当らしい。その引越ししてきた先は、私の住む家から車で五分ほどの場所になる。

土日に連絡をとるのは、控えます、と伝えたら、
その必要はありませんよ、と返答があった。
しかし、私と今後どうしたいのか、自分の婚姻関係についてどうしたいのか、具体的な言葉はなかった。
ある意味、いつも通り、責任感が強いから、確定できない未来のことを語らないのか。それとも無責任だから、はっきりした言葉で語らないのか。

今はどちらでもいい。とりあえずしばらくは、お互い同じ職場で顔を合わせるのだから。
ひとまず、大きな仕事を終えた。今日の私からの話をうけてどうなっていくか、次は先生のターンだ。

業務でも「お疲れ様」と一年で一番声をかけられた日だ。本当にお疲れ様。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?