地雷女子は本当に軽蔑すべき存在か否か
はじめに
いきなり宣伝ツイートの紹介で何だが、今日ツイッターを見たら「明日、私は誰かのカノジョ」という漫画の宣伝ツイートがあり、このツイートを見た人が地雷女子をバカにしていた。
確かにこのコマだけ見たらこの地雷女子が危険人物のように思えてくる。しかし、この地雷女子が自業自得的なことをしたが故に危険人物になったのであろうか、すごく疑問に思っていた。この地雷女子がなぜ地雷になったのかを知るため、原作本を読んでその感想を書くこととした。
「明日、私は誰かのカノジョ」解説(第74話までのネタバレあり)
でもってこの地雷女子であるゆあ、刊行済みの原作本には登場しない。このゆあが出る第5章は現在判明している限りだとサイコミというアプリ上で読むことができる。(とはいえ第4章までの内容も面白いのでいずれ読みたい。)第5章を読むのにアプリの課金は必要だが800円以内で収まった。
さて本編感想だが、第5章はこのゆあと冴えない20歳女子の萌の間で話が展開する。ゆあはゴスロリ服ツインテといういで立ちだが腕には無数のリスカ跡があった。萌は自分のいで立ちに自信のない女子だった。
ホストクラブ通いをしていたゆあは萌を自分の行きつけのホストクラブに誘う。萌はテンションのまるで違うホストについていけない中、ただ一人楓という紳士的なホストのことが気になり始める。一方、ゆあは推しのホストであるハルヒを指名して楽しんでいるように見えたが、他の客に取られやしないかと心配になるがハルヒはゆあをなだめる。そしてハルヒは店が終わったらゆあの家へ行く約束をした上で、ゆあに萌を送るように促す。
ゆあはハルヒを自宅で待ち、SNSで連絡するが一向に返事が来ない。やっときた返事が「ごめん店で潰れてた」というものである。(ツイートの画像はこの部分をさす。)そしてゆあは店で潰れていたことが嘘だと思いキレる。
またゆあはホストクラブで使った未収(未払い金)を返すためにガールズバーの仕事を嫌々ながら続けている。そして未収を返しにホストクラブへ来たゆあはハルヒと会い、約束を破ったことについて激怒する。「ハルヒの幸せは私の不幸の上に成り立っている」と。
しかしハルヒはけんかの原因がゆあが萌を送っていったことだと言い切り、多くの客と切れたり売り上げが落ちたりしたのはゆあのせいだという名目で、またゆあに大量のお金を貢がせた。
一方萌のほうは美人の知人と会ったことでコンプレックスが増大して心の隙間ができたところに楓が現れ、またホストクラブへ足を運ばせるため楓が萌に借りを作っていた。
萌とゆあは再会し、ゆあは地方へ行くことを宣言する。その地方行きとは出稼ぎと称する、得体のしれない商売だった・・・
というところで来週号へ続くわけだが、ここでゆあが地雷女子になってしまった理由を整理する。
ゆあがハルヒにハマった理由はおそらく萌が楓にハマる理由とほぼ同じで、たぶん最初は友人に無理やり連れて行かされたりしたが心の隙間ができてそこにスルっとハルヒが入ってきて、借りを作ってホストクラブへ足を運ばせていたであろうと想像がつく。
それからハルヒは
・他の客に接したり約束を破ったりして嫉妬心を煽る
・自分の落ち度を全てをゆあに転嫁する(そもそもけんかの理由が萌を送ったこととあるが、萌を送らせたのはハルヒである。)
・ゆあに自責の念を負わせてその分だけ貢がせる
というわけで、金銭的にも精神的にもゆあを自分に依存させるような行為を仕向けている。なのでゆあは無理やりハルヒを無理やり好きになることで自分を納得させてはいるものの、ストレスが爆発しそうになりリスカなどして爆発を抑えているのであろうと推測できる。
したがって、
誰だって心の隙間があればゆあみたいに地雷女子または地雷男子化する
恐れがあるし、むしろ
地雷女子よりタチ悪いのはハルヒみたいに依存心を煽るほう
であると考える。またハルヒ自身も鴨にネギ背負ってるような地雷女子に依存しないと生きていけない時点で依存症になってる気はあるとも考える。
誰にでもなりうる地雷女子 or 地雷男子
・・・と、感想を書いてきたわけであるが、
「ホストクラブやキャバクラに無縁な私らは無縁な話」
と言ってるが、ホストクラブやキャバクラ以外でも依存症になりうることはありうる。
カルト団体なんかは典型例であり、信者候補の心の隙間に入っては甘い言葉で誘惑し、入信したら自己肯定感を麻痺させてはその人の責任としてお布施を出させたり信者を勧誘したりして、信者を依存症に仕向けている。
また具体的な金銭問題こそないものの、特定の政治思想なんかも依存症を招いている気がする。ゆあが「ハルヒの幸せは自分の不幸のもとに成り立っている」と話したように、
「経済の繁栄は自分の不幸のもとに成り立っている」
「トランプ政権の発展は自分の不幸のもとに成り立っている」
「習近平政権の発展は自分の不幸のもとに成り立っている」
と言わんばかりの依存症が蔓延している感がある。政治思想や宗教は自分が思想的に迷わないようにするための指針として必要な部分はあるが、依存しすぎて自分の幸せを見失ってしまったらそれこそ本末転倒である。
終わりに
以上、勢いで地雷女子について語ってきたわけであるが、誰しも地雷女子や地雷男子になる可能性があるということで地雷女子や地雷男子を誰も嘲笑うことはできない。それどころか自分の信じる対象について自分なりに咀嚼しておかないと、対象に依存しすぎて取り返しのつかないことになると考える。
余談だが、この漫画のおかげで地雷系女子メイクや量産型女子ファッションみたいに私には無縁な用語がたくさん入ってきて非常に勉強になる。生々しい話が沢山あるので女性不信にならない範囲でしっかり楽しみながら勉強したいと思う。
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