山にトイレを作っている話

山にトイレを作っている。

なぜ山にトイレを作るのか。
基本的人権って知ってますか?私はここに「排泄する権利」を足したいと思う。

とある山中に土地を持っている。
コロナ禍中に20万で買いました(MacBook Airより安い!)。

買う前の土地。真ん中の岩は一段上の石垣を作った余りらしい(後日どけてもらった)。

自宅から車で2時間程度で行けて、山を降りればすぐ国道でスーパーもコンビニもあって駅(ローカル線だけど)も近い、結構便利な土地である。

隠居する(某社の株が$1000ぐらいになったらする予定)か老後はここで暮らして、地図片手に「ホントにこんなとこに住んでるのかよ」とか言いつつ孫が来たら猟銃の手入れをしながら振り返らずに「よう…来たなぁ……」って言ったりしたいのだ。

しかし大半が斜面で、平らな部分は3m強×6m弱しかない。
使える空間を増やすため、私はまず斜面の部分にウッドデッキを作ろうと思い立った。

平らな部分は芝生みたいにしよう、と思って植えたクラピアというグランドカバー植物。
頑張って耕して植えたけど数年後すべて雑草に駆逐された。俺はいったい何を…。

が、そこからが長いのである。
沓石に束柱を建て(3m×3mのデッキで1m間隔で建てているので4×4=16本、ちなみに1m間隔にしたのはあとで後悔することになる)、水平を取りながら根太材を取り付けて(サンドイッチ工法)、基礎ができたらデッキ材を張る。
3年半経ってまだ完成していない。

そしてこの土地、更地を買ったんでもちろんトイレなんかない。
電柱はあるけど電気は引いてないし、水道も下水道もない(周りで別荘を建てているところは浄化槽を設置している)。
また、水道の代わりにエリア内に共用の浅井戸が作られていて、そこからポンプで汲み出して水を各別荘に供給するようになっており、その井戸がこの土地より下に位置するため、土地の区画内でも排泄物を投棄しないようにという話になっている。

そのため、トイレに行きたくなったら山を降りるしかないので、続けて作業できるのが数時間程度なのだ(週末に子ども連れで行ったりするとトイレ中断の確率も上がる)。
災害時用のトイレを使って数日過ごしたこともあるが、溜まったものを処分するのに結局困ってしまう。

そこで去年気がついた。
「先にトイレ作った方がいいな」と。

それからは早くて、3回行ったぐらいで1.8m×1.8mの基礎を建てられた。
デッキよりは一回り小さくて柱の本数も少ないし、慣れたもので水平も完璧である。

屋外・木材用の防腐剤を塗っている。
床板を張る。
2x4工法では本来構造用合板に枠をつけてから貼り合わせるのだが、枠から先に
作ったら現代アートみたいになった。
板を張った。屋根の構造はむずかしそうなのでとりあえずポリカ波板で済ます。

ここまで一年弱かけてなんとなく小屋っぽいものができたので、最後にドアをつけようと思ったのだが、もうドアの構造を作るのがめんどくさくなってホームセンターでドアを買ってきた。

買ってきたドア。ドアって買えるんだなぁ。
知人に「すずめの戸締りみたい」と言われた。
とりあえず知人おすすめのラップポンを置いた。

見てほしい。完全にトイレである。
扉が閉まることによって密室となる安心感がすごい。
マイクラで言えば最初の拠点ができた並の安心感である。
部屋とは扉がつくことによって初めて部屋となるのだと実感した。

今のところは災害時用のトイレを置いているので、ブツはなんとか処分しないといけないのだが、ゆくゆくは↓のようなコンポストトイレ(ブツを発酵させて肥料化する)を置いて、その肥料で野菜を育てて自給自足するなどしていきたい。

SDGs万歳!


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