幼児の情緒と木の玩具2

小児の発達概要
Holtがまとめた0才児から5才児までの小児の発達概要について彼の著作で述べているが、これらの発達概要は小児の外面的に現われた行動に基づいて整理されたもので情緒などの高次の神経機能の発達概要については明確にされていない。
「情緒」を西欧の近代科学によって分析的に定義付けすると、一見論理的ではあるが、画一的皮相的で、レトリックにごまかされているように思えるし、東洋の仏教の表現を用いて定義付けすると岡潔の言葉を引用すれば以下のようになり、なんとはなく納得出来るが、科学的思考に慣らされてしまった者にとってはもうすこし分析的に厳密な表現が出来ないものだろうかという思いが残る。 ”情緒とは「他のかなしみを自分のかなしみとするというわかり方」という表現でなされる。 このわかり方を道元禅師は「体取」と言っている。 
すなわち、理解は自他対立的にわかるのであるが、体取は自分がそのものになることによって、そのものがわかることであるとしている。” 
Bridgesは情緒が年令の増加に伴って形態的に変化していくことを観察し、分化がみられることを明らかにしている。 それによると、情緒の分化の特徴は乳幼児期に著しく、5才頃には、大人のような情緒の形態がひととおり出来上がり、また、分化の過程においては、不快の系統の情緒のほうが快の系統の情緒に比べて早く分化する傾向にあるとしている。 
はじめにも述べたように、小児にとっては5才児までの環境とそれを構成するものとの関わりが情緒の発達に大きな影響力を持つことは明らかであろう。


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