5月に読んだ本
1. 問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション
Spotifyで「CULTIBASE Radio」を聴くのが好きなわたしが、ずっと気になっていた1冊。
304ページと充実した内容でありながら、図解が入っていたり具体と抽象を往復して書かれていたりするので、読みやすかったです。
読む前と後での変化は、質問の語彙が増えたことと、目標の捉え方が変わったこと。
仕事でユーザーインタビューする機会があって、その質問を考えるのに役立ち。「プロセス目標」「成果目標」「ビジョン」と、目標を3つに分けて捉える考え方が印象に残っています。
2. 顧客をつかんで離さないD2Cの教科書
D2Cブランドのロングインタビュー…2/3
D2Cについての解説…1/3
という構成です。
ロングインタビューでポイントだなと思ったところをNotionにまとめました↓
「読書メモ-「顧客をつかんで離さないD2Cの教科書」」
「D2C(の本質)って何なんだろう」と思っている人におすすめな本です。
3. うしろめたさの人類学
memo
愛情は「こころ」のなかで育まれるのではなく、モノや言葉のやりとりという行為の「輪」のなかで現実化する。
社会の現実は、ぼくらが日々、いろんな人と関わり合うなかでつくりだしている。
日本は、感情をコントロールしている社会なのかもしれない。交換/贈与のモードを選択しながら、そこにふさわしい感情を表出し、受け止めている。
人との言葉やモノのやりとりを変えれば、感情の感じ方も、人との関係も変わる。ぼくらが何者であるかは他者との関係のなかで決まる。
それぞれの持ち場で、いろんな越境のずらし方、スキマのつくり方があるはずだ。
彩華さんのツイートで見かけて、数年ぶりに読みました。
読んでいる途中に読むのをやめる本、最後まで読み切る本、2回読んでもおもしろい本。
本って大きく分けるとこの3種類があると思っていて、「うしろめたさの人類学」は「2回読んでもおもしろい本」でした。
「読みやすい」+「自分の興味ある話(感情、関係)」+「メモをしたくなる気づきがある」のが面白さにつながっている気がします。
4. ミライの武器 「夢中になれる」を見つける授業
memo
「なりたい」ではなく「したい」を見つける。
自分自身の意見と価値観を大切にして生きていくだけで、人生は十分すぎる。
わたしの毎日は、いまのわたしにしかできないことだらけだ。
もういいかと思っても、もう一歩こだわる。「こだわり」は自分との戦いだ。
迷いながらも、手を動かし続けるやつは格好いい。
読もうと思ったきっかけ↓
著者の吉藤オリィさんは、Dr.Stoneの千空みたいだなと思った。
作りたいものがあって、完成までのロードマップを描いて、うまくいくまで何度も試行錯誤する。
「小さな挑戦(失敗)を積み重ねる」のって大事だよなあ、と改めて思いました。
5. 確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力
数学や統計学ごりごりの難しい本かと思っていたんだけど、全然そんなことなかったです。
「売上を上げることにつながるプレファレンス(ブランドに対する相対的な好意度)をどうやって高めるか?」を中心に、マーケティングや戦略について書かれています。
memo
マーケティングの使命…中長期的に売上と利益をあげるブランドを構築すること
マーケティング組織が共有すべき最重要な原則は「消費者視点である」こと
戦略家は、「自分自身の時間をどこに集中して使えば成果が最大化するか」、「自分以外の人々をどこにどう集中させて使えば成果が最大化するか」、この2つを冷静に考える
マーケティングに携わる者として、もっと早く読んでおけば良かったなと思いました。
6. 三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾
文章術の本だから、もちろんhowtoが書いてある。だけど、そういうすぐに活かせるtipsよりも、そのノウハウを解説する文章がおもしろかったです。
まず、語彙が豊富。
垂涎、畢竟、知悉、要諦、啖呵、森閑、一瀉千里。
この本ではじめて出会う単語がたくさんあって、「日本語ってこんな言葉あるんだ…」と思いました。
次に、レトリックやメタファーが活きている。
じぶんなんていうものは、他者の思考の集積なのだ。他者に耕された土地なのだ。
短文と長文とさを出し入れする。効果的にリズムチェンジする。ここぞというときに変拍子を入れてみる。
世界に氾濫する「としたもんだ表現」の洪水に、抗うために書く。
見ている景色を読者と共有するために、聴こえる音や漂う匂い、肌で感じる感覚を、著者がなんとかして言葉にしている感じがしました。
7. やわらかい頭の作り方 ──身の回りの見えない構造を解明する
「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問
メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問
※どちらも細谷功(著)
と合わせて読みました。
読書の目的っていろいろあると思う。
・いまの自分の課題を解決するヒントを探すため
・知らない世界や、価値観に触れるため
・物語(ナラティブ)を楽しむため
・知識や考え方をアップデートするため
・本を通して自分と対話するため
で、この5この分類だと、細谷功さんの本は
・知識や考え方をアップデートするため
・本を通して自分と対話するため
が当てはまりそうです。
書いてあることを雑にまとめるとこんな感じ↓
「一般的にはこういう風に捉えられているけど、こういう見方考え方もできるよね」「こういう構造のことって、他にもあるんじゃないかな」「人って、物事をこういう風に考えがちだよね」
具体的な文章で、一番印象に残っているのはこちら↓
自分のことは一般化して考え、他人のことは個別かつ具体的な詳細まで考慮する
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