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マーケティング戦略|デ・マーケティングについて

Webマーケティングについては「TANOSHIKA HP作成」サイトにも詳しく掲載しています。
今回の記事では、マーケティング戦略|デ・マーケティングについて書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。

過飽和需要を減退へ

需要が組織の供給力を超えることがあります。これが過飽和需要です。これに対処するために、組織が価格を上げたり、広告を止めたりして、供給したい水準まで需要量を減少させるのがデ・マーケティングです。

デ・マーケティング

★米国のマーケティング学者フィリップ・コトラーによれば、デ・マーケティングは、①一般的デ・マーケティング、②選択的デ・マーケティング、③表面的デ・マーケティング、の3つに分けることができます。
①一般的デ・マーケティング たとえば過剰人気の美術館が美術品の破損を避けるため入場数を制限するというように、組織が自己の製品の全体的な需要を減少させたい時に実行されるマーケティングです。わが国でも。京都の古寺で拝観者を制限するために、あえて高い拝観料を設定したところがあります。
②選択的デ・マーケティング たとえばディスコで男性の入場料を高めたり、複数の男性だけで来店する場合には入場を断るというように、ある特定の客層の需要を減少させるマーケティングです。
③表面的デ・マーケティング わざと生産量を制限したり、販路を閉じて入手しにくくして、欲望を煽り、需要の増加を狙うマーケティングです。これは上の2つと異なり、需要の減少が目的なのではなく、故意に製品の希少性を高めることによって製品の価値を高め、最終的に高いイメージで製品の販売を行おうとするマーケティング戦術です。

最近の事例

たばこ

ご存知のようにたばこはアメリカなど海外ではテレビコマーシャルに厳しい規制があります。
アメリカでは反たばこの機運が強く、コマーシャルだけでなくドラマや映画にも喫煙シーンはほとんど見られません。
宣伝方法を巡って法廷闘争になるのがアメリカです。
企業だけでなく政府主導でデ・マーケティングを行うほどなのです。
喫煙は健康を害するため禁煙キャンペーンが行われますが、これはまさにデ・マーケティングといえます。

テーマパーク

テーマパークは人気のアトラクションを楽しみに多くの人が長蛇の列を作ります。
大手テーマパークでは人気があるアトラクションは1 時間待ちも珍しくありません。
利益を追求するならどんどん観客を入場させればいいのですが、長時間並ばされる客はストレスでいっぱいです。
そのまま放置していれば客足も徐々に減少して行くでしょう。
デ・マーケティングの考え方ではこういう場合は、観客がアトラクションを楽しめるため入場制限を施し適正な環境を演出します。
適正な入場者数で運営すれば顧客満足度も上がるというわけです。

高級レストラン

高級レストランでは静かな落ち着いた雰囲気で料理が堪能できます。
こうした店舗では小さなお子さんの来店お断りというところもあります。
ファミリー層が来店すれば収益は伸びるのですが、お店の雰囲気は変ってしまうでしょう。
常連客は次第に遠のいて行く事態に陥るかもしれません。
高級が故に来店して食事をゆっくり楽しみたい常連にターゲットを絞る戦略はまさにデ・マーケティングといえるでしょう。


最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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