見出し画像

一丈の堀を越えんと思わん人は、一丈五尺を越えんと思うべきなり

浄土宗開祖 法然

●法然は比叡山に入って、皇円・叡空に天台宗を学んだが四十三歳の時、専修念仏に帰し、迫害と戦って浄土宗の法門を開いて、東山吉水に草庵を結んだ。

●言葉の意味はいわゆる「目標を高くもて」ということ。学問であろうが、芸術であろうが、スポーツであろうが、目標を高いところにおかなければ、なかなかそこまでは到達し得ないものだ、ということである。

●伊藤萬社長の河村良彦が住友銀行の銀座支店長時代の話である。彼は銀座支店の預金の伸びがその恵まれた地盤ほど伸びないのを不思議に思っていた。

●支店長に就任してみて、彼は毎年の目標設定にその原因があるのではないかと考えた。かりに今年二十億の預金を達成したとすれば、来年はその二十パーセント増しの二十四億円という形で、目標を設定してきたのが従来の支店長のやり方だった。

●支店長はその目標を個々の行員に下していく。行員は与えられた自分のノルマをこなしていく。

●ところが河村は支店長に就任すると、その目標を一挙に五倍増しの百億円に引き上げた。行員の間から不平と不満が出たことはいうまでもない。
「いままでのノルマさえ精一杯なのに一挙に五倍も預金が増やせるわけはない」

●しかし河村はいった。
「できるかできないか、やってみようじゃないか」

●そうやって支店長はいくら、次長はいくらといった具合に目標割当てをして、預金獲得を行った。すると目標の百億円をはるかにオーバーした預金額が集まったのである。もちろん銀座支店は住友銀行の中でも、トップクラスの支店になった。

●要するに目標が小さければ考え方も小さくなるし、目標が大きくなれば考え方も大きくなり、新しい発想も生まれてくることになる。それだけに目標はできるだけ大きくしたほうがいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?