「リアル麻雀」と「ネット麻雀」の明確な違い

「リアル麻雀」と「ネット麻雀」の違いは何か?
 
現実と仮想という違いは置いておくとして、よく言われるのが「ネット麻雀はラス回避ゲー。トップ取りが重要なリアル麻雀では通用しない。」というもの。
 
「お前がネット麻雀の何を知ってるって言うんだ?ちゃんと極めた上で発言してるのか?この俺がラス回避麻雀の真髄を教えてやらあ!」
 
という思いも置いておくとして。
 
「リアル麻雀」と「ネット麻雀」の明確な違いが他にもう一つある。
 
それは「時間」だ。
 
リアル麻雀は時間という点で不公平だと思う。誰よりも早く牌を切れたところで何ら意味を成さない。時間無制限なので、どんなに打牌選択が遅くてもルール上問題ないからだ。フリーではできるだけ早く打つという暗黙の了解の下でゲームが行われているが、局面局面で長考することは許されるので、素早く打牌選択ができる者とできない者で差が出ないようになっている。
 
対してネット麻雀は時間という点において公平である。全員に等しく持ち時間が与えられ、難しい形になっても「ちょっと待った」は通用しない。時間が切れたら、自分の意図しない牌を強制的に捨てられてしまう。だからどんな場面であっても素早く正確な打牌選択ができるかどうかで他者と差が出てくる。
 
「時間を制する者は天鳳を制す」とさえ私は思っているのだが、SNSではごく一部でたまに話題になっているのしか見かけず、驚くほど軽視されてるように感じている。よく重要と言われる手組や牌効率、押し引き判断は時間があって初めてできるものだし、持ち時間が丸々残っているのと、残り5秒でカチカチ音がなっている状況とでは打牌精度にかなり差が出ることは経験のある人ならわかるはずだ。
 
「時間」を別の言葉に言い換えるなら「1秒あたりの処理速度」と言ったところだろうか。数値化することはできない指標なのだが、ネット麻雀では実力差の出る極めて大事な要素だと思っている。
 
何人か例を挙げてみよう。ご存知、Mリーガー渡辺太プロこと「太くないお」さんだ。


画像は少し前のものになるが、記憶にある人もいると思う。同氏は画像の状況もさることながら、「鳳凰卓東風戦」という持ち時間が非常に少ないフィールドでさえ「読み」を使いこなしてくる化物プレイヤーだ。同じ芸当ができる人はプロの中でも数えるほどしかいないのではないだろうか。
 


過去にこんなツイートをしたことがある。昨今AIでの学習が流行っているが、皆と同じことをやっていても集団から抜け出すことはできない。勝ち組になるためには他のプレイヤーにはない自分だけの「優位性(強み)」を持っておく必要がある。
 
太くないおさんの場合「わずか数秒で読みを実戦レベルに落とし込めるだけの高度な処理能力」が優位性の一つにあたると思う。ただリアル麻雀では時間制限がないので、太くないおさんなら5秒で解けるような問題でも、他の対戦者には数十秒あるいは数分時間を使われ、同じ答えを出されて終わるだけだろう。つまり優位性を一つ潰された状態で戦うことになる。だから、同じネトマ民として太くないおさんの活躍を願っているが、活躍できなかったとしても「まあ、そりゃ仕方ないよね。」くらいで自分は済ますと思う。
 
また、これはアサピンさんにも同じことが言える。「アサピンはMリーグでは通用しなかった」という言葉を見かけたことがある。100戦程度の短期スパンで判断しないでほしいというのもあるが、Mリーグのルールはアサピンさんに合っていなかったと思う。アサピンさんの反応速度はおそらく人間最強レベルだが、時間無制限のルールではその強みを活かすことはできない。もしMリーグがネット麻雀のように「5+〇秒」という時間制限ありのルールであったならば、結果はまた違っていたんじゃないかと思う。(それでも100戦だとどうなるかわからないが)
 
なんだかだいぶネトマ寄りの発言になってしまっている気がするが、リアマを貶めるつもりはない。リアマにはリアマの、ネトマにはネトマのそれぞれの良さがあり、どっちがいいかなど比較はできない。そもそもプロの世界を知らない人間があれこれ言うべきではないだろう。
 
今回私が1番言いたいことはここからで、「時間」というものは貴重であり、ネット麻雀における「与えられたわずかな時間をどのように使うのか」ということである。手組や押し引き、副露判断など麻雀中にやらなければいけないことは多岐に渡る。全てのことを苦も無くこなせる人もいるのかもしれないが、凡人の私にはあの制限時間の中で全てのことをやるなど到底できない。
 
ただ、できないからといって悲観する必要は全くなく、できないならできないなりの戦い方をすればいいだけの話であり、それならば必要と思うものだけを残し、そうでないものは捨てればいい。
 
「何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない。」私が大事にしている言葉だ。
 
先ほど優位性の話をしたが、自分の優位性を一つ挙げるとすれば「時間の使い方」にあると思う。「重要なもの(優先すべきもの)とそうでないもの」を上手く取捨選択し、最大効率化できている自信がある。
 
具体的な話は次回以降の記事でするつもりだ。これまで他者にあまり語ってこなかった戦術的な内容になるので有料にはなるが、興味のある方はぜひ買ってやってください。
 
では、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?