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青森からフェリーで函館行って戸井線跡を辿って夜景を見た旅ログ

渡るぜ、津軽海峡


というわけで、まずは津軽海峡フェリーで函館へ向かいます。

乗船口付近に撮影スポットがあります

徒歩での乗船だと最安で大人1人3000円程度とリーズナブルなのですが、北海道新幹線を利用するのに比べていくつかデメリットもあります。

・所要時間が4時間程かかる。※新幹線は1時間程
・フェリー埠頭が青森側も函館側も鉄道駅から離れている。
  ※連絡バスはあるが本数は多くなく、乗船できる便が限られる場合も。
・出港1時間前には受付を済ませる必要がある。
  ※30分前には受付から乗船口へ向かうシャトルバスが出発します。

…こうやって書くと、徒歩利用者は高くても新幹線を選ぶ方が賢明であるように思えますね。個人的には少しでも節約したかったためフェリーを選びましたが、利便性やタイムスケジュールをよく考えた上でご利用くださいね。基本的にマイカー利用者向けなんですよね。でも車だと急に料金が跳ね上がるので、それはそれでよくご確認ください。

■津軽海峡フェリーのHP:https://www.tsugarukaikyo.co.jp/

さらば本州。
食事スペース。飲食物は自販機で売ってます。
この日は快晴で波も穏やか。フェリー日和でした。
津軽半島
上の写真を拡大したもの。
真っ直ぐ延びる構造物は北海道新幹線の高架です。海上からでもはっきり見えるんですね。
クジラ…!?と思いきや、鯛島という下北半島の南に浮かぶ小さな無人島でした(鯛なのか…)
遊覧船で行けるそうですよ。
仏ヶ浦方面。下北半島は断崖絶壁の荒々しい地形です。津軽半島の方は人が住んでる事が確認できるのですが、こちら側は未開の地といった雰囲気があってワクワクします。
ウミネコさん
←北海道 汐首岬方面        青森 大間方面→
戸井線と大間線(ともに未成線)によって結ばれるはずだった海峡です。
本州と北海道って意外と近かったんですね。

そうこうしているうちに、函館山が見えてきました。天気に恵まれた事もあり、デッキから景色を眺めているだけでだいぶ時間を潰せました。たまには船旅も良いもんですね~。

函館山。海峡側は断崖絶壁になってるんですね。
北海道上陸!しかし全然涼しくなかった…。
恋人の聖地的なやつ
谷垣ニシパ~~!

ここから函館駅や五稜郭へ行くバスが出ています。私は今回の旅の同行者が待つ五稜郭駅へ向かうため函館バス(日吉営業所前行)に乗ったのですが、このバス五稜郭には行くんですが駅前には行かないんですよね。なので、駅から見て裏手にある市立病院前で降りて、歩道専用の跨線橋を越えて駅へ向かいました。

跨線橋を歩いていたらちょうど来ました!

辿るぜ、戸井線跡~市街地編~

さて、同行者と合流できたところでいよいよ本日のメイン、戸井線跡を辿る旅の始まりです。

☆☆☆☆

■戸井線とは
日露戦争でロシア艦隊の津軽海峡通過を阻止できず北海道が孤立混乱してしまった経緯から、津軽海峡は軍事上重要とされ、函館要塞や大湊の軍港といった軍事施設がつくられました。戸井線はそういった軍事施設の拡大に伴う物資や兵力輸送のため、戦時中の1936年に建設が開始されましたが、戦時下の資材不足により9割方完成した状態で工事が休止。そのまま終戦を迎えました。戦後になって、提案としては上がっていた青函トンネル構想が再び持ち上がり本格的な調査が入るも、地質上適切ではないという事が分かり、戸井線開業の夢は泡と消えてしまいました。
なお、下北半島側にも大間線という未成線があり、青函トンネルが当初の予定通り建設されていたら、戸井線ー大間線ルートで今よりずっと短い距離で結ばれていたことになります。
ちなみに大間線の起点は大湊線下北駅ですが、下北ー大畑(むつ市)のみが大畑線としてひとまず開業しており2001年まで存続していましたが、現在は廃線となっています。
※以上、Wikipedia参照

徒歩と車、両方の手段で巡ったのですが、まずは徒歩の部です。
歩いた軌跡を下記グーグルマップの青線で示しました。

五稜郭駅からやや北。
今は公園となっている所から分岐していました。
公園の様子
公園の先の住宅地。
右に緩くカーブする様子がかつての線路を思わせます。
カーブした先は一直線に続く一般道。この辺は知らないと廃線跡だなんて思わないですね。
あまりに普通の道路すぎて本当に戸井線跡で合ってるのか不安になってきた等と話していたら…
戸井線橋…!
橋自体は新しいものですが、名前を残してくれてるなんてありがたいですね。
進行方向右手に五稜郭タワーが見えてきます。
先のグーグルマップを見て頂くと分かるんですが、かなり五稜郭の近くを通るので、もし開業してたら五稜郭への最寄りは戸井線になってたんですよね。観光需要もあったんじゃないかと思うと惜しいです…。
普通の一般道に飽きてきた頃、ようやく遊歩道が見えてきました。
ここから戸井線は遊歩道になります。
まさか鉄道が走る予定の場所だったとは思えない、整備された遊歩道。
ネコチャン!
ちゃんと自転車と歩行者で分かれてます。
緑園通という名前に変わりました。

ところで、当初私は今年の夏に函館へ行く予定は立てていませんでした。まだ乗った事がない八戸線辺りで観光しようかとぼんやり考えていたのですが、7月下旬にある知らせを受けて急遽、旅先を函館に決めました。
その知らせというのがこちらです↓

この看板の先にある「開進橋」が経年劣化につき解体が決まり、長期通行止めに。

「開進橋」は、戸井線をオーバークロスするために作られた橋…つまり戸井線が建設中の頃から存在していた橋ということで貴重な遺構の一つなのですが、老朽化や市道拡張に伴い解体が決定しました。その工事が8月21日から始まると聞いて、せっかくなら解体前に通りたいという事で夏休みの計画を練り直してはるばる海を越えてきたというわけです。
しかし、五稜郭から5km以上歩いてきて未だその橋に出会わず、もしかして知らぬ間に通り過ぎていたか…?とだんだん不安になってきました。行けばわかるさ精神で進んできましたが、一向に見えてこないのでどんどん弱気になっていきます。
すると、行く先にトンネルらしきものが見えてきました。
ついに来たか。
意気揚々と近づいてみたところ…

普通の立体交差でした。

普通の立体交差でした(二度書く)
何だこの見た目だけの煉瓦は!騙しやがって!(勝手に騙されただけ)

と、一瞬テンション下がったんですが、トンネルを抜けたところにさっきの工事を知らせる看板があり、この先だ!と爆上がりしたわけです。

今度こそ、ついに来ました。

3連アーチの開進橋
確かにもうボロボロですね。これは解体やむなしか…。

さて、ここで痛恨ミスをするんですね。
この後いったん市電で函館駅へ戻り、車を借りて汐首岬の方へ向かう計画だったのですが、意外と時間が押してしまったのですぐ湯の川駅へ行かねばという思いと、開進橋を見られた満足感で、この先も少し続いている遊歩道部分を歩かずに一般道へ抜けてしまったんですよね。この記事を書くために地図を見直して気付きました。お前はいつもこうだ。誰もお前を愛さない。
という事で開進橋の先はストリートビューをご覧ください(便利な世の中)

では市電に乗って函館駅方面へ戻ります。

レトロで良い
レトロを期待したら一番新しいのが来ました。
シート可愛いですね

辿るぜ、戸井線跡~海岸編~

3時間程度ということで、同行者がカーシェアで借りてくれました。短時間の利用ならレンタカーよりこの方が安く済んで良いですね!
車で辿った分の軌跡はこちらです↓

一般道になった戸井線を辿っていきます。

函館空港が近いです。開業していたら空港アクセス線の役割も担っていたのでは?
海ー!開業していたら景色の良さも売りに出せたのでは?
ちなみにグーグルマップに載せたこの部分、
特に黄色部分が未舗装+草ボーボーの細道+キツい下り坂でおおよそ車の通る道じゃなかったので、B地点で引き返す事を強くおすすめします。
Bから先の左折した道は廃線跡でもないですしね…。
汐泊川の橋脚跡。廃線探索らしくなってきましたね。
一旦R278を進み、ファミマの先のV字で再び山側に入ります。
やっぱ景色が良……いやウミネコ多いな!?!?
ビューポイント。
開業していたら車窓からの景色こんなだったんですね…

道なりに進むと再びR278へ合流。
この先はR278から遺構を見上げる形になります。

住宅の裏手に壁のようになっているのがそうですかね。
汐首岬灯台と、その手前にある橋脚跡。
朝フェリーから見た時も近いと思いましたが、17.5kmしかないとは…!

さて、今回一番の見どころです。

汐首橋梁跡
でかい。迫力あります。
この橋の上を走るんですから相当景色良いでしょうし、下からのアングルで大迫力の橋梁を入れて撮影、もしくは汐首山から望遠で海を入れて撮るなんて事もできたんでしょうかね?全て、IF世界の妄想ですが…。
"戸井"の名前は既に町名からも消えているんですね。
第1瀬田来橋梁跡
ここは立入禁止になってないため階段を登ってみました。
が、上は雑草で埋め尽くされていて歩ける状態ではありませんでした。来るなら冬前ですね…。でも黄色い花に埋もれているのがなんだかエモいのでヨシ!そしてやっぱり景色が良い…!あ~開業していたら~~!
第2瀬田来橋梁跡

夜景見てジンギスカン食べてゴール

車を返却後、市電で「十字街」下車、ロープウェイ乗り場へ。

十字街
素敵。オレンジの街灯が似合いますね。
カラーのマンホールを発見!イカ踊り~
夕暮れの最後の瞬間。北海道駒ヶ岳のシルエットが綺麗に見えています。


美しい…!
でも聞いた話、白色LEDや空き家が増えた事で昔ほどではなくなったらしいです。ライトはともかく、空き家問題はなかなか辛いですね…。

ロープウェイは行きより帰りの方が長蛇の列でしたが、ロープウェイの箱がでかいのでそれほど長くは待ちませんでした。が、その先の市電が激混み。本数も15分に1本なので、歩いた方が早いという事で函館駅まで歩きました。昼に6km歩いたのに比べれば余裕です。

金カムラッピングの市電が!!ちくしょうブレブレだよ!!!!
ジン ジン ジンギスカーン
量を間違えて2人前食べました。羊肉は脂が少ないので胃もたれせず食べられますね。

以上、戸井線跡を辿る旅でした。
ここまでお読みいただきありがとうございます!

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