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2024ベルリン観劇記録(27)Das Rheingold

3月18日、シュターツオーパーで始まりました、『ニーベルングの指環』4部作。4作連続鑑賞は初めて。まずは第一夜『ラインの黄金』。

脚本/音楽 Richard Wagner
指揮 Philippe Jordan
演出/舞台美術 Dmitri Tcherniakov
衣装 Elena Zaytseva
照明 Gleb Filshtinsky
映像 Alexey Poluboyarinov
出演 Tomasz Konieczny, Roman Trekel, Siyabonga Maqungo, Rolando Villazón, Johannes Martin Kränzle, Stephan Rügamer, Matthew Rose, Peter Rose, Claudia Mahnke, Anett Fritsch, Anna Kissjudit, Evelin Novak, Natalia Skrycka, Ekaterina Chayka-Rubinstein, STAATSKAPELLE BERLIN

 コロナ禍でスタートしたプロダクションのため、初演時は連続で公開されず、客席開放率もその時々で違ったようだ。
 観客はハイブランドをパリッと着こなす明らかな富裕層から、ドレッドヘアにTシャツとダメージジーンズの若者までさまざま。
 公式HPをご覧いただければ分かる通り、美術はおそらく80年代。新築の研究所が舞台だ。ラインの黄金は洗脳装置のようなもので、指環はそのスイッチのようにも見えた。舞台間口いっぱいの部屋ユニットが縦横に連結されており、その昇降と組み替えで場面転換がシームレスに進む。間奏部分をうまく使ったと思う。
 作品については、巨人族の登場から、だんだん「あ、つまりこれはヤクザものってことでもいいのか……」と理解。なにやら怪しい人体実験を行なっている研究所(地下施設!)、取り立てにくる建設会社、土建屋、弟による兄殺しは銃だし、指環をよこせ!の場面は指詰めに見えたし、最後に出てきてバシッと決める歌声の素晴らしい大地の女神は岩下志麻だった。
 古い伝説や神話を混ぜ合わせた物語であるから、引用元を同じくする映画、ゲーム、漫画などに寄せた演出も容易に可能だろう。たとえばライン河はライフストリーム、力の指環はマテリア、そういえばニブルヘイム村もあった(Final Fantasy 7)。
 あと三夜ある。休憩含む拘束時間5時間50分の『神々の黄昏』まで生き残れますように。

ドイツで観られるお芝居の本数が増えたり、資料を購入し易くなったり、作業をしに行くカフェでコーヒーをお代わりできたりします!