【観じて想う#08】冬の夜空-キラキラとワクワク
冬の夜空の美しさは、冷たい夜気の相乗効果か、凛とした佇まいというよりも、時には近寄りがたいような高貴さを湛えているように思います。
そんな時、小学校時代に夜空観察の実習があったことを思い出します。
その日のお昼に教室で習ったお馴染みのオリオン座のキラキラをこの目で確かめるというワクワクと、当時は滅多にない冬の夜のお出かけに一層心が躍りました。
大人になってからは、夏の登山で夜空の美しさに息をのんだと同時に畏怖を感じたことはありましたが、冬は専ら「あぁ、寒い寒い」と足早に家路につくか、街中のキラキラ(ギラギラ?)に目を奪われる日々でした。
ところが、ここ数年の某Cにより大っぴらな外出の代わりに、夕方から夜にかけて散歩を楽しむようになりました。
人気を避けての散歩となると、街灯の控え目な場所を歩くことになるので、いつもより夜空が澄んで美しく見える。
と同時に、いくら手を伸ばしても届かない途方もない彼方から光を放つ星を目指し歩み続けている自分の、その行く末が急に頭をよぎり、妙に切ない気持ちになることがありました。
小学校の時にみんなで眺めたあの星は近しい存在に思えたのに、夏空の夜空いっぱいの星々にはその美しさに天界のドレスを見て感激したのに、今、散歩で観る星は師のようなガイドのような導きを感じながらも、同時に切なく哀しい想いが胸に渦巻く。このままでいいのか、この先どうなるのか。
同じ夜空の"スター"である月には優しい慈悲のようなエネルギーを感じています。満月は無論のこと、三日月であっても笑みをたたえて「いつも観ていますよ」という声が聞こえてくるかのように。
ただ、立春も近づき日が長くなってきた今日この頃、夕焼けとの再会の後に現れる夜空の趣も変わってきているように観じます。
あれら星のキラキラは「そろそろ行く末にワクワクしてみてはどう?」、という師/ガイドの皆さまの祝福メッセージなのかも、と想ったりしています。
<今日の美>
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