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#166歌舞伎鑑賞録①

昨日鑑賞した演目はこちら。
[ ]内の表現は私が勝手につけたもの。

<六月大歌舞伎>
①[お芝居]上州土産百両首
②[踊り]義経千本桜 所作事 時鳥花有里
③[狂言]六代目中村時蔵 襲名披露狂言 妹背山婦女庭訓 三笠山御殿

①ストーリーが分かりやすかった。単に意味がつかみやすいというより、舞台は江戸だが話の流れに自然に入り込めた。それもそのはず、Oヘンリーの「賢者の贈り物」をベースに創作されたものだから、現代人の感性に近いのだ。当時の社会を反映した古典ものは、時々、主人公達が理解しがたいほど理不尽な目に遭うことがあり、見ていて辛いことがある。実際、庶民がやんごとなき人の気まぐれで犠牲になるシーンなど、特にそう。

②私は元々[踊り]にはあまり興味がなく、今回も期待していなかったのだが、この演目は私の予想を素晴らしく裏切った。
踊りやその技術を見せるというより、ストーリーの中に踊りが包摂されていたように感じた。しかも、筋の終わり方が本当に美しかった。見目の麗しさもだが、鑑賞者にも美しい途を指し示してくれるような美しさ…

③襲名披露公演の演目だったが、少々残念な気持ちになるものでもあった。役者さんも演技も素晴らしいのだが、一部の演出が現代の感覚からは「問題」あるように思った。
それは主人公が屋敷のお局達に意地悪をされるという場面で、しかも当日の主要な役者が登場するある種の見せ場なのだろうが、(原作に忠実なのかも知れないが)かなり度を越したお局達の怒号や打擲に気が滅入った。
確かに意地悪をされる主人公の憐れな姿は「美」なのだろうが、今の私の感覚では受け入れがたかった。①のケースの逆ともいえるか。
お局達の姿(わざと男性の風貌を残したような白塗りの顔など)や大声(男性の野太い声)に笑いも起きていたが…

とはいえ、鑑賞できて大満足だった。

歌舞伎座特製「めでたい焼」😋

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