【鮮やかな日々#036】“成し遂げられなかった”こと

連休ももう終盤、休み前の予報に反して、概ね好天が続いた東京だった。
明日明後日は曇りか雨になるようなことも聞いたが、気温がスッと低くなり、昼間の熱狂が去り、白けたような、でも穏やかな景色が戻る夕暮れだった。

ふと、思いついて、これまでと今、自分のwant(欲していたもの、望み)をリストにして、それらが今現在、「達成」「獲得」できているかを振り返ってみた。

達成度はまあ主観的になりがちだが、明らかに未達成の事柄も多々ある。多少言い訳にはなるが、want中には、もはや不要なものもある。

それは、［組織の中で出世し「力」を得て、社会的にも一目置かれる発言力のある人物になること］だった。こう書くだけで、驕慢さを感じるし、滑稽でもあるが、5年程前(前回東京に住んでいた頃)は本気で(だが密かに)強く思っていた。
野心というよりも必死、それを達成するために、我武者羅に様々なことに取り組みエネルギーを注ぎ、自身では方々手を尽くしたつもりだったーが、達成はしなかった。

それは、実にシンプルに当たり前なことで、私はそんな人物になることになっていない、単に妄信に向かっていただけだった。

一方、リスト中で、まだまだ強く持っている望みはある。それは、海外(国や都市はあらかた選定済)を旅しながら、各地で暮らすことである。
数ヶ月単位で、気に入ったところへ次々と出かけたい。古代の叡智の片鱗をこの目で全身で確かめるために。

不要なwantとこれからもまだ達成したいwantが180度逆で、少し前まで自身の中に共存していたのがおかしい。

願わくば、あの妄信に突っ走っていた頃に得た知識や経験が、真のwant達成に強力なエンジンになりますように。

〔今日の生命〕