7/29 欲の雲散霧消
去年の春頃からずっと欲しいと思っていたバッグがある。当時、一目惚れしたものの、一旦落ち着いて考えよう、と買わずに帰ってきて、しばらくしたら、店頭分もネット在庫分も売り切れてしまった。
巾着っぽい形のバッグで。その小ささと色柄がかわいいし使いやすそうだな、と思っていた。売り切れたときには「なんでその場で買わなかったんだろう」と後悔した。
そうしたら、次のシーズン、サイズをひと回り大きくした、同じ形のバッグが売り始めた。「やった!」とよろこんだけれども、そもそもサイズの小ささも惹かれた部分であって。「大きくなった分、かわいさは減ったな……」と思い、買う決め手に欠けて、ずっと保留にしていた。
先月くらいに、この春夏シーズンで今までになかった色バリエーションが出ているのをたまたま通りがかったお店のウィンドウ越しに見つけて、勢いで入店して、(閉店時間ギリギリだったので)手に取るだけ取ってみて、で、買わずに帰ってきた。
またしばらく買おうかどうか悩んでいて、そうしているうちにまた在庫がどんどん減ってきているのをネットで確認し、「また売り切れたら後悔する、もう1年以上欲しいかもと思い続けているわけだし、すんごい高いわけじゃなし(数千円のカジュアルバッグ)、買えばいい!」とついに心を決めた。
で、今日の仕事終わりに、お店に行って。狙っているバッグを手に取り、バッグを持った自分の姿を鏡に映してみた。ら。
思っていたよりバッグが大きくて、自分とのバランスがよくない。
鏡に映る、バッグを持った自分の姿を見ていたら、ここ1年抱えていた『このバッグが欲しい』欲が、するすると抜けて消えていった。バッグを棚に戻して、遠くで声かけのタイミングをはかってくれていた店員さんに会釈して、お店を出た。
なんだか、いろんな学びを得たように思う。
わたしの場合、普段あまり物欲が強くないからこそ、初期衝動で「欲しい!!!」と思ったものは、その場で買ってしまうのが正解かもしれない、とか。非常に高価なもの、とかでなければ、1年もの間「欲しいな〜欲しいな〜」と心のどこかで思い続けるよりさっさと買ってしまった方が心のスペース的にもよいのでは、とか。欲しいものはネットで見ていないで早く現実で現物を見て触って自分にあわせてみるべきだ、とか。定番ものでもサイズや色はマイナーチェンジすることがあるから、定番もののそれを欲しいと思ったらそのときに買うべきだ、とか。
最初のタイミングであのバッグを買っておくべきだったなぁ……という、その点だけ後悔。
ずっと抱えていた物欲が心の中から消えていなくなり、すっきりしたような気持ちにもなっている。
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